本で死ぬ ver2.0

基本的には本の話。でもたまに別の話。

『数学女子智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。』のレビュー

今回紹介する本はこちら。楽しくてタメになる、おススメの一冊だ。

 

数学女子 智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。

数学女子 智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。

 

 

もくじ

 

どういう人が読めばよいのか

 

「数学」とか「数字」と言う言葉が出てくると蕁麻疹が出る人がいるかもしれないが、本書ではそういうアンポンタンでもわかるように、丁寧に説明してくれる。

とくにどういう人におススメしたいかというと、以下のようなことに当てはまる人だ。

 

●アラサーあたりにいる

●上司に自分の企画がなかなか通らない

●プレゼンの資料作りとかが超絶苦手

●「説明がわかりにくい」といわれる

●いつも「なんとなく」で仕事を進めるので、失敗してもその原因が良くわからない(だから改善できない)

 

上記のポイントを見れば分かるように、本書の目的は「数学ができるようになる」ことを目的としているわけではない。

数字の力を理解することで、「説得力」「論理的思考能力」「分析力」を身につけることに力添えするための本なのだ。

 

個性豊かなキャラクター

 

小説仕立てのビジネス書というのは『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』に代表されるように、最近はすごく増えている。

また「マンガでわかる」的なものも多い。

 

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

 

 

まんがで身につくPDCA (Business ComicSeries): ―――「その他大勢」から抜け出すために

まんがで身につくPDCA (Business ComicSeries): ―――「その他大勢」から抜け出すために

 

 

それらは玉石混交だが、本書は「玉」といって差し支えないだろう。

登場人物のキャラクターがしっかり立っていて、彼らの掛け合いもおもしろい。

舞台はアパレル業界だが、著者がこの業界に詳しいのか、かなりしっかりと裏づけされた知識の下に物語が作られているように感じる。

しかも、最後にはちょろっと感動させてくるオマケつきだ。

 

登場人物は何人かいるが、ベースとなるのは以下の2人である。

柴崎智香(27歳)
本書の先生役。大学で数学を学んだ後、コンサル会社から舞台となるアパレル会社にヘッドハンティングされた。ファッションセンスは皆無で、愛想はあまりない。

木村斗真(28歳)
本書の生徒役。アパレル会社の営業部リーダー。ファッションセンスは抜群だが、基本的に感性で次の売れ筋商品を決める「ファッションバカ」。

 

30歳を超えたら、数字を使えないと苦労する

 

個人的に刺さったメッセージだが、「なるほどな」と納得できた部分。

20代のうちはまだ部下を持ったりすることが少なく、なんにもチャレンジできて、しかも責任は上司が負ってくれるので、働くのはラクだ。

しかし、30代になって次第に管理職になり、人を管理して責任を負うようになると、「とりあえずやってみる」マインドだけでは限界が来る。

 

だからこそ、データを見てキチンと読み解き、それをベースに今後、どのような戦略をとればいいのか判断する能力が求められるという。たいへんだね。

 

著者の意気込みが感じられる一冊

 

はっきりいって、上記のようなメッセージは本書のメインとなる内容ではない。だが、同時に、実は本書のキモとなる部分である。これは矛盾していない。

そもそも、単に「前年比較はこうしましょう」「見やすいグラフはこう作りましょう」と数字を使った仕事のテクニックを教えるだけでは、味も素っ気もないし、おもしろくない。

 

しかし、主人公・智香は「なぜ、数字を使うことをここまで重視するのか?」という真っ当な疑問に対して、さまざまな角度から何度も何度も説明してくれる。

そしてそれは、本書および「智香」というキャラクターを通して、本書の著者・深沢真太郎氏が読者になんとかして訴えたいアツいメッセージにほかならないのだ。

 

以前にほかのエントリーでも書いたような気がしたが、徒花は小説であれビジネス書であれ、「著者の想い」が感じられる本が好きだ*1

そして本書は、「おもしろい」「タメになる」と同時に、文章の端々から、著者の「どうしてもこれを読者に伝えたい」という気持ちがにじみ出ている。

だから、すごくいい本だと思っている。

 

おわりに

 

本書はやはり人気になったようで、じつは続編も出ている。

数学女子 智香が教える こうやって数字を使えば、仕事はもっとうまくいきます。

数学女子 智香が教える こうやって数字を使えば、仕事はもっとうまくいきます。

 

 

また、シリーズではないが、同じ著者で新書も刊行しているのだ。

 

10戦9勝の数字の使い方 (小学館新書)

10戦9勝の数字の使い方 (小学館新書)

 

 

シリーズと比べると若干難しさを感じるかもしれないが、安くて密度の濃い情報になっている。

ちょっと興味が湧いたら、ぜひ読んでみていただきたい。

 

数学女子 智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。

数学女子 智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。

 

 

今回はこんなところで。

それでは、お粗末さまでした。

*1:それが正しいか、受け入れられる内容かはさておいて