本で死ぬ ver2.0

基本的には本の話。でもたまに別の話。

マウスピースを5000円くらいで作ってみた

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一昨年、親知らずを抜いた。

 

というのも、風邪で熱を出した時に今まで経験したことのない歯痛に襲われたため、行きつけの歯医者に行ったところ、「親知らずが原因だね。よし、抜こう」と、『そうだ、京都行こう』くらいのノリで言われたので、拒否する間もなく、右の上下の奥歯をぶっこ抜かれたわけだ。

どうも、普段は痛みのない親知らずでも、風邪などで体の抵抗力が落ちると痛みが生まれることが多いらしい。そして厄介なのは、一度痛み出すとその後、また体調不良になる痛むようになるということだ。

注射が嫌いで献血すら避けていた私はネットで抜歯がどれくらい痛いのかを調べ、戦々恐々としていたのだが、私の歯の生え方が素直だったからか、それとも歯医者さんの腕前が良かったからか、予想していたよりも抜歯後の痛みは少なく、処方してもらった痛みどめをあまり利用せずに乗り切れたのは僥倖ではあった。

 

 

ちなみに、私の行きつけの歯医者さんはなかなかモダンでオシャレな内装をしていて、治療椅子にはそれぞれモニターが付いており、つねにヨーロッパサッカー(もしくはアメリカンフットボール)が放映されている。

私は「ヨーロッパサッカーが好きな奴はチャラい」という先入観を持っていて、先生はそうしたイメージに違わず、チャラい気さくな方である。サッカー日本代表戦の夜には渋谷か六本木にあるスポーツバーに赴き、知り合った女子大生に夜のフリーキックを決めていそうな感じの人だ。しかし、腕は確かだと思うので、どれだけ人間としてクソだとしても、私は先生を信頼している。

 

余談だが、先日、証券会社でナンバーワンの営業成績を保ち続けている凄腕営業マンの人と話をする機会が会ったのだが、こんなことを言っていた。

営業マンはお客様に気に入られようとする必要なんて1ミリもない。別に友だちや恋人じゃないんだから。どんなに人間的にイヤなやつでも、すばやくキッチリ仕事をすれば、営業成績は伸びる」

これはおそらく、真なりだろう。

 

 

さて、というわけで私はそれから1年くらい歯医者さんに行くのをさぼった後、久しぶりに検診に行ったら、今度は軽度の虫歯が見つかったので削ってもらったりしたのだが、その治療が済んだ後、唐突にこんなことを言われた。

「だいぶ歯が削れているけど、マウスピースつくる?」

一通りの治療が済んだのでさらに私からぼったくろうとしていたのかもしれないが、私は自分の歯ぎしりについては自覚していた。奥さんからも何度か「寝てる時の歯ぎしりがハンパない」ということをいわれていていたので、せっかくの機会だからということでマウスピースを作ってみたのである。

 

先生の話によれば、寝ている間の歯ぎしりは100キロ以上の力がかかっているらしく、どんどん歯が削れていくばかりか、最悪の場合、自分で自分の歯を砕いてしまうこともあるとのこと。実際、私の下の前歯は、上の歯との摩擦によってまっ平らになっていたのだ。

マウスピースは型をとってから1週間くらいで出来上がり、保険が適用されるので料金は5,000円くらいとのこと。これくらいの値段で自分だけのマウスピースが作れるのであればまあ、そんなに高くはないかなと思った。

 

マウスピースというと、私はボクシングの選手がしている、上の歯と下の歯で抑え込むようなもをイメージしていたのだが、歯ぎしり用のマウスピースは上の歯にかぶせるような形のものだ。

型取りは20分程度。上の歯に粘土のようなものを押し当てられ、そのまま5分くらい固定される。仰向けで唾を吸引する機械も使えないので、これが一番つらかった。また、撮られた後も粘土の破片のようなものが口の周りについて、変な味がした。

 

1週間後に完成し、私はウキウキしながら(なににしても、初めてやることには心躍るものである)マウスピースをつけて寝るようになったのだが、びっくりした。下の写真を見ていただきたい。(あまりきれいなものではないので、見たくない人は非スクロール推奨)

 

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ちょっとわかりにくいかもしれないが、このマウスピースはもともと透明だったものである。しかし、いまやすっかり奥歯と前歯の裏側が白くなっている。これは、私が寝ている間にガリガリ削ったり、下の歯で圧迫したことにより、白く濁ってしまったのだ。

 

当たり前だが、マウスピースをはめたからと言って、寝ている間の歯ぎしりがなくなるわけではない。ただ、本来であれば歯が削れてしまうところを、マウスピースでカバーすることでマウスピースが肩代わりしてくれるわけだ。

つまり、使い続けているマウスピースはどんどんボロボロになる。割れたりしなければもうちょっと安価に修理してくれるらしいが、使い始めて1カ月足らずでこのありさまでは、やはりそれなりにお金がかかるものなのかもしれないとも思い始めている。

 

また、私はマウスピースと一緒にマウスピースの専用ケース(500円也)も購入した。さらに、最近はポリデント(入れ歯洗浄剤)を利用して、週に一回くらい洗浄している。もうおじいちゃんになった気分である。

 

もし、歯ぎしりを自覚している人がいれば、できるだけ歯が削れてしまう前にマウスピースを作ったほうがいいかもしれない。歯医者さんによっては、ただ見てもらうだけだとマウスピースを勧めてくれないこともあるらしいので、気になる人は歯医者さんに自分から相談してみるのもアリだろう。

あと、歯医者さんは見た目で判断しないほうがいいかもしれない。

 

今回はこんなところで。

それでは、お粗末さまでした。