『ベストセラーを書く技術』(晴山陽一・著)のレビュー
私は気になる本があった場合、とりあえずAmazonの「欲しい物リスト」に放り込んでいます。
気になる本を片っ端から買っていくと、私の財布がスッカラカンになってしまうのと、置く場所がなくなるからです。
たぶんいまは200冊くらいがストックされているはずです。
「ほしいものリスト」は定期的に見直します。
あんまり読む気がなくなった本はリストから削除し、「やっぱり読んでみよう」と思った本はだいたい図書館で借ります。
図書館でも手に入らなくて、それでもどうしても読みたい本は買います。
また、図書館で読んだ本でも、やっぱり手元に置いておきたいなと思った本は、改めて買ったりします。
さて、「ほしいものリスト」が200冊くらいもあると、古いものでは「なんでこの本をリストに入れたたんだろう?」と過去の自分の行動原理がサッパリわからないものも出てきます。
この本も、そんな一冊でした。
いったいなにがきっかけでこの本を見つけ出し、なにが気になってリストに打ち込んだのか、よくわからなかったのです。
ただ、タイトルや装丁の雰囲気的に「すぐ読み終えられそうな本だなあ」と感じたので、気軽に図書館で予約して読んでみました。
すると意外や意外、思って異常に骨太な内容というか、内容がけっこう詰まっていて、特に私のようなへっぽこ編集者にはタメになるコンテンツが多かったので、これは手元に置いておこうと、読み終わったあと、あらためてAmazonで注文した次第でした。
ということで今回は、『ベストセラーを書く技術』を解剖していきます。
本書の内容はタイトルのとおりです。
著者は元編集者で、実用書作家に転身し、現在は出版コンサルティングなどを生業にしているようですね。
10年連続で10万部突破した本をつくったらしく、これはとんでもない実績です。
実際、本書の原稿はとっても読みやすいです。
しかも読みやすいだけではありません。
エモいのです。
エモいってわかるようなわからないような言葉ですが、ビジネス系のシーンで使う場合、要するに「読んだ人の感情を揺さぶる」「その気にさせる」というニュアンスだと思います。
さて、本書のなかで一編集者として参考にして真似してみたいものがあったので、そうした物を中心に抜粋していきます。
●川柳ワーク
とにかくなんでもいいから「五・七・五」のリズムにまとめてみるフレームワークです。
「五・七・五」のリズムに乗っていれば思いつきでも、支離滅裂でもなんでもかまいません。
自分の頭に思い浮かんだことを、とにかく「五・七・五」でいう。
これ、めちゃくちゃ便利だと思います。
アイディアってウンウン考えているとなかなか出てこなんですが、とりあえず最初のご文字だけを考えると、残りの「七・五」も無理やりくっつけられちゃいますよね。
アイディア出し、ネタ出しにかなり使える気がします。
●本の構造は「?」でつくる
私は仕事の半分くらいは新しい本の企画を考えて会社に提案することなんですが、企画書を作るとき、意外と苦労するのが「構成案」です。
ネタって、意外と思いつくものなんです。
著者も探せばいい感じの人はすぐ見つかります。
問題は構成案ですね。
これはしっかりリサーチをしながら、順列に沿って組み立てていかないといけないので結構たいへんです。
そこで本書が構成づくりのためにお勧めしているのが、疑問・クエスチョンをベースにして、それをブレークダウンさせていくというやり方。
そもそも実用書は何かしらの課題を解決するために存在するわけで、そうした課題は「なぜ~は~なのか?」という形に置き換えられます。
たとえば、「なぜあの人はお金持ちなのか?」という本の企画の構成案をつくろうと考えると、たとえば次のようにブレークダウンしていけますよね。
『なぜあの人はお金持ちなのか?』
第1章 なぜあの人は収入が多いのか?
第2章 なぜあの人は貯金や資産が多いのか?
第3章 なぜあの人は収入が多いのにアクセクしてないのか?
第4章 どうすればあの人のようにお金持ちになれるのか?
第5章 あの人のようにお金持ちになるためにいますぐできることはなにか?
はい、こんな感じで構成案が出来上がります。
構成案の骨格が出来上がったら、さらにそれぞれの章のなかに「なぜ~なのか?」という疑問形のコンテンツをぶっこんでいきます。
●LSD理論
これは文章を各段階のテクニックです。
200ページの本を最後まで読ませるということは、「ページを100回目暮らせることである」と著者は述べています。
これはけだし名言です。
いや、アタリマエのことを言っているだけなんですが、けっこうそういう当たり前のことを忘れがちになってしまうのです。
だって冷静に考えてみると、100回も同じ動作を相手にさせるのってかなり大変ですよね。
「このボタンを100回押してください」っていわれても、私だったらやりません。
じゃあ、どうすれば100回ページを捲らせることができるか。
そこで役立つのが「LSD理論」なのです(薬物ではありません)。
LSDとはなにか。
L:ロジック(理屈)
S:ストーリー(物語)
D:データ(事実)
この3つです。
人間はそれぞれ、このLSDのどれかをとくに重視します。
私の場合は、ロジックが好きです。
でも、もちろんストーリーが好きな人もいればデータが好きな人もいて、売れる本を作るためにはそうした人々のすべての興味を引く必要があります。
なので、このLSDのバランスを考え、原稿を作りなさいよ、ということなんですね。
パッと見た感じ、ちょっと胡散臭さも感じましたが、以外にも中身の濃い、タメになるほんでした。
後記
最近、『お金の大学』も読みまして、たいへんいい本でした。
いまいちばん売れているお金の本ではないかと思います。
ただ、網羅的な、まさに「お金の家庭の医学」的な本なので、あまりレビューであれこれ語るような本ではありません。
ただ、労働収入と資本収入の違いについてはしっかり説明されていました。
やはり、自動的にお金が入ってくるシステムを1つ持っているのは大切だよなあと実感した次第です。
んで、私もひとつちゃんとアフィリエイト収入が得られそうなブログをつくってみようということで、レンタルサーバーを契約してドメインを獲得し、新たにブログをつくってみました。
まだいろいろ試行錯誤中ですが、なかなかいい感じです。
ただ、ワードプレスのブログの方はちゃんと収益化を目指してつくっていこうとおもうので、のんべんだらりと書き綴るこちらのブログも引き続き続けていこうと思います。
まずは目指せグーグルアドセンス合格!
というわけで、今回はこんなところで。
それでは、お粗末さまでした。