本で死ぬ ver2.0

基本的には本の話。でもたまに別の話。

大手引っ越し業者の「訪問見積もり」ってなんなの?

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引越しをしました。

 

ここ数週間、いろいろと立て込んでいてあまりゆっくり本を読む暇もなかったが、ともかくもろもろのひと段落が付いたので、久しぶりにブログを書いている。

 

さて、多くの人は引越しをする際、引っ越し業者を利用すると思う。

そして、引っ越し業は数えきれないほどある。大手の有名なところから、大都市圏しか相手にしていない中小企業までさまざまだ。

 

結論を述べれば、単身世帯で、引越しの費用を賭けたくないなら、大手の引っ越し業者になんか頼むべきでないと思う。

というのも、大手はいろいろ無駄が多くて、お金がかかる(特にひどかったのがS社だった)。何がひどかったのか、ここでは述べていこうと思う。

 

①時間を守らない

 

引っ越し業者はお客さんの荷物の量とか、移動する距離とか、家の前の道幅の広さとかを確認する。それをもとに引っ越し費用の見積を算出するからだ。

そしてこれは、電話による口頭で済ませるケースと、自宅までやってきて実際に見るケースにわかれる。大手の会社は客の自宅まで訪問することが多かった。S社もそうだった。

 

最初、S者の人と話をしたとき、見積もりに平日の午前中を指定した。ちょうど、住民票を受け取るために午前に会社の半休をとっていたからだ。

S社の人は「10時にうかがいます」と言った。そこで私は当日、早めに区役所に行って住民票をもらい、10時には家に帰れるようにした。

 

しかし、来ない。

 

まあ、10時ピッタリに来ないのはまだわかるとしても、連絡ひとつよこさないのは考え物だ。

11時。来ない。

連絡もない。やがて、そろそろ会社に向かわなければと考え始めたときに連絡が来て、「前のお客さんで時間がかかっているから、まだ行けなさそうです」という連絡が謝罪とともに来た。

 

まあ、それはそれで仕方ない。

私は訪問見積もりを土曜日の10時に変更してもらった。

 

さて土曜日。

案の定というか、やはり約束の時間には来ない。今回はすぐ連絡が来て、また前のお客さんが長引いているので、到着が遅れるという。結局、S社の人間が来たのは11時を過ぎたころだった。

 

②顧客を脅迫する説得テクニック

 

まあ、そういうこともあるだろう、私は気にせず家のなかを見せる。

 

しかし、私はその見積書を見たとき、唖然とした。

12万円もしたのだ。

びっくらこいた。

 

というのも、その少し前に、ほかの引っ越し業者に電話口で家具の種類や量を概算の見積もりを出してもらったら、7万円と言われていたからだ。なんでこんなに高いのか、よくわからなかった。

 

しかし、我が家にやってきた担当者と話をしてみると、彼はこんなことを言い始めた。

「上司の決裁が必要ですが、自分の努力次第で8万円くらいまで下げられます」

 

これはアレだ。

最初に高い値段を吹っ掛けておいて、割引することでお値打ち感を出させようという心理を利用したヤツだ。

個人的には、「自分の努力次第」という恩着せがましい言葉がまず鼻についた。しかも、結局、それでもまだ高い。

 

「とりあえず、いま、いろいろな業者さんから見積もりを取ってもらっているので、比較検討して週明けに結論を出します」

 

私がこう言うと、担当者が焦りだす。

 

「訪問見積もりをしてその場で契約をとってこれないと、会社としてマズイんですよ」

 

知るか!

と私は心の中で思ったが、もちろん口には出さない。

というよりも、この言葉が出てきた時点で、この担当者はお客様のためではなく、自分のため、会社のために行動していることが明らかになった。

担当者は続けた。

 

「そうしましたら、がんばって6万円くらいにするので、それでしたら、この場で即決していただけませんか。日をまたいでしまうと、トラックの搬送状況も変わるので、ここまでのお値引きが難しくなります」

 

今度はアレだ。

タイムリミットを設けることで消費者を焦らせ、決断を急かせるヤツである。

もう私は完全にこの担当者を信用していなかったので、頼むつもりがなくなっていた。

 

 

「どれだけ安くされても、この場で結論を出すことはできません」

 

私が答えると、Uさんはがっくりと肩を落とし、会社に連絡をした。

おそらく上司と話していたのだろう。たぶん、帰社したら上司に怒られるに違いない。自分に息子ができたら、引っ越し業者には就職させたくないなぁと思った場面であった。

 

さてその後、A社やらべつのA社やらが訪問見積もりに来た。傾向を見ると、大手のほうが訪問見積もりをやりたがるようだ。

しかし、個人的な感想を言えば、訪問見積もりをするのはしっかり荷物の量を確認するためではなく、お客さんを直接説得する機会を設けるためのように感じられた。

しかもびっくりするのは、訪問見積もりにやってきたどの会社も、まず時間通りに流行ってこなかったことだ。30分から1時間程度は遅れてやってくる。私は大手引っ越し業者に闇を感じた。

 

訪問見積もりなんかしているから高くなるんじゃないのか

 

これはそもそも、担当者の手際が悪いとか、たまたま私の前のスケジュールのお客さんが面倒だったとか、そういう個別ケースの問題ではないだろう。

やってきたお兄さんに質問すると、A社の場合、一件につき1時間でスケジュールを立てているようだ。しかし、あまり荷物がない私の戸別訪問でも1時間くらいかかっているのだから、冷静に考えれば1件につき1時間しか時間をとっていないスケジュールをこなすのは、到底無理なのだ。

話を聞くと、到着に遅れたことでお客さんに怒られたり、それをネタに「もっと値引きしろ!」と迫られることもあるらしい。

 

これはもう、戸別訪問のスケジュールを組み立てる会社の制度そのものに問題があるのではないか

そういえば一昨年、A社は写真との訴訟を起こしてブラック企業だと騒がれていたが、これは大手引っ越し業者が軒並みそのような環境であるようにうかがわれる経験であった。

 

ちなみに、私はその後いくつかの会社で、電話口にて見積もりをお願いし、最終的にはベスト引越しサービスという会社に決めた。

費用は結局、5万円弱である(2か所からの積み込み、洗濯機の処分もお願いしてこの値段)。HPを見ると関西の引越ししかやってないように見えるが、都内の引越しもやっているようだった。

 

 

最終的に5万円になったことをかんがみても、S社をはじめとした大手引っ越し業者の提示する金額がいかに高額で、客に吹っかけようとしているのかがよくわかる。

 

もちろん、その金額にふさわしいだけのしっかりしたサービスとサポートは当然なるのだろうが、少なくとも単身の引っ越しでこれだけの値段はかけられない。

ファミリー世帯で、荷物がめちゃくちゃ多くて、移動距離も長かったりするなら、大手に頼むのもアリなのかもしれないが。

 

今回はこんなところで。

それでは、お粗末さまでした。