先日、初めて「読書会」というやつに参加してみた。これは本好きの人々が集まり、おすすめの本を紹介したり、人脈を広げたりする集いである。
たまたま私が参加した読書会がそうだっただけかもしれないし、たまたま私が参加した会がそうだっただけかもしれないが、みんな小説ではなくビジネス書を紹介し、今後のキャリア形成に役立つような人脈を求めて集まっている人が多かった。
そして、私はそこで「イシキタカイ系」の人に出会ったのである! そういう人がいるということはネット上の知識としては知っていたし、どういう人であるのかもわかったつもりではいたが、実際に会うと「たぶんこれがイシキタカイ系なんだろうなぁ」というのを感じた。
ちなみに「意識高い系」というのは新しい言葉なので厳密な定義はないが、weblio辞書によれば以下のように説明されている。
「自分は世間から一目置かれている」とか「さらなる自分磨きに余念がない」といった雰囲気(意識の高さ)を言動の端々に匂わせているが、実際には大した実績や人脈があるわけではなく(全力で実現に取り組んでいるわけでもなく)、単に「周りからデキる奴と見られたい」ための自己アピールに過ぎない、といった傾向が顕著な者を揶揄した言い方。
個人的にポイントだなと思ったのは、「実際には大した実績や人脈があるわけではなく(全力で現実に取り組んでいるわけでもなく)」という部分。つまり、実際に努力したりしている人は「意識高い系」には含まれず、いわゆる「口だけヤロー」を指すようだ。これは知らなかった。
というわけで、私が実際に出会った人は口先だけではなく実際に一生懸命努力している可能性もあるわけで、そういう人を私の第一印象だけで「意識高い系だ!」と断じるのは早計である可能性もある。とはいえ、私がその人物を揶揄する表現を用いたいのは確かなところで、その人を表現するのに一番近い言葉は「意識高い系」だろうと思ったので、ここでは「意識高い系の人くさい」という意味合いで「イシキタカイ系」という表現にしておこうと思う。
まぁとりあえず、その人のことは置いておいて、読書会というのがどんな感じだったのかをまずは紹介しておこう。
読書会ってこんなの
私が参加したのは週末に開催されているもので、カフェに集まった。参加者は4名で、全員男(やれやれ)。年齢はきちんと確認したわけではないが、話してみたところ、全員20代後半~30代前半といったところ。主催者の人に聞いてみたところ、男女比は(普段は)半々くらいで、5~6人で行うことが多いという。
参加費は読書会によってまちまちだが、だいたいマックス1000円くらいと考えておけばいい。ただし、コーヒー代は別途自分持ちなので要注意だ。
かかる時間は参加人数にもよるだろうが、私の参加した会では2時間ほど。読書の感想以外にも初対面の人相手にいろいろと雑談するので、意外とあっという間に時間が経過した。基本的にみんな本を読むのが好きな人なので、やたらテンションが高い人はいなかったが、会話するとけっこう話が弾む。ちなみに、私を含めて主催者以外の3人は初参加者だったので、参加のハードルは低いと思う。参加も毎回参加する必要があるわけではなく、参加したい場合のみ、その都度、主催者の人に申し出るシステムだ。
業種はみんなバラバラ。そういう意味では、普通に生活していたら絶対に出会わないような人とは話ができて、なかなかおもしろかった。しかし肝心の紹介された本に限っては、徒花としてはあまり面白みがなかった。割と有名な本だったり、すでに世間から十分に評価されているようなものばかりだったので、そこはちょっと肩透かしを食らった気分だ。
本の内容紹介も、これはもちろん慣れていないので仕方がないとは思うのだが、その本の魅力を十分に伝えられているとは言い難い。聞いていても「読んでみたい!」と思うような一冊は特になかった。
これが「イシキタカイ系」だ!!
しかし、私がちょっと辟易としたのは、この読書会を主催している男性(たぶん20代後半くらい)がおそらく世にいう「イシキタカイ系」だったことだ。どういうことかというと
・PCは当然MacBook Air
・パワポでしっかりプレゼン
・自分の仕事観、キャリア展望、処世術などについて語る語る
・人脈の豊かさを主張する
・私服でもシャツ&ジャケットというオフィスカジュアルスタイル(徒花はパーカーにジーンズ)
・海外に行くことの良さを主張
とくに「人脈アピール」がうざい。なんかすごい人と知り合いらしく、その人がセミナーとかをやるというのでやたらと誘われたが、適当にお茶を濁した。あと「これからはこういう人材が求められる云々」「これからはこういうニーズが生まれてくると思う云々」「読書会は最近注目されていて今後は云々」というのが多かった。
まぁ、自分でなにも考えずに仕事の愚痴を吐き、日々をただ消化しているような人よりは自分の考えを持っている分だけまだマシだろうとは思うが、やはり鼻につく。その人の話を聞きながら、私はぼんやりと「これがイシキタカイ系ってやつかー」と思っていた。もっと文学寄りの読書会だったこういう人はいないかもしれないので、今度はそういうやつに参加してみようかと思っている。
おわりに
というわけで、もし読書会に興味があるのであれば「その読書会の目的」を調べておいたほうがいいかもしれない。過去に参加者がどんな本を紹介しているのかなどを見れば、だいたい「どんな色か」というのはわかるだろう。あと、読書会によっては恋人探しを目的としたものは始めからお断りし、連絡先の交換などを禁止しているところもあるのでご注意いただきたい。あと、私がちょっと調べてみた限りでは、文学好きの人の読書会は非常に数が少ない。
ちなみに、今回のエントリーのタイトルは『ほぉ…、ここが ちきゅうの ほいくえんか』にインスパイアされたものであることを添えておく。おもしろいよ(適当)。
というわけで、お粗末さまでした。