本で死ぬ ver2.0

基本的には本の話。でもたまに別の話。

文芸

『バールの正しい使い方』(青本雪平・著)のレビュー

ランキング参加中読書 今回紹介するのはこちら。 バールの正しい使い方 作者:青本雪平 徳間書店 Amazon この本、書店でたまたま見かけて、なんとなく惹かれて買ったものの、しばらく積読になっていた一冊です。つい先日、ふいに読んでみたら予想外(←失礼)…

『四つ子ぐらし』(ひのひまり・著)のレビュー?

今回紹介するのはこちら。 四つ子ぐらし(1) ひみつの姉妹生活、スタート! (角川つばさ文庫) 作者:ひの ひまり,佐倉 おりこ KADOKAWA Amazon 自分に子どもが生まれてから図書館に行く頻度が増えて、絵本のコーナーによく行くようになったのですが、そうす…

『かがみの孤城』(辻村深月・著)のレビュー

かがみの孤城 作者:辻村深月 ポプラ社 Amazon 本をつくる仕事をしていてつねづね思うのは、「売れる本にするのであれば、内容を難しくしすぎてはいけないなあ」ということです。 ビジネス書とか実用書だと、これはとくに顕著です。 そもそも著者はなんらかの…

『羊たちの沈黙』(トマス・ハリス著)のレビュー

羊たちの沈黙(上)(新潮文庫) 作者:トマス・ハリス 発売日: 2020/05/15 メディア: Kindle版 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫) 作者:トマス・ハリス 発売日: 2020/05/15 メディア: Kindle版 ※ネタバレ含むので注意 今回紹介するのは歴史に名を残すサイコス…

『ベストセラーコード』(ジョディ・アーチャー&マシュー・ジョッカーズ著)のレビュー

ベストセラーコード 作者:ジョディ・アーチャー,マシュー・ジョッカーズ 発売日: 2017/03/24 メディア: Kindle版 人工知能が小説を書き上げる未来というのは、おそらくそう遠くない将来に実現するでしょう。 www.fun.ac.jp 私はなんだかんだ10年近く編集者と…

『マチネの終わりに』(平野啓一郎・著)のレビュー

石田ゆり子さんではないと思うのです。 なにがって、『マチネの終わりに』のヒロインである小峰洋子の配役です。 マチネの終わりに メディア: Prime Video 福山雅治さんはまあいいとして、石田ゆり子さんだと甘すぎる印象が拭えないのではないかなと。 すく…

『ぼくらの七日間戦争』(宗田理・著)のレビュー

タイトルは知っているけど読んだことなかった名作シリーズのひとつ。 ぼくらの七日間戦争 (角川つばさ文庫) 作者:宗田 理 発売日: 2009/03/03 メディア: 単行本 表紙やイラストこそ、非常に爽やかな健全児童文学っぽい感じですが、いやはや中身を読んでみる…

『R62号の発明・鉛の卵』のレビュー

私はたまーに、暇だと土日などに開催されている読書会に参加したりします。 この本は以前(というか数年前)の読書会でだれかが紹介していたのをメモって脳内の「いつか読もうリスト」に入れていたのですが、ふいに思い出したので購入し、読みました。 本と…

『ぼぎわんが、来る』(澤村伊智・著)のレビュー

私はホラーが苦手です。 ただ、「怖い話」が苦手というわけではありません。 「びっくりする演出」が苦手なのです。 だから、『不安の種』みたいなホラーマンガは読めるし、『新耳袋』みたいなホラー小説は読めます。 不安の種+(1) (少年チャンピオン・…

年末年始はコレを読んどけアワード2019 ~小説・人文・ビジネス実用~

今年は仕事が忙しくてかなり本を読む量が減ってしまいました。 いや、言い訳をすると、本は読んでいるのです。 ただ、仕事の資料として読まなければならない本が多く、著者がかなり偏っているので、そういう場合はレビューを書いたりブログ記事にしたりしな…

薄暗くて物悲しくてモヤモヤする10の物語 ~『10の奇妙な話』のレビュー

仕事が忙しすぎてぜんぜんブログを書く余裕(メンタル的にもフィジカル的にも)がなかったけど、私は元気です。

誰も傷つかない物語に価値はあるのか ~『政治的に正しいおとぎ話』のレビュー~

いろいろな言葉が変わった。

興奮しちゃう ~『粘膜人間』のレビュー~

健全な男子であれば、少なからず嗜虐性(サディスティックさ)は持っているだろうし、独断と偏見で言えば、とくに中学生くらいの年齢にはそういう妄想をするものだと思う。

やっぱり献本っていらないかも~『人魚の石』のレビュー~

『本が好き!』の献本で当たったので読んだ。

大陸一の娼婦を目指す少女のサクセスストーリー~『芙蓉千里』のレビュー~

ジブリの大ヒット作『千と千尋の神隠し』は性風俗の現場で働くことで成長していく少女の物語であるというテーマがあって(詳細はこちらを参照)、私はそのことを覚えていたからなのだろうが、この本を読んだときに『千と千尋の神隠し』を思い出した。 芙蓉千…

読書家の人に『アラビアの夜の種族』を読んでみてほしい

人はなぜ物語を読むのか。

秋の夜長にちょうどいいサスペンス~『出版禁止』のレビュー~

今週のお題「読書の秋」 今回紹介する本はこちら。 出版禁止 (新潮文庫) 作者: 長江俊和 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/03/01 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (5件) を見る テレビドラマの演出・脚本・ディレクションのほか、映画監督としても…

カルピスの原液をうまいと感じる人はほとんどいない~『ルビンの壺が割れた』のレビュー~

今回紹介する本はこちら。 ルビンの壺が割れた 作者: 宿野かほる 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/08/22 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 賛否両論である。ただ、どちらかというと否定的な意見が多い。私はこの作…

『スクラップ・アンド・ビルド』のレビューを書いていたらいつの間にか筋トレの話になった

今回紹介する本はこちら。 スクラップ・アンド・ビルド 作者: 羽田圭介 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2015/08/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (35件) を見る ピース又吉直樹氏の『火花』と一緒に芥川賞を受賞した作品。著者の羽田圭介氏は…

メキシコ版「仁義なき戦い」~『犬の力』のレビュー~

今回紹介する本はこちら。 犬の力 上 (角川文庫) 作者: ドン・ウィンズロウ,東江一紀 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング) 発売日: 2009/08/25 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 175回 この商品を含むブログ (188件) を見る 犬の力 下…

時代に翻弄される女性たち~『政略結婚』のレビュー~

今回紹介する本はこちら。 政略結婚 作者: 高殿円 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2017/06/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 幕末、明治、昭和を生きた3人の女性を中心に、その時代時代で変わっていく「結婚」「家柄」にまつわる物語。

どんでん返しの宝石箱や!~『この闇と光』のレビュー~

今回紹介する本はこちら。 この闇と光 (角川文庫) 作者: 服部まゆみ 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店 発売日: 2014/11/21 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 盲目の王女レイアと父王を巡るゴシックミステリー。

『ちょっと今から仕事やめてくる』の小説としての巧みさ

天職というのは「お金が儲かる趣味」ではないかと考えている徒花です。

文学には社会不適合者が必要だ~『こちらあみ子』のレビューなのか?~

映画『ドクター・ストレンジ』を見てきました。

原田マハが止まらない~『楽園のカンヴァス』のレビュー~

『私自身:肖像=風景』アンリ・ルソー 最近、Instagramを本格的にやり始めて、とりあえず本の写真をアップしているものを片っ端から「いいねっ!!!!!」しているのだが、ザザーッとタイムラインを見ていると気付くことがひとつある。

す年末年始はとりあえずこの本を読んどけ10選 2016年版(小説編)

年の瀬も近づく今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

『コンビニ人間』を読んで正常と異常の境界線を考える

「普通はこうでしょ」と言われると噛み付きたくなる徒花です。

「怖さ」のメカニズム~『私の骨』のレビューじゃない~

帰宅するとすぐテレビをつける徒花です。とはいっても、別にテレビが見たいわけじゃないのです。

私は2週間ブログを更新しなかった……肉眼ではね~『〆切本』のレビュー~

2週間ぶり以上のブログ更新である。

『一瞬の永遠を、きみと』を読んで「君」という呼称について考える

ファーストキスは小4の徒花です。ウソじゃないよ!