本で死ぬ ver2.0

基本的には本の話。でもたまに別の話。

そろそろ資産運用くらい始めとこうぜ~『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』~

 

東ハト 帰ってきた暴君ハバネロ 56g×12袋

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20歳後半になってから、「辛すぎるものを食べると翌日お尻が火を噴く症候群」を発祥するようになり、『暴君ハバネロ』すらビクビクしながら食べるようになった徒花です。

もくじ

今回紹介する本はこちら。

難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!

難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!

 

素人に向けて資産運用の方法を伝えるマネー本。こういう本は腐るほどあるし、前の会社で何冊か作ったことがあるが、そのなかでもかなりわかりやすい部類に入る。

興味があることをすげーわかりやすく書いてくれる

徒花は個人的に、文響社の本に好印象を持っている。同社は水野敬也が立ち上げた出版社で、設立は2010年とまだ若い会社ながら以下のようなヒット作を連発している。

人生はニャンとかなる! ―明日に幸福をまねく68の方法

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超一流の雑談力

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16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える 「賢い子」に育てる究極のコツ

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今回紹介する本書も10万部を突破している。

この会社の作る本のなにがいいのか――というと、徹底して「読者目線」に立っている点が挙げられる。もっと端的にいえば「興味があることをすげーわかりやすく書いてくれる」のだ。だから売れる。

本書はビジネス書の新たなジャンルを作った

さて本書は、マジで資産運用について素人だった作家・大橋弘祐(おおはし・こうすけ)氏が、お金のプロフェッショナルである山崎元(やまざき・はじめ)氏にいろいろ質問をして、ズブの素人でもできる超簡単な資産運用方法を紹介していきながら、著者本人も学んでいくスタイル。

これ、ここ数年ビジネス書などで流行している「マンガでわかる~~」系のものを、リアルにやってみたものをつづっている。「マンガでわかる~~」系は、物語の中で「無知な主人公がメンターと出会って成長していく架空のストーリー」が描かれている。本書はいわば「ビジネスルポ」ともいえる新ジャンルなのだ。

本書は基本的に大橋氏と山崎氏の対話で進行していく。うまいのは、ユーモアとわかりやすさが同居するバランスだ。とくに徒花が「すげえなあ」と思ったのは、何冊もの著作を書いてきた大物作家でもある山崎氏を、さながらマンガのように“キャラクター化”させている点。キャラクターになると読者に愛着を持ってもらえるし、愛着を持ったキャラクターのアドバイスはなんだか信頼できるという錯覚を抱かせやすい。

これだけは覚えておきたい資産運用のキモ

では以下、本書の中からポイントと思われる考え方を抜粋する。あくまで徒花が個人的に気になった部分なので、けっこうばっさりカットするが、気になる人は本書を読むべし。

銀行で投資信託を買うのはありえない

山「まず、ひとつ言っておくとね。お金を正しく運用したかったら、銀行には近づかないほうがいい」

山「(前略)銀行には何一つ買うべきものはないから、銀行の窓口では金融商品買ってはいけないと覚えておいたほうがいい。(後略)」

山「ちなみに言っておくと、外貨預金は絶対にやらないほうがいい。預金っていう名前がつくから、安全だと思ってはじめる人がいるんだけど、完全に銀行のカモだから」

「銀行=余っているお金を安全に預かってくれる場所」と認識したほうがいい。もちろん、利息なんてつかないから、それにも期待しない。とにかく銀行を使ってお金を増やそうと考えるのはそれがもう間違いだ。

なぜなら、銀行というのはとにかく余計な費用が多い。いろいろなところに支店を持って、多くの(安くない)人件費を出しているから、お金がかかる。同様の理由で、株式投資の始めるのに、野村證券大和証券などのリアル店舗を持った証券会社を利用するのも徒花的にはおススメできない。

とにかく、株を買うにしろ、投資信託を買うにしろ、大切なのは「手数料の安さ」だ。これはネット証券会社に勝るところがないので、おとなしくネット証券を利用したほうがいい。

投資信託はインデックスファンド一択

面倒くさいので細かい説明は省くが、投資信託は大きく「インデックスファンド」と「アクティブファンド」に分けられる。アクティブファンドのほうがリスクは大きくなるが、リターンも大きくなる可能性が高い(と思いがち)。引用しよう。

山「(前略)ちなみに、過去の実績を見るとプロが運用するアクティブファンドの平均がインデックスファンドに買ったことはほとんどない。僕はこれを『運用業界の不都合な真実(その2)』と呼んでいる」

マイホームも、がん保険も、いらない

大「じゃあ、先生。家は借りたほうがいいか、買ったほうがいいか。この永遠の議論については、どうお考えですか?」

山「君はどっち派なの?」

大「断然、購入派ですね。だって、賃貸だと毎月、家賃を捨てていくようなものじゃないですか。それだったら、自分のものになるほうがいいです」

山「一番、ダメな思考パターンだね。『自分のものになる』ということを過大評価しすぎ。君みたいなタイプは銀行の奴隷になるよ」

ローン……というと印象が和らぐが、これは「借金」である。借金ということは利息があるわけで、数十年かけて返済していくと、少なからぬ額は無意味な利息の支払いに消える。まず、そうまでして家を購入したいのかを冷静に考えなければならない。また、マイホームには意外とデメリットが多い。次は保険について。

大「でも先生、もしがんになったら、健康保険対象外の先進医療を受けたいじゃないですか。そしたら、ものすごくお金がかかると思うんですよ。しかも2人に1人はがんになるっていうじゃないですか。そう考えるとがん保険は入っといたほうがいいんじゃないですか」

山「2人に1人ががんになるからこそ、入ってはいけない」

大「は!?」

山「そもそも保険っていうのは、めったに起こらないけど、もし起きたら莫大なお金がかかるものに対して効果があるの。だから月に数千円払う自動車保険は意味がある。でも、半分の確率でがんになるんだったら、保険で対応しようとしないで、貯蓄しておけばいい。そもそも、がんだって有効な治療の大半は保健医療ですむから、高額療養費制度で一定額以上支払う必要はない」

同様に、老後の生活費を一部負担してくれる個人年金保険」などもあるが、これにお金を支払うのも愚の骨頂である。なぜなら、老後まで生きるのはまず間違いないのだから、保険にお金を払うより、自分でコツコツ貯金してそれを運用したほうがずっとお得だからだ。

NISAは絶対活用すべし

資産運用したことがない人は知らないことが多いが、株式や投資信託で得た利益にもしっかり税金がかかる。20%くらいもっていかれるので、痛手だ。そこで便利なのがNISAという制度で、年間100万円までの投資に対する利益に税金が課せられなくなる。

NISAはちょっとわかりにくいし、口座を作るのに住民票が必要など手間がかかるが、それに見合うだけの恩恵がある。

確定拠出年金はやらなきゃ損

山「(前略)これからは『年金の運用は個人で勝手にやってください』という制度が主流になりつつある」

大「それって僕が年金の運用をするってことですか」

山「そう。いままでの企業年金は、確定給付年金といって『定年退職したときに○○縁を払いますよ』って社員に約束していたのに対し、『運用は皆さんで好きにやってください。ただし運用成績によってもらえる年金の額が変わります』って制度が確定拠出年金。(後略)」

(中略)

山「(前略)さっきのNISAもそうだけど、政府は近い将来、公的年金だけでは資金が足りなくなることがわかってるから、なるべく個人にお金を運用させようとしているんだよね。おそらくこの流れは今後も強くなる。だから、もう資産運用からは逃げられないと思ったほうがいい

引用には書いていないが、じつは確定拠出年金の運用で儲かった利益はNISAと同じように課税されないため、かなりお得。しかも、NISAには期限があるが、確定拠出年金はないので、活用したほうがいい。

ちなみに、徒花は勤めている会社が確定拠出年金を活用しているのですでにやっているが(でも、ちょっと攻めすぎて損が出てる!)、会社によっては確定拠出年金を個人でやらなければならないケースもある。ただ、やっておいたほうがいい制度だ。

おわりに

徒花は2年位前から株式投資をしている。これは資産運用というほど堅実なものではなく、どちらかというと娯楽に近い。ただ、2年近くで10万円の資金が倍くらいにはなっているので、なかなかおもしろい。(ここ最近はずっと損が続いてるけど)

投資信託も、モノによっては1万円程度からできる。いきなり100万円を預けようとするとしり込みするが、まずはお小遣い程度の金額から「資産運用とはこういうものか」という感覚をつかんでおくことは、きっとマイナスにはならないはずだ。

余談だが、こうしたマネー本は一冊の内容をうのみにするのが危険であることはいうまでもない。本書でも、山崎氏のいっていることがすべて正しいとは限らないからだ。資産運用は用法・用量を守って自己責任で。

 

今回はこんなところで。

それでは、お粗末さまでした。