本で死ぬ ver2.0

基本的には本の話。でもたまに別の話。

読書の極意(のひとつ) ~『ライフハック大全』のレビュー~

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SNSをやっていると、いろいろな人がいる。

 

もくじ

 

たまに自分が想定していなかった方向から弾丸が飛んできて、被弾することもある。こういう場合、痛みを感じるよりも、基本チキンな私はびっくりしてしまう。


人は予想外の事態に直面すると、「怒り」という感情が生まれる。私も根は短気なので、想定外のところから被弾すると「あん? ケンカ売ってんのかコイツ」と一瞬だけ思う。


しかし、当然ながらそのまま反応してしまうのはよろしくない。ここで大事なのは、「この人は何を求めているのだろうか?」と考えることだ。


アドラー心理学で述べられていることだが、人の行動の「理由」を探るのはあまり賢くない。それよりも、その人の行動の「目的」を探り、対策を立てたほうがいい。


ただし、攻撃的な言葉にありがちなのだが、言葉を見ても、相手の意図がよくわかならいケースだ。相手が私の書いた文章のある部分に怒っていることはわかるのだが、なぜ、その部分がその人に「怒り」という感情をわき起こさせたのか、いまいち判別しづらいことがよくある。

 

反応する前に質問する


そういう場合の対処方法はいくつかある。そのひとつは、「相手に訊く」ということだ。もちろん訊き方に注意は必要だが、ピントがずれたまま反論したり誤ったりするのはとにかく下策なので、やめたほうがいい。


相手の「目的」がわかると、おのずとどのように対処すればいいのかがわかる(はず)。それでもなかなか気持ちの整理がつかない場合は、この言葉を思い出そう。


「愚かさで十分説明されることに悪意を見出すな」


これはロバート・J・ハンロンから有名になった言葉で、通称「ハンロンの剃刀」と呼ばれる。

※ おそらくこの言葉は「オッカムの剃刀」からきたのだろうと言われている

 

これは最近読んだ『ライフハック大全』のP215に書かれていたことで、寡聞ながら私はこの言葉自体を知らなかったので、参考になった。

 

 

不要な悪意を捏造するな


これはもちろん、SNSやネット上でのやり取り以外でも適用できる。

 

たとえば、相手からのメールの文面がそっけないだけで、人は「なにか怒らせたかな?」などと不安になるが、ほとんどの場合、別に相手に悪意はない。ただ時間がなかっただったりする。


この本自体はこちらのブログから重要なものをまとめた内容で、いくつかタメになる内容もあったので、その一部を紹介したい。


※ 本書の内容は悪くないが、「大全」とタイトルにつけているなら、やっぱり最後に索引くらいはほしいなぁ、と思った。

 


ストレスを自分で計測できるガジェット「Spire」

 

これはおもしろい。


舌で肌に触れさせておくだけで呼吸を計測し、ストレスを生じそうな緊張状態になると振動して教えてくれるそうだ。

 

 

ただし、Amazonで見る限り2万円くらいするので、ちょっとお気軽に手にできるものではない。でも、やってみたい。誰か私にプレゼントしてくれ。

 

「ディープ・ワーク」

 

マネジメントの世界ではピーターの法則という、いささか気落ちさせられる経験則が知られています。それは、能力主義の世界において人はその才能の限界まで出世するので、その限界=無能になった職階で出世が止まるというものです。結果として、あらゆる人がその人なりに無能な場所で足踏みをするとうわけです。
(中略)
ブログStudy Hacksの管理者のカル・ニューポート氏は、そうした才能の限界を超えるために自分の知的限界を試す「ディープ・ワーク」の時間を定期的に持つ必要があることを著書で説いています。


ディープ・ワークというのは、乱暴な言い方をすれば「ルーティン・ワーク」の対義語に当たる。今まで自分がやったことがない、果たして自分にできるのかよくわからない仕事のことだ。

 

起業でも投資でも、なんでもそうだが、リスクなきところにリターンはありえない。

 

「ディープ・ワーク」というのは、言ってみればハイリスク・ハイリターンな仕事である。だから、全部をディープ・ワークにするのはそれはそれで問題だが、定期的にそのようなリスクをとる仕事をやると、刺激になる。

 

「読まない」ことが読書の極意

 

読書の極意は「何を読むのかを選ぶこと」、つまりは「何を読まないのか」に対して極めて厳格であることです。この点につき、田中菊雄氏は名著『現代読書法』で1章をあて、エマーソンからカーライル、小泉八雲らを引用して解説をしています。その骨子は、

1.時間を経て、他の人の評価を経た本のみを読むこと
2.自分が読みたいと感じる本を読むこと

という、互いに互いを補完する2つの指標に集約されます。


よく言われることだが、古典はそれだけで読むに値する(可能性が高い)。そして、ベストセラーも、やっぱり読む価値がある(可能性が高い)。

 

ただし、本当に、本というのは人によって当たり外れがある。だから、この極意には、ある程度の本を読んできた……という前提が必要だ。

 

このブログの読者はある程度の本を読んできている人だと思うけど、もしもまったくジャンル外の本を読むときは、2~3冊は読んでみないと、偏った情報を鵜呑みにする可能性もある。

 

また、本の選び方についてだが、個人的には、やはり図書館とAmazonの「ほしいものリスト」を活用するのをおススメしたい。

 

図書館で本を借りて読むと、「返却期限」が設定されるのもよい。自分で購入すると結局読まないでいる「積読」状態になってしまうことが多々ある。

 

また、本屋で気になる本が見つかったら、その場でAmazonの「ほしいものリスト」に入れるのがいい。そして、しばらくしてからまたほしいものリストを見返して、それでもやっぱりほしいと思ったものだけを読むようにしよう。

 

今日の一首

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17.

千早振る 神代もきかず 龍田川

から紅に 水くくるとは

在原業平朝臣

 

現代語訳:

神代の昔にも聞いたことがないくらい神秘的ですね。

龍田川の水面に紅葉が舞いきって、水を真っ赤に絞り染めにするとは。

 

解説:

人気マンガ『ちはやふる』の主人公の名前の元ネタ。ただし、実際は「ちはやぶる」と読まれる。意味としては「凄まじい勢いで振る舞う」だが、「神」への掛詞なので訳されない。

この歌は在原業平清和天皇の后である高子に請われて、屏風に描かれた絵を見て詠んだいわゆる“びょうぶ歌”だが、じつはこのふたりは密かに恋人同士でもあったらしいので、かつてのふたりの情熱的な愛を示しているとかいないとか。

 

ちはやふる(1) (BE・LOVEコミックス)
 

 

 

後記

 

 

ほんとこれ。

私は黒白はっきりさせないと気持ち悪くなる人間なので、自分のなかでこのようにもやもやした感情があると、すごく体調が悪くなる。

 

逆に、他人の言動は「自分ではコントロールできないもの」と割り切っているので、これと比べるとあまりストレスにはならない。瞬間的にイラッとすることはあるけど。

 

で、上の場合の対処法だが、私はやっぱり、自分が「やったほうがいいかな」と思ったことは極力実行するようにしている。そうしておかないと、あとあとあまり芳しい結果にならなかったときに「あのときにやらなかったからかもしれない」と後悔することが多かったからだ。「あれをやらなきゃよかった」という後悔は、少なくとも私は思い浮かばない(いや、プライベートはたまにある……)。

 

 

今回はこんなところで。

それでは、お粗末さまでした。