す年末年始はとりあえずこの本を読んどけ10選 2016年版(小説編)
年の瀬も近づく今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
もくじ
年末年始はきっとみんな暇で死ぬと思うので、私が2016年に読んだ本の中でおもしろかったものを10冊選んで紹介する。
「ビジネス・実用書・自己啓発編」はこちら。
「エッセー・ノンフィクション・その他編」はこちら。
①『体育館の殺人』青崎有吾
「平成のエラリー・クイーン」と呼ばれる著者が書いた青春ミステリー。とにかくロジカルな推理が本作の真骨頂である。また、おそらく著者本人がアニメ好きで、探偵がオタクなので、文章のいたるところにさまざまなアニメ、マンガのオマージュが取り入れられている。感想はこちら。
②『夜中に犬に起こった奇妙な事件』マーク・ハッドン
ミステリーに見せかけた文芸作品。数学的センスはあるが、他人の感情や言語外の表現を一切理解できない不思議な男の子が、隣家の犬が死んだことをきっかけに自らの家族と自分自身を見出していく物語。かなり独特な作品の作り方をしていて、まさに奇妙な小説。単体のブログ感想は書いていないが、言及している記事はこちら。
③『最後の喫煙者』筒井康隆
SF短編集。日本SF界の生きるレジェンド、筒井康隆の本。とにかく下劣でブラックで痛快。けっこう声に出して笑ってしまうので、外で読むときには注意が必要である。感想はこちら。
④『デブを捨てに』平山夢明
底辺ナンセンス小説。どこが底辺かというと、主人公たちがことごとく底辺なのである。かといって読んでもどんより暗くなるような作品ではなく、突き抜けた暗さが返って清々しい。そして案外、読後感はほっこり。感想はこちら。
⑤『亜愛一郎の狼狽』泡坂妻夫
ミステリー短編。推理力は抜群だがスットコドッコイな男、亜愛一郎が出会う事件を鮮やかに解決していくシリーズ第1作目。サクサク読み進められて、軽快な一冊。あまりキャラクターに感情移入することはないけれど、星新一を彷彿とさせる淡々とした調子で物語りは進んでいく。感想はこちら。
⑥『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』高殿円
ファンタジーミステリ。女性になったホームズとワトソンが出会い、不思議な事件を解決していく冒険譚。ライトノベルに近い文体と設定で、かなりエンタメ性がたかい。個人的にはかなり続編が読みたい。感想はこちら。
⑦『姫百合たちの放課後』森奈津子
レズビアン小説。かなり過激なエロ描写ばかりなので注意が必要だが、それと同時にぶっ飛んだ設定と満載のギャグが笑いを誘う。とりあえず一度、読んでみて欲しい。感想はこちら。
⑧『百舌鳥魔先生のアトリエ』小林泰三
ホラー小説短編集。SFが混じっていたりもするが、人間が本来持っているグロテスクな感情を浮き彫りにし、「ぎょえっ」となること請け合い。グロ描写が苦手な人は要注意。感想はこちら。
⑨『シンギュラリティ・コンクェスト』山口優
シンギュラリティ・コンクェスト 女神の誓約(ちかひ) (徳間文庫)
- 作者: 山口優
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2010/11/05
- メディア: 文庫
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人工知能を持ったアンドロイドを主人公にしたSF。人工知能と人間がどうやって調和して暮らしていけるのかというのが作品を貫くテーマになっており、見た目よりも本格派で専門用語も多いが、おもしろい。アニメ化してほしい。感想はこちら。
⑩『境界線上のホライゾン』川上稔
GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン (1)上 (電撃文庫)
- 作者: 川上稔,さとやす
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2008/09/10
- メディア: 文庫
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練りつくされた世界観、個性的過ぎる登場人物、歴史とSFに対する深い造詣、それらがうまく融合されて形成された物語は圧巻(ボリュームも圧巻!)。読む人は選ぶかもしれないが、時間と気力があるなら読んで損はない一冊。感想はこちら。
ベスト・オブ・ベストは……
ベスト・オブ・ベストは『シンギュラリティ・コンクェスト』山口優!
おそらくこの本は出版されるのがちょっと早すぎた。
いよいよ人工知能とシンギュラリティが現実味を帯びてきたこのご時勢だからこそ、読んで楽しめる一冊である。でも正直、『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』とすごく悩んだ。
シンギュラリティ・コンクェスト 女神の誓約(ちかひ) (徳間文庫)
- 作者: 山口優
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2010/11/05
- メディア: 文庫
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というわけで、良いお年を。