本で死ぬ ver2.0

基本的には本の話。でもたまに別の話。

『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』(山下泰平・著)のレビュー

最近はブログから書籍化するケースが増えてきましたね。 ブログの記事が元になった書籍をまたブログで紹介するというのは、ちょっと変な感じがします。 だったら元ブログを紹介したほうが話が早いんじゃないかな、とか。 今回紹介する本も、元はと言えばバズ…

『PIXAR 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話』(ローレンス・レビー著)のレビュー

ピクサーはいまではディズニーが買収しています。 しかし、もとはといえば、いまでは伝説的経営者として歴史上の人物になってしまったスティーブ・ジョブズが買収して名付け、独立させた会社であるということを知らない人が意外といるみたいです。 当時のジ…

『サブスクリプションで売上の壁を超える方法』(西井敏恭・著)のレビュー

みなさんは本を選ぶときに、どんなところで選ぶでしょうか。 タイトルとか装丁、内容(小説だったらあらすじ)、あるいは著者名あたりを見る人が多いと思います。 まあ購入をちらっと考えたら、その段階になってから値段もチェックしますよね。 編集者が書店…

『ヒトの目、驚異の進化』(マーク・チャンギージー)のレビュー

・人間の目は他者の感情を見抜く ・人間の目は透視をする ・人間の目は未来を予見する ・人間の目は死者の意思を読み取る こんなふうなことが主張された本があったら、まあトンデモ科学本かちょっとうさんくさいスピリチュアル系の本ではないかと勘ぐってし…

『折りたたみ北京』(ケン・リュウ編)のレビュー

SFというのはその性質上、著者が作品を書いた当時の社会を反映させたものになると思うわけです。 筒井康隆御大の古い短編小説などを読むと、当時の日本社会のことがなんとなく想像できますね。 くたばれPTA (新潮文庫) 作者:筒井 康隆 発売日: 2015/12/22…

『シン・ニホン』(安宅和人・著)のレビュー

昨今のビジネス実用書は二極化が進んできています。 めちゃくちゃ簡単な本と、めちゃくちゃ難しい本です。 簡単な本はとにかく図版やイラストを使い、改行をたくさんして余白を多くし、大きな見出しなどをたくさん挟んで、いわゆる「文字文字しさ」を軽減さ…

『絵を見る技術』(秋田麻早子・著)のレビュー

私は毎年、その年に読んだ本の中からとくに良かったものを10冊選んで紹介し、さらにその10冊のなかから「ベスト・オブ・ベスト」を1冊選んでいます。 しかし、2020年版の「ベスト・オブ・ベスト」は、もうこの1冊で決まってしまったかもしれません。 そのく…

『科学する麻雀』(とつげき東北・著)のレビュー

私が麻雀にハマっていたのは大学生の時だったのですが、あまり(というかまったく)強くありませんでしたので、まあ友人たちからすればカモだったと思います。 最近は本物の雀卓を囲んで麻雀をやる機会はすっかりなくなったのですが、麻雀そのものは好きなの…

『壱人両名~江戸日本の知られざる二重身分』(尾脇秀和・著)のレビュー

ONE PIECEがいま「ワノ国編」をやってますね。 ONE PIECE 95 (ジャンプコミックス) 作者:尾田 栄一郎 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2019/12/28 メディア: コミック 最近はジャンプの立ち読みもしなくなったのですっかり話についていけなくなりましたが、…

『獏鸚』(海野十三・著/日下三蔵・編)のレビュー

いまでは「推理小説」というジャンル名のほうが人口に膾炙しているけれど、昔だと「探偵小説」と呼ばれていたこともあります。 じゃあこの2つの違いは何かというと、あんまり明確な区別はないようですね。 ただ調べてみると、坂口安吾のエッセー「探偵小説…

年末年始はコレを読んどけアワード2019 ~小説・人文・ビジネス実用~

今年は仕事が忙しくてかなり本を読む量が減ってしまいました。 いや、言い訳をすると、本は読んでいるのです。 ただ、仕事の資料として読まなければならない本が多く、著者がかなり偏っているので、そういう場合はレビューを書いたりブログ記事にしたりしな…

『おとしどころの見つけ方』のレビュー

「交渉」というと普段の生活であまり耳馴染みがないというか、ビジネスシーンだけを連想する言葉だと思います。 ただ、じつは 「あらゆるコミュニケーションは交渉である」 というのは、一理あるのです。 そもそも「交渉」とは「話し合いによって何かを決め…

『屍人荘の殺人』のレビュー

NETABARE。 小説のレビューを書くときに最難関となるのがこれですね。 ビジネス書とか実用書の場合はあまり気にしなくてもいいのですが、小説の場合、とくにそれがミステリーだった場合、ネタバレは一気にタブーな行為になってしまうわけで、そこが文芸作品…

『読みたいことを、書けばいい。』のレビュー

みなさまお久しぶりでございます。 前回のエントリーの投稿が9月28日なので、かれこれ1カ月以上、このブログを更新しなかったことになりますね。 せっかくなので一ヶ月間更新しなかったことでブログにリニューアル感を出そうと、タイトルをちょこっと変えて…

あらゆる「百合」を詰め込んだSF短編集 ~『アステリズムに花束を』のレビュー

「百合」というのは女性同士で恋愛感情を持っているような関係性を表現するスラングだ。

西洋哲学者たちが目指すところ ~『齋藤孝のざっくり!西洋哲学』のレビュー

ちゃんと数えていないからなんとも言えないけど、少なくとも存命の大学教授で一番本を刊行している人が齋藤孝センセではないだろうか。

ビジョン思考は一般人にはレベルが高すぎる ~『直感と論理をつなぐ思考法』をすごく簡単にまとめてみる

ビジネス書の場合、本の企画を会社に通すとき、重視されるものの1つはデータだ。

ホラー映画の中に迷い込んだら秒ですべきこと ~『ホラー映画で殺されない方法』のレビュー

セス・グレアム=スミスはいま、ホラーエンタメ業界の中で間違いなく、もっともホットな人物だろう。

体は意識を支配するか ~『のうだま』のレビュー

やる気がつねにあふれている人はいない。(いたらこのエントリーは読まなくてOK)

ほのぼのしない「おとぎ話ミステリ」 ~『むかしむかしあるところに、死体がありました。』のレビュー

おとぎ話を題材にしたミステリーそのものは、そんなに珍しくはない。

儲けるってなんだろう ~『しょぼい起業で生きていく』のレビュー

いわゆる「年功序列」とか「終身雇用」というものがとっくに崩壊している日本社会で、おそらく多くの人がこれからどうやって働くべきかということはぼんやり考えているだろう今日このごろ。

正しいは正しくない ~『すべては好き嫌いから始まる』のレビュー

私自身が割とそうなのでちょっと反省するべきところだなあと思うのだが、「正しいor正しくない」で物事を判断したりするのは、あまり良くないような気がする。

じゃあ、お前がやれば? ~『場を支配する「悪の論理」技法』のレビュー

私は人と議論しない人間なのだけど、もちろん、ネットやSNSなどを周遊していて、思わず胸クソが悪くなるような意見を目にすることもある。

作者を信用してはいけない ~『叙述トリック短編集』のレビュー

ミステリーの読み方は人によってそれぞれだと思う。

諦めるのは努力するより難しい ~『人生を半分あきらめて生きる』のレビュー

ここのところあまり仕事でうまくいかずに元気が出なかったのだけど、この本を読んだらちょっと心境が変化してきたので、改めて紹介したい。

精製されたものは基本的に危ない、かもね ~『「お菓子中毒」から抜け出す方法』のレビュー

糖質制限はすっかり世の中に定着した感がある。

翻訳家だって間違えるんです ~『翻訳地獄へようこそ』のレビュー

翻訳本をよく読むんだけど、やっぱり読んでいると日本語として違和感を抱くことも少なくないし、そういう人はほかにもいると思う。

緊張感がふわっと消えるレジェンド・ブレスの極意 ~『40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方』のレビュー

人間の肉体的なピークは25歳くらいだといわれている。(諸説あるっぽいが)

人を疑うのはコストがかかる ~『実験思考』のレビュー

社長の発言でなにかと話題になった幻冬舎だが、もちろん、いい本だってたくさん出ている。

アホとついつい戦ってしまう人たち ~『頭にきてもアホとは戦うな!』のレビュー

「アホ」とか「バカ」は、あまりお上品ではないけれど、コトバとして強い力を持っているのは間違いない。