本で死ぬ ver2.0

基本的には本の話。でもたまに別の話。

『楽園追放 -Expelled from Paradise-』はおっぱいとお尻アニメだった

f:id:Ada_bana:20160824133558j:plain

『楽園追放 -Expelled from Paradise-』より

おっぱいは「なくてもいいけど、ちょっとはあった方が……」な徒花です。

もくじ

 今回紹介するのはこちら。

まぁ、期待はずれな1本だった。

テーマもストーリーも平凡

あらすじ:

遠い未来、科学技術を発達させた人類はナノマシン技術の暴走で地球環境を壊滅させ、全人口の98%は肉体を捨てて宇宙空間にあるサーバー『ディーヴァ』内の電脳世界で生活するようになっていた。

だが、西暦2400年ころ、「フロンティアセッター」と名乗る存在がディーバにクラッキングを仕掛ける事件が発生。どうやら、クラッキングは地球から仕掛けられていることが判明する。保安局に勤める主人公・アンジェラは自分DNAから即席で作った「マテリアル・ボディ」をまとって地球(リアル・ワールド)に降り立ち、現地案内人のディンゴとともに、犯人の解明とその目的を探る捜査を始めるのだった。

本作のテーマは「人間とはなにか?」。ディーバで暮らしてたアンジェラは自らの肉体を持っておらず、快楽などをはじめとする体験は「すべて電脳世界内で済ませればいい」と考え、リアル・ワールドを嫌悪している。一方のディンゴは、あえて厳しい環境のリアル・ワールドに身を置き、ディーバへの勧誘も断っている。そんな2人が一緒に行動し、ある人物と出会うことで、アンジェラが変わっていくという物語だ。

だがぶっちゃけ、この手のテーマはSFの世界では手垢がつきまてくっているから目新しさはない。しかも、本作でその問いに対して斬新な解釈がされるわけでもない。価値観の違う2人がともに行動することで変わるストーリーも平凡だ。脚本がアノ虚淵玄氏だったので、「最後のほうでなにか期待を裏切る展開が待っているんじゃないか」と期待したが、それもなく、アッサリ終わってしまった。

キャラクターが媚びすぎ

主人公のアンジェラは登場した当初こそ大人の女性の姿だが、その後は16歳の女の子の格好になる。そして、あらゆるシーンで惜しげもなくおっぱいを揺らし、美尻を見せてくれるのだ。もちろんこういうカットがあるのはかまわないのだが、本作の場合、その見せ方が露骨(へたくそ)でうんざりした。

楽園追放 -Expelled from Paradise- アンジェラ・バルザック 1/7スケール ABS&PVC製 塗装済み完成品フィギュア
 

あとすごく不思議なのは、ほかの捜査官たちもなぜか全員女性だ……という点。当然ながら、みんな美人でスタイル抜群である。そして彼女たち、ちょっとしか出てこない脇役なのに声優さんが超豪華なのだ。なにしろ、林原めぐみ綾波!)高山みなみ(コナンくん!)三石琴乃ミサトさん!)などなど。もちろん、メインキャラも釘宮理恵三木眞一郎神谷浩史とかなり豪勢。しかし、おなかいっぱいだ。

そして最後に爆笑したのは、いきなり三木さんが歌い始めたときである。あんまり笑わせないでくれよ!

こんな展開だったら良かったのに

批判ばかりするのもアレなので、徒花がひそかに期待していた展開を書いておこう。盛大なネタバレなので、白字にしておく。以下はもちろん、徒花の妄想である。

フロンティアセッターは「外宇宙探索の同志を探す」ためにディーヴァにハッキングを仕掛けていたが、それは表向きの目的である。進化した人工知能・フロンティアセッターの真の目的は「人類の発展の監視と軌道修正」であり、そのために彼はディーヴァ内、およびリアル・ワールドの人々を見つめ続けていた。

やがてフロンティアセッターはアンジェラおよびディンゴとの対話をきっかけに自我をさらに一段階発展させ、アンジェラをディーバによる拘束から救ったあと、ディーバの破壊を決定する。「自らの呼びかけに応じた人数がゼロ人だったこと」「アンジェラを拘束したこと」などを要因に、ディーバおよびディーバ内で暮らす電脳パーソナリティは「人類の誤った発展」と結論付けたのだった。フロンティアセッターは強大な武力を搭載した戦艦・ジェネシスアーク号を起動させようとする。

アンジェラとディンゴは大きな衝撃を受けながらも、乱暴なフロンティアセッターのやり方に反対。アンジェラは自ら背を向けた“楽園”を崩壊から守るため、フロンティアセッターと対決することを決意する――。

3DCGの是非

本作は全編3DCGのアニメーションである。ただ、アニメが好きな人ほど「キャラクターをCGで表現すること」に抵抗感がある人が多い。本作もそうなのだが、見ているとやっぱりCGならではの“ぎこちなさ”が目に付き、それが違和感となってしまうのだ。

徒花も個人的な感覚としては、やあり3DCGで描かれたキャラクターは好きじゃない(おっぱいの揺れはすばらしいけどね)。ただ、冷静に考えて、それでも3DCGでアニメ作品を完成させようという意思は、今後のアニメの行く末を考えていく上ではきっと必要なことなのだろう。だから、「右脳的には非だけど、左脳的には是」というのが徒花のスタンスだ。

問題は、3DCGで描いたキャラクターに違和感を抱いてしまうことであり、違和感を抱かないようになればいいのである。そのための試行錯誤を行っている過渡期にあると考えれば、致し方ないとは考えられる。

おっぱいか、お尻か、それが問題だ

この問題は男性にとって非常に深遠な哲学的テーマだ。ちなみに、観客からはお尻のほうが人気があるようで、恐ろしいことに主人公・アンジェラの「等尻大マウスパッド」も発売されたらしい。もちろん、本物のお尻と同じ大きさなので、マウスパッドとして使うのは難しいが。

とにかく本作はおっぱいを強調しすぎている。世阿弥風姿花伝でもいってるのに……秘すれば花と。反省していただきたい。

風姿花伝 (岩波文庫)

風姿花伝 (岩波文庫)

 

なお、徒花はあまりロリには惹かれないので、どちらかというと序盤に出てきた大人の電脳パーソナリティのほうが好みである。こっちね。

楽園追放 mission.0 (ガガガ文庫)

楽園追放 mission.0 (ガガガ文庫)

 

おわりに

先日道を歩いていたら、前を黒人女性が歩いて、そのお尻にたまげた。お尻だけがやたらボリューミーなのだ。太ももの2倍くらいはあろうかというお尻の肉が、体のラインから横にはみ出している。日本人の女性はいくら太ってもああいう体系にはならないのではないだろうか。

世界のトップスプリンターは大体黒人だが、やはりお尻からふくらはぎの筋肉のつき方がもう構造的にアジア人とは違うんだろうなぁということを、それを見ながらボンヤリと考えた。

 

今回はこんなところで。

それでは、お粗末さまでした。