なぜディズニーリゾートに喫煙所があるのか~どれだけ不満を許容できるか~
行ってきましたクリスマスディズニー。
もくじ
しかし天候は雨。お目当てだったランドのクリスマスパレードは午後になって中止になり、来年でのリベンジを誓ったのだった。
ちなみに、ディズニーリゾートはクリスマス時期、特に混雑する。今回、ディズニーストアでパスを購入したのは1週間前だが、すでにその時点でシーの入場券はすべて売り切れ、ランドしか買えなかった。
当日は入場制限がかかるため、当日券での入場は不可。というわけで、クリスマスシーズンはとにかく早めにパスを買っておいたほうがよい。
ディズニーは案外喫煙者に優しい
今回気になったのはディズニーリゾート内の喫煙所事情。世の中で喫煙者は「ヤニ喰い人(ヤニイーター)」として秘密裏に活動しているが、浦安にある夢の国はこうしたヤニイーターにも心優しい。
そういえば、映画『ウォルト・ディズニーの約束』を観ていたとき、ウォルトさんがタバコをすぱすぱ吸っていたのが印象的だった。
東京ディズニーランドの喫煙所マップ
非喫煙者にとってはまったく意味のない情報だが、ディズニー両パークの喫煙所マップを掲載しておこう。(2016年8月、情報確認済み)
【公式】灰皿設置場所 | 東京ディズニーランド | 東京ディズニーリゾートより
まずこちらがランドの喫煙場所。5箇所の★マークがあるが、下の2つはパーク外なので、ランド内の喫煙所は3箇所だ。
完全に主観的な意見だが、おそらくもっともポピュラーな喫煙所と思われるのがマップ右側。スペースマウンテンの下。というか、私はほとんどの場合、ここに行く。
なぜなら、タバコを吸いに行くタイミングはショーやパレードの場所取り時間であり、必然的に中央のイベントスペースから一番近い場所になりがちだからだ(先日はこちらの喫煙所には行列!ができていた)。
また、左上のクリッターカントリーにも喫煙所はあるが、昨年、ちょこっと行ったっきりなのでよく覚えていない。たしかこちらは屋外だった気がする(徒花はスプラッシュマウンテンに乗りたくないので、このエリアにはあまり近づかない)。左下はジャングルクルーズ乗り場付近の奥まった場所にあるが、こちらは行ったことがないのでよくわからない。
ランド、シーともにいえることだが、とかく喫煙所は細っこくて奥まった道の先にあるため、知らない人がフラフラと喫煙所を求めてさまよっても見つけられる可能性は低い。
東京ディズニーシーの喫煙所マップ
さて、次はシーの喫煙所をば紹介しよう。
【公式】灰皿設置場所 | 東京ディズニーシー | 東京ディズニーリゾートより
こちらも下3つの★はパーク外なので、パーク内の喫煙所は4箇所。
徒花がよく行くのは左下。ブロードウェイ・ミュージック・シアターの脇にある薄暗い小道の先を進んでいくと同志たちがいる。理由はランドと同様、ショーを見るための中央部分から一番近いためだ。
次に行くのが中央部分、ミステリアスアイランドの古城にある喫煙所。城の内部は入り組んでいて迷いやすいが、その一角にひっそりと喫煙所がある。
行ったことがないのが上2つ。アラビアンコースト内の喫煙所は、噂によればシーの中でもっとも見つけるのが難しいとされる。あそこも細い路地が入り組んでいる上、とにかく目立たない場所にあるから素通りしてしまう人が多いようだ。また、インディ・ジョーンズエリアの端っこにある喫煙所は、シーで唯一、屋外にある喫煙所らしい。
パークではひそかにタバコも取引されている
ディズニーリゾートではタバコも販売している。私は購入したことがないのであまり真偽を断定できないが、調べてみると、どうやら事実っぽい。公式サイトではタバコ取扱店の一覧がないため、ここでは紹介を控えるが、けっこう売っている場所は多そうだ。
ただし、ほかの商品のように普通に店頭には並んではいない(らしい)。キャストの人に「タバコありますか?」とこっそり耳打ちすると、タバコのサンプルを出して購入できる裏メニュー的な扱いなのだ。アングラな感じがしておもしろい。
また、先日はシーに隣接するホテル・ミラコスタにも初めて足を踏み入れたのだが、そこの喫煙所がまたすばらしかった。
ホテルミラコスタの喫煙所がヤバい。何がヤバいって、まず名前がヤバい。喫煙所とかじゃなくて、「スモーキングラウンジ」というシャレオツな名前がついてる。内装もアンティークでシャレオツ。オレンジのラ照明で壁のヤニ汚れが目につかない配慮も素敵。そしてソファがヤバい。フカフカすぎて寝れる。
— 徒花 (@Ada_bana) December 13, 2015
パークに喫煙所がなくてもいい理由2つ
以下は余談になるので、読む必要はない。
徒花はディズニーの優しさに助けられているが、客観的に考えると、ランドやシーに喫煙所がある必要性はない。まずは、喫煙所がなくてもいい理由を挙げていこう。
①喫煙所をなくしても、たぶん売上には影響しない
喫茶店やファストフード店、コンビニなどが喫煙席をなくせないのは、ヤニイーターたちが一定の売上を担っているからだ。だから灰皿を置くのも理解できる。
しかし、ディズニーのメインターゲットはファミリーやカップル、ティーンエイジャーであり、タバコニーズは低い。園内完全禁煙を実施しても、入場者数や売上にはほとんど影響を及ぼさないのではないだろうか。また、「タバコが吸えないから行かない」という人も、まあまずいないだろう。
②1日くらいだったら我慢できるだろ
喫茶店やコンビニなどは日常的に行く場所なので、灰皿がないとヤニイーターたちは困る。しかし、ディズニーリゾートはよく行く人でも年に数回だろう。そんくらい我慢しいや。
あと、これは一喫煙者としての徒花の見解だが、ヤニイーターの習性のひとつとして「灰皿があるから吸いたくなる」というものがあると思う。いっそのこと完全禁煙を実施すれば、逆に我慢できるのではなかろうか……などと。
喫煙所があることのデメリット2つ
では次に、喫煙所があることによるデメリットを挙げよう。
①臭い
これは単にディズニー云々というよりも、タバコが忌避される最大の要因である。健康が云々というのは付帯的な要素で、単純に「臭い」のだ。
パーク内にはいろいろな臭いがあふれているのでタバコ臭さなんてまぎれると思うかもしれないが、問題は行列などだ。行列では知らない人とかなり長い時間、近くにいなければならないため、すぐ前に並んでいる人からタバコの臭いがすると、後ろの非喫煙者にとっては相当の精神的苦痛になる。また、喫煙者は喫煙後、数十分は吐息から一酸化炭素を始めとする有毒ガスを吐き出し続けるともされているため、赤ちゃんなどへの影響も心配だ。
②汚い
広さに比べて少ないとはいえ、とかく喫煙所というのはすぐ汚くなる。さすがに喫煙所で吸殻をポイ捨てする人はあまりいないだろうが、吸っている途中の灰をけっこう床にポンポン落とす人がいるのだ。
灰皿は適度に交換しないとすぐ満杯になるから、そのためにキャストさんの労力を割かねばならない。しかも、もしそのキャストさんが非喫煙者だった場合、仕事で副流煙を吸い込むリスクがあるわけだ。これはやはりよろしくない。
喫煙所を設置する意図は「安全の追及」にあった?
私としては「喫煙所が必要な理由」を一生懸命考えてみたのだが、これがサッパリ見つからない。ただ、なるほどと思ったのはヤフー知恵袋の解答にあったこの意見だった。ちょっと引用させていただこう。
では、喫煙スペースがあるとなぜ「安全」なのでしょうか?それを考える時に重要なのは『隠れ喫煙』というキーワードです。
例えば、デパートや屋内ショッピングモールは隠れ喫煙の場所=トイレと99.9%言えます。トイレにいくと「禁煙」「警報機が作動します」などといった記載がされていると思います。それだけ隠れ喫煙の場所としてトイレが選ばれています。なぜトイレなのか?というと、屋内で、かつ店舗の影で堂々と吸う人は居ないですよね。マネキンの影に隠れて喫煙などといった事は考えられませんね。ところがディズニーランドの場合はどうでしょうか?
アトラクション等の施設を除く、ほぼ全てが屋外です。人目につきにくい場所が多数あります。燃えやすい木々もあります。全面禁煙にしたことで、園外まで出るのが面倒で人目の付かない【屋外で隠れ喫煙する人が必ず出てきます】。そういうモラルのない人は携帯用灰皿を持ってる確率が低いです。つまり、ポイ捨てするのです。そうなると、いたるところで火災の危機が高まります。また、喫煙所を設ければそこに子供を近づかせなければ目にタバコの火が入ることはありませんが、隠れ喫煙で至るところで吸われると子供にとっても危険です。もちろん、禁止されている喫煙をしてる人がいたら、目撃した人は気分よくありませんよね。それなら、喫煙所を設けたほうが「子供にとっても安全、火災予防にとっても安全、イメージ的にも良い」とプラス効果ばかりです。
なるほどである。
最後の「イメージ的にも良い」というのはちょっと首肯しかねるが、概ね主張は理解できる。パークとしては「下手に隠れてタバコを吸われて火災や事故を起こされるよりも、喫煙所を設置したほうが安全」と考えている(のかもしれない)。ちょっとした抜け道を用意しておけば、ルール違反をする人間は減るということである。
極論を持ち出すリスク
私は最近、しみじみ感じることがある。
極論を持ち出して主張すると必ず強固な反対意見が噴出し、円満な解決にたどりつかない。むしろ、立場の違う双方が妥協点を見出し、お互いがちょっとずつ文句をいいながらも、なんだかんだで共生できている環境が理想的なのではないだろうか。
「タバコを自由に吸わせろ!」というのも極論だし、「タバコは一切吸うな!」というのも極論だ。どこかしらに妥協点を見出していくことが、少なくとも解決に導く方法に違いない。ポイントは「お互いがちょっとずつ文句をいいながらも」という点だろう。
大切なのは、調停者(この場合はオリエンタルランド)が声を聴き、誰がどの程度の不満までを許容できるかを測りながら、ちょうどいいところに落ち着かせることなのだろう。個人のレベルに話を持っていくと、個々人が「本当は嫌なこと」に対して、どのくらいまでだったら許容できるかということを考えたほうがいい。もちろん、それを熟考したうえで「絶対に許容できない」という立場まで否定するわけではないが。
おわりに
ホテルミラコスタにあるレストラン・オチェーアノ (OCEANO)で食事をすると、ちょうどショーが始まる時間に店員さんがバルコニーに案内してくれる。ここからなら、特等席でショーが楽しめちゃうのだ。ただし、こちらも予約はすぐに埋まるので要注意。
しかも、食事の料金はかかるが、ここならシーのパスがなくてもショーだけ楽しめてしまう。おかげで、先日はランドのパスしか持っていなかったが、シーのファンタズミック!を見ることができた。
料理もまあまあおいしいし、コースではなくビュッフェのほうを予約すれば若干安く済む。カレーがおいしかった! おススメ。
今回はこんなところで。
というわけで、お粗末さまでした。