緊張感がふわっと消えるレジェンド・ブレスの極意 ~『40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方』のレビュー
人間の肉体的なピークは25歳くらいだといわれている。(諸説あるっぽいが)
もくじ
だからこそ30代、40代になっても20代と張り合って成果を出すアスリートはものすごく称賛される。
ビジネスは「人を使って成果を出す」ということができるが、スポーツはいくらチームでやるものでも、そういうことができない。
純粋に、自分の肉体と精神力だけで勝負するしかない。
そんななか、スキージャンプ選手の葛西紀明は30代後半から「新たなピーク」をつくりだし、41歳になって「過去最高の自分」に到達して、ソチオリンピックで銀メダルを獲得している。
葛西氏が個人でメダルを手にしたのは、これがはじめてのことだというのだ。
「レジェンド(伝説)」と呼ばれるのも、頷ける話である。
今回紹介するのは、そんな葛西氏が初めて書いたビジネス寄せの健康本だ。
40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方
- 作者: 葛西紀明
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2017/12/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
この「疲れない」というのはビジネス本のトレンドの1つで、これは単純にビジネスパーソンの平均年齢が上がってきていることも要因として考えられる。
では本書で面白かった部分を抜粋して紹介していく。
疲れない姿勢は「疲れない姿勢」ではない。
禅問答のようだが、こういうことだ。
改めて自分自身を観察してみると、 背筋の伸びている姿勢が、体の疲れ具合に影響している ことがわかりました。
「背筋がまっすぐにぴんと伸びている」姿勢は、じつは最も疲れない、ラクな姿勢であることに気づいた のです。ソファーや背もたれのある椅子にもたれて座ったり、壁に寄りかかるほうが疲れを感じます。
こう話すと、みなさん驚かれます。
「いやいや、背筋を伸ばすと疲れますよ。こっちのほうが断然ラクです」といいながら、背中を丸め、左右のどちらかに体重をかける姿勢をされる人もいます。
逆に、胸を突き出して腰をそらせた姿勢のほうがラクという人もいます。
しかし、そういう人に強調したいのは、「いまラクな姿勢」は、必ずしも「疲れない姿勢」ではない という点です。
姿勢が悪い人ほど、「ラクな姿勢」といいながらも、姿勢を頻繁に変えています。 体重を逆側にかけてみたり、足を組んでみたり、時には肩を回してみたり……。みなさんのまわりでも、頻繁に体を動かし、姿勢を変える人はいないでしょうか?
なぜ姿勢をコロコロ変えるのか。それは、同じ姿勢でいると疲れるからです。
頻繁に姿勢を変えている人は、じつは「疲れる姿勢」をとってしまっているのです。
要するに、背中を丸めてグダッと背もたれに寄りかかって座っているのが一見すると楽に感じるが、じつのところ、そういう人は姿勢を頻繁に変えているので、それが「ベストな姿勢」ではないということなのだ。
じゃあどうすればいいのか、というのは本書で読んでみてほしいが、なるほどね、と感じた。
緊張が消える「レジェンド・ブレス」
本書ではさまざまなトレーニング方法を紹介しているが、私が本書の一番のキモになるところだと思うのが、この「レジェンド・ブレス」だ。
スキージャンプというのは、私もテレビ越しにしか見たことがないのだが、とんでもない高さからものすごい急斜面を一気に滑り降り、ジャンプするという恐ろしい競技である。
ちょっとした油断が大怪我につながるし、下手をすれば首の骨を追ったりして死ぬことだってありうる。
そうしたなかで、風などを味方につけつつ、できるだけ遠くまで飛ぶ競技だ。
そこで大事なのは、体を鍛えるのはもちろんのこと、いざ本番のときに過度な緊張を解きほぐすことだ。
そこで葛西選手が実際に行っているのが、緊張を緩める最強の呼吸法「レジェンド・ブレス」なのである。
詳しくは本書を読んでコツを掴んでほしいが、カンタンに説明すると
1.鼻から息を思いっきり吸い込む
2.そのまま5~10秒間、息を止める
3.そこからさらに息を吸い込み、5秒間息を止める
4.口角を上げ、歯の隙間から少しずつ息を吐く
ポイントは3番めの部分。
実際にやってみるとわかるのだが、思いっきり息を吸い込んだつもりでも、さらに息を吸い込めてしまうものなのだ。
これを行うことで、肺の中を100%空気で一杯にすることができる。
これは完全に私の感覚だが、たしかにこの呼吸をやってみると、不安とか緊張みたいなものが緩められる気がする。
というよりも、呼吸に集中して、呼吸するだけで意識がいっぱいいっぱいになるので、不安や緊張している場合ではなくなる、といったほうが正しいかもしれない。
しかしこれはこれで、正しい対処法だろう。
先日のことだが、私は1000人規模のイベントで司会みたいなことをしなければならなくなってしまった。
すごく緊張するかと思ったのだが、直前(本当に5分前くらい)に別件でトラブルが生じて、正直、司会どころではない自体になってしまったのだ。
私は高速でトラブルを解決して何食わぬ顔で司会をスタートしたが、「司会で緊張しているどころじゃない」という自体に陥ったことで、まったく緊張しなかった。
緊張しているというのは、たぶんヒマだから起こることなのだと思う。
入念な準備はもちろん必要だが、しっかり準備をしたのなら、むしろ直前にはなにか別のことに意識を向けていたほうが緊張感は緩和されるのだろう。
いろいろ余談も入ったが、イラストも豊富でトピックも多岐にわたり、お得かつわかりやすい本なので、ぜひ読んでみてほしい。
40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方
- 作者: 葛西紀明
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2017/12/15
- メディア: Kindle版
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後記
ゴジラの新作「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」、見てきました。
ゴジラ 2019【HD】キング オブ モンスターズ 予告 King of Monsters
ツイッターでも話題になっていたけれど、なんというか、久しぶりに「怪獣映画」を見たという感じ。
もちろんヒューマンドラマ的な部分もあるんだけど、そういうのはどちらかというとオマケ的な要素でしかなくて、おざなりといえばおざなり。
そのかわり、登場する怪獣たちが徹底的にかっこよく、魅力的に見えるような演出、カメラのカットなどがされていて、それをハリウッドの最新CGで表現しているから見ていて楽しい。
あと、マーベル作品みたいに、エンドロールの後のカットで次回作の予告っぽいシーンがあるので、途中で席を立ってはいけない。
あのシーンを見る限り、次回作はゴジラ対〇〇〇〇〇〇か、ゴジラ対〇〇〇〇〇〇〇〇になるのかな。
あ、この作品は2014年に公開された以下の作品の続編なので、できればこちらを見てからのほうがストーリーがつかみやすい。
今回はこんなところで。
それでは、お粗末さまでした。