本で死ぬ ver2.0

基本的には本の話。でもたまに別の話。

『名探偵コナン 純黒の悪夢』のレビュー

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先週末、劇場版コナンを見に行った。

 もくじ


もともとそんなに期待してなかったけど、良くも悪くも期待を裏切らない出来だった。

コナンは近年、20代の女性からも支持を集めていて、とくに劇場版の作品は人気が高まっているようだ。実際、親子連れとともに「お一人様女性」や「女性グループ」のお客さんも多かったように感じられた。やはり怪盗キッドさまが人気が高いようだが、意外と黒の組織のジンとか、FBI捜査官の赤井さんあたりも人気があるらしい。

今回の映画はスパイアクションもの

さて、映画を見終えて私が一番驚いたのは「推理してないやん!」ということだった。コナンはミステリーマンガなので原作では「一日一殺」くらいのハイペースでバンバン人が殺されていき、その真相をコナンが解決するわけだが、こと今回の劇場版に関しては

人が死なない(モブはいっぱい死んでるだろうけど)
当然、トリックらしいトリックもない(人が死なないから)
犯人探しをしない黒の組織の仕業だって最初からわかってるから)
どんでん返しもない黒の組織の仕業だって最初からわかってるから)
動機の解明もない黒の組織の仕業だって最初からわかってるから)

と、ミステリー好きの私にとってはないない尽くしの連続であった。本作はスパイアクションとして出来上がっている。

だがなにより、私が「それでいいの?」と一番不満だったのが、本作のキーパーソンであるキュラソー」の種明かしがキチンとされない……ということだ。

本作では記憶を失った謎の女性「キュラソー」を軸に物語が展開していく。そして彼女、じつはある特殊能力を持っていて、それを解明するためにコナン君や警視庁の公安部が動き回るわけだが、結局、その能力のメカニズムについて、ちゃんと説明されないまま映画が終わってしまったのだ。これ、絶対子どもは訳わからんだろ……。

あと、徒花はもう最近は原作マンガも読んでいないし、アニメも見ていないので、警視庁公安部の安室さんという主要キャラクターを知らなかった。もちろん、劇場版のお約束として最初に説明してくれるので、とくに物語を理解する上で支障はなかったけど。

映画のよかったところ

あまりイチャモンばかりつけてもしょうがないので、今回の映画のよかった点を以下、列挙して説明していこう。

●アクションシーンがかっこいい

今回はミステリーなしのスパイアクション映画だったので、アクションシーンが多かった。とくに、冒頭の首都高カーチェイスは力が入っていた。お台場のレインボーブリッジから芝浦ふ頭のあの大きく円を描いている部分をモデルにした場所で行われたものだろうが、あそこらへんでキュラソー、警視庁公安部の安室さん、FBIの赤井さんが爆走するのだ。

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アムロ・レイシャア・アズナブルのタッグがアツい

TVアニメファンにとっては周知のことなのかもしれないが、警視庁公安部の安室さんの声優は古谷徹さんで、FBIの赤井さんの声優は池田秀一さんである。古谷さんは『起動戦士ガンダム』のアムロ・レイ役、池田さんは同じくシャア・アズナブル役を務めていた人なので、この2人はまんまアムロ&シャアなのだ。これは、原作者の青山剛昌さんが原作コミックに安室零というキャラクターを登場させたときから期待していたことらしい。(おそらく、赤井さんがコナン君のことを「坊や」と呼ぶのも、これを意識している)

そして、今回の映画では、最初は反目しあっていたこの2人が、最終的にはコナン君の仲立ちを受けて協力し、黒の組織の計画を打ち破るというアツい展開になっている。このことを知っていると、ニヤニヤしながら映画を見れる。(なお、2人とも特徴のある声なので、徒花は見ている途中から気づいた)

●鈴木財閥すげえ!

これは今回の映画に限った話ではないが、劇場版になると活躍する機会が多いのが蘭の友達、鈴木園子である。彼女はスーパー金持ち・鈴木財閥のご令嬢なので、金とコネに物をいわせてそれはもう、いろいろなことができちゃうのである。今回は、オープンしたばかりのテーマパークの目玉である観覧車をちょちょいのちょいと貸切にしてみせたりした。金の力はまこと偉大である。

あと余談だが、阿笠博士が出題するクイズはけっこう好き。

キュラソー役の天海祐希さんががんばってた

ドラえもんしかり、クレヨンしんちゃんしかり、コナンしかり、人気アニメ映画ではゲスト声優として芸能人を使うことが慣例になっていて、それがコアなファンのバッシング対象となっていたりするわけだが、今作では物語の鍵を握るキュラソーの声は元宝塚の天海祐希さんが演じている。最初に聞いたときから「これ、声優じゃねえな」とは気づいたが、そんなに悪くはなかった。

キュラソー自体、クールでかっこいい系のお姉さんキャラだったので、あまり演技力を必要とするせりふがなかったのかもしれない。素晴らしいと絶賛できるほどではなかったが、少なくともストーリーに没頭するのを妨げるほど違和感は感じなかったので、天海さんはがんばったんだなぁと感じた。

あと、キュラソーの回想シーンがエロかった。( ゚∀゚)o彡゜谷間!谷間!

おわりに

そういえば、スクウェアが1994年に発売したスーファミ用ソフトの名作ライブ・ア・ライブの実況プレイ動画を最近見ていて、「幕末編」のキャラクターデザインをコナンの著者・青山剛昌さんがやっているのを初めて知った(パッケージだと右端)。ほかのパートのキャラデザをしているのも軒並み有名なマンガ家さんたちだった。

ライブ ア ライブ

ライブ ア ライブ

 

あ、来年のコナン映画は服部平次くんがメインキャラとして活躍するようです。

<せやかて工藤!

 

それでは、お粗末さまでした。

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