『スターウォーズ エピソードⅦ フォースの覚醒』のレビュー(ネタバレなし)~主人公はレイやない、レンや!~
『スターウォーズ エピソードⅦ フォースの覚醒』を見てきた。
もくじ
安心してください。ネタバレはありませんよ!
どこかのニュースでやってたので初めて知ったのだが、昨今は「フォース・ブロック」というものがあるらしい。
Google Chromeの拡張機能のひとつなのだが、どういうものかというと、SWの情報をネットで集めているとき、誤って新作映画のネタバレを見てしまわないよう、関連する用語が一定数以上入っていると、警告メッセージが表示されて画面を見えなくしてくれるのだ。具体的にどういうワードがいくつくらい入っているとブロックの対象になるのかわからないが、本エントリーもブロックされるかもしれない。帝国の検閲に規制されると考えると胸が熱くなるな……。
もちろん、私はネタバレをするような人間のクズではないので、本エントリーを読む人は安心してほしい。
エピソードⅣは見たほうがいいかもね
先週の金曜日、日テレの金曜ロードショーで『エピソードⅣ 新たなる希望』を放映し、徒花もそれを見たので記憶が新しかったのだが、エピソードⅦはかなりⅣをセルフオマージュした作品だった。
ストーリーの展開やちょっとした台詞回しなど、エピソードⅣを見ていればクスリと笑える仕掛けがいたるところにほどこしてあるので、暇があるなら、エピソードⅣだけ見てから鑑賞しに行くのがおススメだ。無論、エピソードⅤとⅥも見るのが一番望ましいのだろうが、それはけっこうダルい。
では、簡単にあらすじをご紹介しよう。
銀河帝国が崩壊してから数十年後、旧帝国軍の残党たちは「ファースト・オーダー」という軍事組織を結成し、旧反乱同盟軍によって構成された組織「レジスタンス」と争っていた。そんななか、(おそらく)レジスタンスに所属していた最後のジェダイ騎士、ルーク・スカイウォーカーが失踪する。両組織はなんとかルークの身柄を確保すべく、彼の居場所を示す地図を奪い合っていた。
レジスタンスは地図のデータをファースト・オーダーから奪うことに成功したが、追っ手に迫られ、BB-8というロボットにデータを託して逃がさせる。やがて、BB-8は逃げた先で、ひとり廃品回収業をしていた少女・レイと出会い、彼女に助けを求めるのだった。かくしてレイは、BB-8をレジスタンスの元に届けるべく、元ストームトルーパーながらファースト・オーダーを脱走してきた男・フィンと協力して旅立つ。
いろいろ端折っているが、まぁ大筋はこんな感じ。読んでもらえればわかるように、BB-8はR2-D2だし、レイはかつてのルーク・スカイウォーカーの役割である。また、敵役として登場するマスクをつけたフォースの使い手、カイロ・レンは、自らダース・ベイダーを信奉し、彼のようになることを望んでいることを語っている。ここらへんのキャラクターの立ち居地も、エピソードⅣを見ればスムーズにわかるだろう。
映画の感想
今回から新3部作として、監督がジョージ・ルーカスからJ・J・エイブラムスにバトンタッチした。J・J・エイブラムスといえば、個人的には『クローバー・フィールド HAKAISHA』の人、という印象だ。
これは怪獣映画であるが、J・J・エイブラムスは『アルマゲドン』の脚本を書いてるし、『ミッション・インポッシブル』シリーズも手がけてるし、2000年以降の映画版『スター・トレック』シリーズもやっているから、SWのようなSFはお手の物なのだ。もちろん、経験豊富なので、「どうすれば観客はおもしろがるか」ということをよく心得ている。
というわけで、エンターテイメント映画としては文句のない出来栄えだった。ストーリーはテンポよく進むし、ちょっとダレそうになるとすぐに戦闘や爆発が起きるので、目を離す暇がない。
終わらせ方も良かった。三部作なので当然、「次回へ続く」という感じのエンディングなのだが、ひとつの作品としてしっかり区切りをつけているから、視聴五は気持ちがいい。さらに、初めてSWを見る人のためにフォースやジェダイなど、専門的な用語の説明もさらりと絡める辺りはスマートだ。ただし、コアなSWファンがどれくらい満足する出来だったかは定かではない。
新三部作の主人公はカイロ・レンでしょう
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ただ、ひとつ文句の付け所があったとすれば、やはりカイロ・レンの未熟さがかなり目に付いたところだ。部下の失態を聞いて怒りをあらわにし、ライトセーバーを振り回しながらコックピットを破壊するシーンなどがあるのだが、本人がダース・ベイダーを意識しているからこそ、「ダース・ベイダーだったらこんなに取り乱さないだろうなぁ」と比較してしまうのである。個人的な考えだが、悪役というものには主人公以上に「カッコよさ」が強く求められる。そういった、「悪のカリスマの不在」はちょっと残念だった。
ただし、これはおそらく制作側が意図したことだろう。あえてカイロ・レンのカッコ悪いところを強く観客に印象付け、彼の未熟さをアピールしているのだ。そしておそらく、この1作目でついたカッコ悪いイメージは次作、そして第三作目で見事に払拭されるに違いない。そう、今回から始まった新三部作の主人公はレイでもフィンでもなく、間違いなくこのカイロ・レンにほかならない……と思う。
そもそも、旧3部作の主役はいずれもダース・ベイダーである。エピソードⅠの少年時代に始まり、エピソードⅥでの彼の死によって物語は完結する。旧作はすべて、悪役であるダース・ベイダーがメインテーマだったのだ。とすれば、監督を変えて仕切りなおした新三部作が、新たな敵役であるカイロ・レンを主軸に置くことはなんら違和感がない。
続編公開予定は2017年
まだエピソードⅦが公開したばっかりだが、見終わったら気になるのが続編のことだ。次回のエピソードⅧの日本公開は2017年の7月1日とのこと。次はJ・J・エイブラムスは製作総指揮というよくわからない肩書きになり、監督を務めるのはライアン・ジョンソンである。
あと、個人的に楽しみなのは、東京ディズニーランドのアトラクション「スター・ツアーズ」にエピソードⅦを反映した新エピソードが追加されるのがいつか、ということである。私はこのアトラクションに散々乗り、これまで数回、反乱同盟軍のスパイということにされている。ルーカスフィルムはいまやディズニーに買収されてしまったからね。
終わりに
そうそう、あと映画で個人的に残念だったのは、個人的に好きなルックスのキャプテン・ファズマが思った以上に活躍しなかった点だ。次回作にも出演するのか、ちょっとよくわからない。
また、AT-STのような、新型の陸上マシンが登場してほしかった。まぁ、旧作でもAT-ATとかが登場するのは続編からなので、そこらへんも次回作に期待だ。
それでは、お粗末さまでした。