本で死ぬ ver2.0

基本的には本の話。でもたまに別の話。

最近の売れ筋マンガまとめました

社会人になってからめっきりマンガを読む気が減ってしまいまして、最近はもっぱらLINEマンガで無料掲載しているものばかり読んでいる私です。

 

とはいえ、出版業界全体で見ると、やっぱり売上ランキング上位を占めるのは8割くらいはマンガで、マンガというコンテンツの強みをまざまざと見せつけられます。

出版業界に身を置くものとして、いくらマンガをつくっているわけではないとはいえ、最近の売れているマンガをまったく把握していないのはよくないのではないか。

Amazonや取次のランキングは定期的にチェックしているとはいえ、条件反射的にマンガなどを除外していたりしたので、ちょっと反省しています。

 

というわけで、自分で情報を整理するためにも、現在の売れ筋マンガをまとめました。

やっぱり調べてみると、おもしろそうなマンガがたくさんあるし、なんとなく世の中のトレンドみたいなものも見えてくる気がしますね。

 

というわけで、トーハンと日販と「月間」の売上ランキングに入っているマンガを一挙にまとめました(2020年5月19日時点)。

マンガの概要については、Amazonに書かれている出版社の紹介文をそのままコピペしています。

 

なお、タイトルの前に★がついているのは、私が調べていて個人的に興味を持った作品です。

では、いってみましょう。

 

 

鬼滅の刃』 

鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

時は大正時代。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変する。唯一生き残ったものの、鬼に変貌した妹・禰豆子を元に戻すため、また家族を殺した鬼を討つため、炭治郎と禰豆子は旅立つ!! 血風剣戟冒険譚、開幕!!

はい、もうこれは社会現象になっている、間違いなくいまもっともアツいマンガですね。私は原作は1巻までしか読んでないですが、アマプラで全話無料で見られるので視聴しました。

正直なところ、なにか特筆してすごくおもしろいポイントがあるようには感じませんでしたが、王道的なバトルアクションファンタジーで安定感があります。

あと最近のマンガはラノベの影響もあると思うのですが、主人公が最初からかなり強いパターンが多いですが、本作の主人公はかなりの努力家で、血のにじむような鍛錬の末に一生懸命強くなっているので、逆にこういうパターンが珍しくなってきているのかもしれません。

最新刊は20巻です。

 

『ハイキュー』

ハイキュー!! 1 (ジャンプコミックス)

ハイキュー!! 1 (ジャンプコミックス)

  • 作者:古舘 春一
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: コミック
 

おれは飛べる!! バレーボールに魅せられ、中学最初で最後の公式戦に臨んだ日向翔陽。だが、「コート上の王様」と異名を取る天才選手・影山に惨敗してしまう。リベンジを誓い烏野高校バレー部の門を叩く日向だが!?

43巻まで出ていて、根強い人気を誇るバレーボールマンガですね。

スポーツものは好きじゃないので、読んでないです。

 

『SPY×FAMILY』

SPY×FAMILY 1 (ジャンプコミックス)

SPY×FAMILY 1 (ジャンプコミックス)

  • 作者:遠藤 達哉
  • 発売日: 2019/07/04
  • メディア: コミック
 

名門校潜入のために「家族」を作れと命じられた凄腕スパイの〈黄昏〉。だが、彼が出会った“娘”は心を読む超能力者! “妻”は暗殺者で!? 互いに正体を隠した仮初め家族が、受験と世界の危機に立ち向かう痛快ホームコメディ!!

LINEマンガで1巻が無料だったので読みました。

スパイと超能力者と暗殺者が家族を演じるというコメディで、絵柄が可愛いです。

著者の遠藤達哉さんは2000年にデビューし、いくつも作品を描いています。

でも本作が代表作になりそうですね。

最新刊は4巻です。

 

るろうに剣心明治剣客浪漫譚・北海道編-』

伝説の人斬り・抜刀斎こと緋村剣心──明治十六年の東京で、時に倭杖を手に困窮している人のため剣を振るうも、妻・薫、息子・剣路と平穏に日々を過ごしていた。ある時、一枚の写真から、薫の亡父・越路郎が北海道で生きていることが判明。剣心達は北海道に向かうが…!?“不殺”の流浪人の新たな浪漫譚、開幕……!! 

90年代に人気を博したマンガの続編。

実写映画も評判が良かったためでしょうか。

4巻まで出ています。

 

アルスラーン戦記

国が燃えている…。世界はどれだけ広いのか? 強国「パルス」の王子・アルスラーンは、いまだ何者でもなく、ただ好奇心にあふれていた。「頼りない」「気弱」「器量不足」と言われたアルスラーンが14歳になった時、遠国の異教徒がパルスへ侵攻。アルスラーンは初陣の時を迎える。パルス軍の強さは古今無双。この戦もパルスの圧勝に終わると誰もが信じていた……。奈落へと落ちたアルスラーンの運命! 激動の英雄譚、開幕!!

銀河英雄伝説』でも有名な作家・田中芳樹先生の同名小説を、『鋼の錬金術師』を大ヒットさせた荒川弘先生がコミカライズした作品。

13巻まで出ています。

アニメ化もされましたね。途中まで見てました。

私はじつは、魔術シリーズが好きだったりします。 

春の魔術 (講談社文庫)

春の魔術 (講談社文庫)

  • 作者:田中 芳樹
  • 発売日: 2006/03/15
  • メディア: 文庫
 

 

ダンジョン飯

ダンジョン飯 1巻 (HARTA COMIX)

ダンジョン飯 1巻 (HARTA COMIX)

 

待ってろドラゴン、ステーキにしてやる! 九井諒子、初の長編連載。待望の単行本化! ダンジョンの奥深くでドラゴンに襲われ、 金と食料を失ってしまった冒険者・ライオス一行。 再びダンジョンに挑もうにも、このまま行けば、途中で飢え死にしてしまう……。 そこでライオスは決意する「そうだ、モンスターを食べよう! 」 スライム、バジリスクミミック、そしてドラゴン!! 襲い来る凶暴なモンスターを食べながら、 ダンジョンの踏破を目指せ! 冒険者よ!!

短編マンガをいくつか上梓していた九井諒子先生の長編連載作で、RPG的なファンタジー世界とグルメマンガを融合させた作品。

9巻まで出ています。

ダンジョン飯』は持ってないのですが、私は九井諒子先生の短編がけっこう好きで、だいたい持っています。

シュールな世界観とギャグが持ち味ですね。

ひきだしにテラリウム

ひきだしにテラリウム

 
竜の学校は山の上

竜の学校は山の上

 

 

七つの大罪

かつて王国転覆をはかったとされる伝説の逆賊・〈七つの大罪〉。今もなお執拗に、そのお尋ね者を追うは、王国の要・一騎当千の聖騎士たち。しかし、切なる想いを胸に秘め、〈七つの大罪〉を捜す一人の少女が現れた時、世界の様相を一変させるとびきりの冒険が始まった!痛快無比のヒロイック・ファンタジー、開幕。

こちらもアニメ化され、すでに41巻まで出ている王道的な冒険ファンタジー

 

亜人

亜人(1) (アフタヌーンコミックス)
 

亜人」と呼ばれるその生物は「死なない」。高校生・永井圭はある日、交通事故で死ぬが、その直後に生き返った。それは、彼が亜人であり、人間ではないことを意味する。圭をとりまく環境は一変した。彼は人間たちから逃げ惑うことになる。友人のカイは怯える圭を助けるために駆けつけ、二人で人里を離れて山の中に逃げ込んだ。そんな彼に人間と敵対する亜人たちが接触してきた。

実写化もされましたね。

亜人

亜人

  • 発売日: 2018/03/04
  • メディア: Prime Video
 

16巻も出ているようでびっくりです。

第1巻だけ原作者として三浦追儺の名前がありますが、2巻以降はなくなっています。

桜井画門さんは、本作が連載デビュー作ですね。

 

ちはやふる』 

まだ“情熱”って言葉さえ知らない、小学校6年生の千早(ちはや)。そんな彼女が出会ったのは、福井からやってきた転校生・新(あらた)。おとなしくて無口な新だったが、彼には意外な特技があった。それは、小倉百人一首競技かるた。千早は、誰よりも速く誰よりも夢中に札を払う新の姿に衝撃を受ける。しかし、そんな新を釘付けにしたのは千早のずば抜けた「才能」だった……。まぶしいほどに一途な思いが交差する青春ストーリー、いよいよ開幕!!

百人一首に青春をかける少年少女の物語。

こちらも実写映画化されました。

44巻まで出ていて、まだまだ人気は健在のようです。

ちなみに、著者の末次由紀さんは2005年に連載していた『エデンの花』という作品で盗用疑惑が浮上し一時活動を停止していたのですが、2008年からスタートした本作で一気にスターダムにのし上がっているので、人生は何があるかわからないもんですね。

 

『アクタージュ』

女優を目指す女子高生・夜凪は有名芸能事務所スターズのオーディションで天才的な芝居をするも不合格。それは彼女の危険な演技法に理由があった。しかし、夜凪の才能に魅せられた映画監督・黒山が役者の世界に誘う!!

こちらは知らない作品でした。

マツキタツヤさんが原作者、宇佐崎しろさんが作画を担当しています。

お二人とも商業連載は初めてのようですが、11巻まで出ている人気ぶり。

 

『MFゴースト』

西暦202X年。車の自動運転が普及した日本。そんな時代に、公道の自動車レースが開催されていた。世界中で人気を集めるレースの名はMFG。ポルシェ、フェラーリランボルギーニなど最速を誇るマシンが次々に参戦していた。一方、イギリスのレーシングスクールを卒業したドライバー、カナタ・リヴィントンは、ある目的を果たすため日本に帰国するのであった。新公道最速伝説、ここに開幕!

頭文字D』で知られるしげの秀一先生の新作です。

最新刊は8巻。

 

BORUTO―ボルト― 1 ―NARUTO NEXT GENERATIONS―』

忍界大戦ももはや過去、木ノ葉隠れの里も平和を享受する時代。七代目火影の息子・ボルトは、偉大すぎる父の影響か鬱屈した日々を送っていた。新たなる災いの影にも気づかずに…。新世代の伝説が今、開幕!!

ONE PIECEと双璧をなしていた人気マンガ『NARUTO』の息子による続編ですね。

アニメも放送しています。

11巻まで出ています。

 

進撃の巨人

手足をもがれ、餌と成り果てようと、人類は巨人に挑む!! 巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。だが名ばかりの平和は壁を越える大巨人の出現により崩れ、絶望の戦いが始まってしまう。――震える手で、それでもあなたはページを捲る。超大作アクション誕生! これが21世紀の王道少年漫画だ!!

こちらも社会現象になった傑作。

まだ続いていたんですね。最新刊は31巻です。

 

ONE PIECE

時は大海賊時代。いまや伝説の海賊王G・ロジャーの遺した『ひとつなぎの大秘宝』を巡って、幾人もの海賊達が戦っていた。そんな海賊に憧れる少年ルフィは、海賊王目指して大いなる旅に出る!!

説明は不要でしょう。

最新刊は96巻です。

 

★『終末のワルキューレ

全世界の神VS偉人、武人、傑人!!地上で横暴を極める人類に対し、神々は人類の滅亡を決定する。その決定を覆すべく選ばれたのは人類史上最強、13人の戦士たち。神々とのタイマン13番勝負に勝ち、人類を存続させることは出来るのか!?第一回戦は北欧神話最強「トール神」VS三国志最強「呂布奉先」!人類存亡を賭けた戦いが、今始まる!!

原作が梅村真也さん、構成がフクイタクミさん、作画がアジチカさんとのこと。

私はマンガをつくったことがないのでよくわからんのですが、構成というのはコマ割りとかラフを担当しているんでしょうかね。

 

『転生賢者の異世界ライフ ~第二の職業を得て、世界最強になりました~』

ブラック企業で働く社畜・佐野ユージ。 自宅に持ち帰った仕事をしているとPCにメッセージが。 「あなたは、異世界に召喚されました! 」 気が付けばそこはステータスやスキルのあるゲームのような世界。 ユージは、傍にいたスライムをテイムし「テイマー」になる。 さらに不思議な魔導書の力で魔法を覚え第二の職業「賢者」に目覚める! 最弱と思われがちなスライムを従えたユージの異世界最強冒険譚! 「小説家になろう」発! 異世界転生×賢者=無自覚無双! ?

同名のライトノベルのコミカライズ作品ですね。

8巻まで出ています。

 

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭』

「恋愛は告白した方が負けなのである!」 家柄も人柄も良し!! 将来を期待された秀才が集う秀知院学園!! その生徒会で出会った、副会長・四宮かぐやと会長・白銀御行は互いに惹かれているはずだが…何もないまま半年が経過!! プライドが高く素直になれない2人は、面倒臭いことに、“如何に相手に告白させるか”ばかりを考えるようになってしまった!? 恋愛は成就するまでが楽しい!! 新感覚“頭脳戦”ラブコメ、開戦!!

こちらも実写映画化されたので、タイトルだけは知ってます。

最新刊は18巻。

 

アオアシ

アオアシ(1) (ビッグコミックス)

アオアシ(1) (ビッグコミックス)

 

愛媛に暮らす中学三年生・青井葦人(あおいアシト)。粗削りながら、強烈なサッカーの才能を秘めているアシトだったが、まっすぐすぎる性格が災いして、大きな挫折を経験することに―――そんなアシトの前に、東京にある強豪Jクラブ「東京シティ・エスペリオン」のユースチーム監督・福田達也(ふくだたつや)が現れる。アシトの無限の可能性を見抜いた福田は、東京で開催される自チームのセレクションを受けるよう勧めて!?将来、日本のサッカーに革命を起こすことになる少年の運命は、ここから急速に回り始める!!

熱血系のサッカーマンガですね。これは知りませんでした。

著者の小林有吾さんは2010年からマンガ家として活動し、本作が代表作です。

20巻まで出ています。

 

名探偵コナン

名探偵コナン (1) (少年サンデーコミックス)

名探偵コナン (1) (少年サンデーコミックス)

  • 作者:青山 剛昌
  • 発売日: 1994/06/18
  • メディア: コミック
 

ホームズに憧れる推理マニアの高校生。工藤新一がとある理由で小学生の体に!!小さな探偵が大活躍の奇想天外本格探偵アクション!

いつの間にか国民的アニメになっていた、なかなか終わる気配を見せない長寿作。

最新刊は98巻です。

 

終末のハーレム

時は2040年。難病に侵された青年・怜人は幼馴染の絵理沙と再会を誓い、病を治すためコールドスリープする。そして5年後──。目覚めた怜人を待っていたのは99.9%の男が死滅し50億人の女性が生きる世界だった…! 近未来エロティックサスペンス開幕!

LINEマンガで1巻だけ読みました。えっちです。

原作・原案がLINKさん、作画が宵野コタローさんです。

ちなみに、Wiki情報なので定かではありませんが、宵野コタローさんは女性のようです。

最新刊は11巻ですね。

 

春待つ僕ら

春待つ僕ら(1) (デザートコミックス)

春待つ僕ら(1) (デザートコミックス)

 

本当の友達が欲しかっただけなのに……高校こそ脱ぼっちを目指して意気込んでいた美月。だけど、突然出会ったバスケ部イケメン四天王にかまわれ振り回され、新生活は思わぬ方向に…!? イケメン4人とのハチャメチャ青春DAYS始まる!!?

ハーレム系の少女マンガですね。これも知らない作品でしたが、14巻まで出ています。

著者のあなしん先生はこれが連載デビュー作です。

 

『五等分の花嫁』

五等分の花嫁(1) (講談社コミックス)

五等分の花嫁(1) (講談社コミックス)

  • 作者:春場 ねぎ
  • 発売日: 2017/10/17
  • メディア: コミック
 

貧乏な生活を送る高校2年生・上杉風太郎のもとに、好条件の家庭教師アルバイトの話が舞い込む。ところが教え子はなんと同級生!! しかも五つ子だった!! 全員美少女、だけど「落第寸前」「勉強嫌い」の問題児! 風太郎は、超個性的な彼女たちを「卒業」まで導けるか──!?

これもハーレム系ですね。2019年の講談社漫画賞受賞作。14巻まで出ています。

著者の春場ねぎ先生は『煉獄のカルマ』(全5巻)が連載デビュー作で、本作が代表作になりました。

 

弱虫ペダル

弱虫ペダル 1 (少年チャンピオン・コミックス)
 

ママチャリで激坂を登り、秋葉原通い、往復90km!! アニメにゲーム、ガシャポンフィギュアを愛する高校生・小野田坂道、驚異の激コギ!! ワクワクの本格高校自転車ロードレース巨編!!

こちらも一世を風靡した作品で、最新刊は67巻です。

 

『ハニーレモンソーダ

中学時代、「石」と呼ばれ、泣くことも笑うことも忘れていた羽花。偶然出会ったレモン色の髪の男の子・三浦くんに憧れて、同じ高校に入学したけれど──!?ソーダ水のように甘く弾ける青春が、ここからはじまる!

 「りぼん」っぽい、王道的な少女マンガですね。

最新刊は13巻です。

著者の村田真優さんは2005年にデビューし、読み切り、連載等数多いです。

 

炎炎ノ消防隊

全人類は怯えていた──。何の変哲もない人が突如燃え出し、炎の怪物“焔ビト”となって、破壊の限りを尽くす“人体発火現象”。炎の恐怖に立ち向かう特殊消防隊は、現象の謎を解明し、人類を救うことが使命! とある理由から“悪魔”と呼ばれる、新入隊員の少年・シンラは、“ヒーロー”を目指し、仲間たちと共に、“焔ビト”との戦いの日々に身を投じる!! 燃え上がるバトル・ファンタジー、始動!!

ヒット作『ソウルイーター』の著者による作品。アニメ化もしました。

ソウルイーター』の版元はスクエニでしたが、講談社に引っこ抜かれたんでしょうか。

最新刊は23巻です。

 

『DAYS』

少年たちは全力で、笑い、泣き、走る!! 心をジンジン刺激する! 激熱サッカー漫画!! ――何のとりえもない、特技もない。けれど人知れず、熱い心を秘めた少年・柄本(つかもと)つくし。孤独なサッカーの天才・風間陣(かざま・じん)。嵐の夜、交わるはずのないふたりが出会ったとき、高校サッカーに旋風を巻き起こす、灼熱、感動、奇跡の物語が幕を開ける!!

サッカーマンガですね(興味ない)。38巻まで出ています。

ちなみに、著者の安田剛士さんは佐藤多佳子さんの小説、『一瞬の風になれ』のコミカライズも手掛けていたようです。

 

『100日後に死ぬワニ』

日本中が見守った100日間、待望の書籍化あたりまえ。だから、愛おしい。1匹のワニの、なんでもなくて、かけがえのない毎日の記録をぜひお楽しみください。

Twitterで話題になったマンガの書籍化。

電通案件」と叩かれてもいましたが。。

 

『パラレルパラダイス』

異世界に迷い込んだ男子高生・太多陽太は、森の中で美少女騎士・ルーミと出会う。そこは少女だけが存在する世界。神の化身からルーミとの交尾を命じられる陽太。触れられただけで極限まで発情したルーミは‥‥!?

いわゆるハーレムもので、かなりえっちです。10巻まで出ています。

これもLINEマンガで1巻だけ読みました。

ちなみに私は昔、友人に同じ著者の『エルフェンリート』を勧められてアニメを見ましたがそんなに趣味じゃなかったです。

 

『新テニスの王子様

中学テニス全国大会で激闘を広げた猛者たち。その中の50人が、高校日本代表合宿に呼ばれた!! しかし、その中にリョーマの姿が見当たらない!! リョーマは一体どこへ!? テニス漫画の最高峰!! テニスの王子様、新章開幕!!

2000年代に人気を博したマンガの続編。

るろ剣もそうですが、あのあたりの年代が大人になって金を持つようになってきたので、そのあたりを狙っているのかもしれません。

最新刊は29巻です。

 

『東京卍リベンジャーズ』

ダメフリーター花垣武道は、ある日ニュースを見ていると、最凶最悪の悪党連合”東京卍會”に、中学時代に付き合っていた人生唯一の恋人が殺されたことを知る。壁の薄いボロアパートに住み、レンタルショップでバイトしながら6歳年下の店長にこき使われる日々。人生のピークは確実に彼女がいた中学時代だけだった……。そんなどん底人生まっただ中のある日、突如12年前へタイムリープ!!恋人を救うため、逃げ続けた自分を変えるため、人生のリベンジを開始する!!

著者の和久井健さんは連載作デビューの『新宿スワン』が人気を博した方で、まさかのSFです。

いまのところ17巻まで出ています。

 

ダイヤのA act2』

目指すはエースの座と全国の頂点! 2年生となり、ついに甲子園デビューを果たした沢村栄純と、青道高校野球部の新たな挑戦が始まる! 俺は今、この場所に立っている───。2年生となった沢村栄純が、ついにセンバツ甲子園のデビューを果たす! 目指すは全国の頂点のみ!! 名門復活へ。青道高校野球部の快進撃が始まる!!

人気野球マンガダイヤのA』の続編ですね。

学年が上がって、タイトルも変更になったようです。

最新刊は21巻。

 

『転生貴族の異世界冒険録』

通り魔から少女をかばい死んでしまった椎名和也は、貴族の三男カイン・フォン・シルフォードとして、夢にまで見た剣と魔法の世界に転生した!この世界の慣習にならい五歳の誕生日に洗礼を受け、神々の加護を授かったカインだったが、そこで与えられたのは多大過ぎる神々の加護と、もはや規格外とも呼べるステータスで…!?

同名ライトノベルのコミカライズ。

異世界転生・俺TUEEE系で、教科書どおりの設定みたいです。

夜州さんが原作者、niniさんが作画、藻さんがキャラクター原案となっています。

なんとなく絵柄と言うか、雰囲気がいまの主流とは違う感じですが、4巻まで出ていて月間ランキング100位以内に入るのでかなり売れているといっていいはず。

 

人形の国

人形の国(1) (シリウスコミックス)

人形の国(1) (シリウスコミックス)

 

遺跡層におおわれた巨大人工天体「アポシムズ」。危険な「自動機械」や「人形病」に侵された者たちが彷徨う極寒の地表で暮らすエオ、ビコ、エスロー達は行軍訓練のさなか、強大なリベドア帝国の兵士に追われる不思議な少女を助ける。少女から託された「コード」と「七つの弾丸」、それは世界の運命を大きく変えるものだった……!!

著者の弐瓶 勉さんは『シドニアの騎士』がヒットした方ですね。

現在、6巻まで出ています。

 

『ゆびさきと恋々』

女子大生の雪は、ある日困っているところを同じ大学の先輩・逸臣に助けてもらう。聴覚障がいがあって耳が聴こえない雪にも動じることなく、自然に接してくれる逸臣。自分に新しい世界を感じさせてくれる逸臣のことを雪は次第に意識し始めて…!?

聴覚障害系ヒロインの恋愛マンガですね。この作品は知りませんでした。

著者の森下suuというのは原作と作画をやっている人たちのユニット名のようで、2009年からさまざまな作品を世に送り出しています。

最新刊は2巻。

 

化物語

戦場ヶ原ひたぎ阿良々木暦がある日受け止めた少女。そう、彼女の体には―体重がなかった。1匹の“蟹”に行き遭い、体重を根こそぎ持っていかれていた。化物は、はじめからそこにいる。いつも。どこにでも。『掟上今日子の備忘録』西尾維新×『エア・ギア大暮維人で贈るこれぞ新たな怪異! 怪異! 怪異! 新しく、今巻き起こる〈物語〉!

ファンの多い小説家・西尾維新さんの同名小説のコミカライズ。

そして作画の大暮維人さんは『エア・ギア』の作者でもあります。『エア・ギア』も続編が出ていたんですね。

化物語』もまだコミック版が続いていたのにびっくりしました。

最新刊は9巻です。

 

暁のヨナ

暁のヨナ 1 (花とゆめコミックス)

暁のヨナ 1 (花とゆめコミックス)

 

高華王国の姫・ヨナは一人娘のため、優しい父王と幼なじみで護衛のハク達に囲まれ、大切に育てられていた。そして時はヨナ・16歳の誕生日、ヨナは想いを寄せていた従兄のスウォンから簪を贈られ、父へ自分の気持ちを伝えに行く。が、そこには思いも寄らぬ過酷な運命が!?

異世界ラブ・ストーリー

2010年に連載がスタートした息の長い作品で、タイトルは知っていましたが、こんなストーリーだとは知りませんでした。

著者の草凪みずほさんは本作が代表作です。

最新刊は32巻です。

 

アシガール

アシガール 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)
 

速川唯は、遅刻・忘れ物・居眠りの常習犯で恋愛にもオシャレにも関心がないぐうたら女子高生。何の目標もなくなんとなく過ごしていたある日弟の尊がつくったタイムマシンでうっかり戦国の世へ。そして人類史上初の足軽女子高生が誕生した──!

女子高生が足軽になるというとんでもない話ですが、14巻まで出ていて人気はあるようです。知らなかった…。

そして著者の森本梢子さんは『ごくせん』の著者でもあります。

ごくせん 1 (クイーンズコミックスDIGITAL)

ごくせん 1 (クイーンズコミックスDIGITAL)

 

 

『俺だけ入れる隠しダンジョン ~こっそり鍛えて世界最強~』

この世に数多(あまた)在る魔窟。それらの中には未発見、前人未到、手付かずのものもあるという。それを人々は、こう呼んだーーー『隠しダンジョン』と。貴族階級の最底辺に属す、スタルジア家の三男・ノルが、その最高峰の魔窟に挑む!強くなる為に『隠しダンジョン』に潜ったノルは、そこで鎖に拘束された美女と出会う。彼女は何と伝説の冒険者・オリヴィア・サーヴァントだった。この出会いがノルの運命を激変させる!

同名ライトノベルのコミカライズ。4巻まで出ています。

原作は瀬戸 メグルさん、作画は樋野 友行さんです。

ちなみに樋野 友行さんは私が好きなゲーム、「オーディンスフィア」のコミカライズもやっていました

メルセデスでいきますか…。

 

『キングダム』

キングダム 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
 

時は紀元前――。 いまだ一度も統一されたことのない中国大陸は、500年の大戦争時代。苛烈な戦乱の世に生きる少年・信は、自らの腕で天下に名を成すことを目指す! !

こちらも有名なマンガ。

最新刊は57巻です。

読みたいなーと思いつつ、巻数で出すぎていて尻込みしています。

 

『最強の魔導士。ひざに矢をうけてしまったので田舎の衛兵になる』

魔王討伐を果たした、最強の魔導士アルフレッド。――だが、戦いの際に、ひざに矢をうけてしまった。これでは、もう満足にたたかえない。冒険者引退を決意したアルフレッドは、ギルドで1件の依頼を見つける。『ムルグ村の衛兵募集。狼と猪が出てこまっています。※村には温泉があります』誰も自分のことを知らない片田舎で、かわいいエルフをはじめ、村人みんなに慕われながら隠居ぐらしを謳歌する。

なろう系作家による同名ライトノベルのコミカライズ。

原作はえぎんぎつねさん、作画がアヤノマサキさん、元本のイラストレーターがTEDDYさんです。

アヤノマサキさんはほかの単著はないようですね。

現在、3巻まで出ています。

 

Dr.STONE

Dr.STONE 1 (ジャンプコミックス)

Dr.STONE 1 (ジャンプコミックス)

  • 作者:Boichi
  • 発売日: 2017/07/04
  • メディア: コミック
 

一瞬にして世界中すべての人間が石と化す、謎の現象に巻き込まれた高校生の大樹。数千年後──。目覚めた大樹とその友・千空はゼロから文明を作ることを決意する!! 空前絶後のSFサバイバル冒険譚、開幕!!

科学マンガとして異例のヒットを飛ばしている作品ですね。

最新刊は15巻です。

原作者の稲垣理一郎さんは『アイシールド21』の原作者でもあります。

作画のBoichiさんは韓国出身の方で、『サンケンロック』の著者でもあります。

サンケンロック(1) (ヤングキングコミックス)
 

 

センゴク権兵衛』

戦国時代に生きた人間の激しさとひたむきさをリアルに描く、壮大なる合戦絵巻は第4部に突入!! 主役は“史上最も失敗し挽回した男”仙石権兵衛秀久。数々の合戦を生き抜いて立身出世を続けてきた権兵衛だが、この先に彼を待っているのは人生最大の試練…!! 織田信長豊臣秀吉徳川家康に仕えた実在の武将が、今、激動の時代に立ち向かう!!

こちらはこれまでに登場しているマンガとはなかなか毛色の異なる渋めの作品。

最新刊は19巻。

著者の代表作である『センゴク』の第4部で根強い人気がある模様です。

センゴク(1) (ヤングマガジンコミックス)
 

 

ジョジョリオン

S市杜王町。震災後、突如、町の中にあらわれた「壁の目」と呼ばれる隆起物付近で、高校生の広瀬康穂は謎の青年を発見した。彼の身元を突き止める事にした康穂であったが、不可解な現象が2人の周りで起こり始め…!

1987年から連載が続く『ジョジョの奇妙な冒険』の第8部で、まだ続いていたのかとびっくりしました。

LINEマンガで読みましたが、東日本大震災後の仙台をモデルにした年が舞台のようですね。

23巻まで出ています。

 

★『薬屋のひとりごと

中世の宮中で下働きをする少女・猫猫(マオマオ)。花街で薬師をやっていた彼女が、帝の御子たちが皆短命であるという噂を聞いてしまったところから、物語は動き始める。持ち前の好奇心と知識欲に突き動かされ、興味本位でその原因を調べ始める猫猫の運命は――…!?

またまた、なろう作家による同名小説のコミカライズです。

ただし、こちらはよくある異世界転生ファンタジーではなく、異世界ミステリーのようですね。ちょっと興味があります。

日向夏さんが原作、ねこクラゲさんが作画、七緒一騎さんが構成、キャラクター原案がしのとうこさんです。

最新刊は6巻です。

 

約束のネバーランド

約束のネバーランド 1 (ジャンプコミックス)

約束のネバーランド 1 (ジャンプコミックス)

  • 作者:出水 ぽすか
  • 発売日: 2016/12/02
  • メディア: ペーパーバック
 

母と慕う彼女は親ではない。共に暮らす彼らは兄弟ではない。エマ・ノーマン・レイの三人はこの小さな孤児院で幸せな毎日を送っていた。しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた。真実を知った彼らを待つ運命とは…!?

ジャンプ連載作品としては珍しい、女性主人公のスリリングファンタジー

原作は白井カイウさん、出水ぽすかさんが作画です。

最新刊は18巻。

 

★『ブルーロック』

2018年、W杯。日本代表は無残に散った。今大会もベスト16止まり…。アジアでは強豪? 組織力は世界レベル? そんなことは、もう聞き飽きた! 課題は、絶対的な「エースストライカー」の不在。悲願“W杯優勝”のために、ゴールに飢え、勝利に渇き、試合を一変させる革新的な“1人”を作るべく、日本フットボール連合は300人のユース年代の選手達を招集する。まだ無名の高校2年生・潔世一は、己のエゴを以って299人を蹴落とし、最強のエースストライカーの道を駆け上れるか!? 登場人物、全員“俺様”! 史上最もイカれたエゴイストFWサッカー漫画、ここに開幕!!

いわゆるサッカーマンガですが、表紙で主人公っぽい男の子が瞳孔ガッツリ開いているように、どうも普通のサッカーマンガではなさそうで、ちょっと興味を惹かれます。

……と思ったら、原作者の金城宗幸さんはこれまで『神さまの言うとおり』『僕たちがやりました』『ジャガーン』を手掛けてきたかだったのですね。

どんな内容か、推して知るべしです。

最新刊は9巻です。

 

『痴情の接吻』

「恋愛よりも趣味が充実してるほうが楽しい」女・和華と、それを全力で口説きにかかる片思い男・忍の同居ストーリー、開幕!図書館司書の和華は、大量の蔵書と共に引っ越す物件を探していた。そんな中で再会した研究職の忍は、高校時代、谷崎潤一郎の「痴人の愛」を読んでいた時に、急にキスをされた相手で…!?突然の同居スタート、さらに「好きだ」と告白されるも、和華はあっさり断ってしまい…!!?

強引メガネ男子の恋愛マンガ。

いわゆるレデュースコミックに分類されるもので唯一ランクインしていました。

 

『レベル1だけどユニークスキルで最強です』

ブラック企業に勤務するサラリーマン、佐藤亮太。彼は突如として、あらゆるものがモンスターからドロップされる、不思議なダンジョンへと転移してしまった! しかも、体力・魔力などのステータスはすべて「F」(最弱)の上、レベルは固定で「1」(最低)という最悪の状態で…!!だが、それに反して謎のユニークスキルを持っていたことが判明する。いま、過労死リーマンが、最強勇者へと異世界転職を果たす!?

またまたまた、なろう作家による同名小説のコミカライズで、お決まりの異世界転生フォーマットに沿った作品です。

これだけ同じストーリーフォーマットで売れ続ける原因が私には理解不能ですが、これは戦隊モノとかプリキュアのような、一種の様式美なのでしょうか。

華道や茶道みたいに「異世界転生道」みたいなものがあってもおもしろいかもですね。

原作者は三木なずなさん、作画は真綿さん、小説版のイラスト担当がすばちさんです。

4巻まで出ています。

 

『回復術士のやり直し』

この腐った世界を【回復】して、人生をやり直しすべてを掴む復讐譚!【癒】の勇者ケヤルは、ある日【回復(ヒール)】が最強に至る魔法だと確信する。そして世界そのものを【回復】して四年前に戻り、自分の人生を弄んだ者たちへ復讐することを誓うのだった。

こちらもなろう作家の同名小説をコミカライズしたもの。

LINEマンガで1巻だけ読みました。

いまはバイオレンスさよりも、精神的エグさが気に入られるかもしれません。

これも、そういう作品でした。

原作は月夜 涙さん、作画が羽賀 ソウケンさん、しおこんぶさんは小説のイラスト担当者です。

最新刊は6巻です。

 

MAJOR 2nd

吾郎の息子・大吾は、才能のなさと二世の重圧から、ドルフィンズをやめていた。だが野球を諦めていた小6の大吾の元へ、一人の転校生が現れる。佐藤寿也の息子と名乗る光の登場で、大吾の野球人生が大きく変わり始め…?

1995年から2010年まで連載された人気野球マンガ『MAJOR』の、主人公の息子が主人公なる作品です。

最新刊は19巻。

1巻目の構図と合わせているのが心憎いですね。

 

カッコウの許嫁』

 赤ちゃんの頃に取り違えられ、今は名門私立に通う高校 2年の海野凪。ある日、これから許嫁に会いにいくという超お嬢様女子高生・天野エリカと偶然出会い、彼氏のフリをしてくれと半ば強引に頼まれてしまう。だが、その時の二人は知る由もなかった。エリカは凪と取り違えられた子どもで、凪はエリカの許嫁相手だということを……。「取り違え子」から始まる人生交錯ラブコメ開幕!

ヤンキー君とメガネちゃん』『山田くんと7人の魔女』などが有名な吉河美希さんの新作ラブコメです。

まだ1巻しか出ていませんが、いきなりランキング100位内に入るのはすごいですね。

 

転生したらスライムだった件

通り魔に刺されて死んだと思ったら、異世界でスライムに転生しちゃってた!?相手の能力を奪う「捕食者」と世界の理を知る「大賢者」、2つのユニークスキルを武器に、スライムの大冒険が今始まる!

また出ました。

なろう作家による同名小説のコミカライズです。

ただ本作は、他の作品より知名度が高いような気がします。

LINEマンガで1巻だけ読みました。

これに限らず、異世界転生系のファンタジーRPGのようにとにかく自分を数値でステータス化したがる傾向があるのも興味深いところですね。

伏瀬さんが原作、川上泰樹さんが作画です。

最新刊は14巻です。

 

僕のヒーローアカデミア

僕のヒーローアカデミア 1 (ジャンプコミックス)

僕のヒーローアカデミア 1 (ジャンプコミックス)

  • 作者:堀越 耕平
  • 発売日: 2014/11/04
  • メディア: コミック
 

多くの人間が“個性”という力を持つ。だが、それは必ずしも正義の為の力ではない。しかし、避けられぬ悪が存在する様に、そこには必ず我らヒーローがいる! ん? 私が誰かって? HA‐HA‐HA‐HA‐HA! さぁ、始まるぞ少年! 君だけの夢に突き進め! “Plus Ultra”!!

これもいかにもジャンプっぽい、王道の少年マンガですね。

やっぱり全年齢に安定して読ませられるものが大きな人気を博する傾向があるようです。

新刊は26巻です。

 

昭和天皇物語』

大元帥陛下して軍事を、大天皇陛下として政治を一身に背負い昭和という時代を生き抜いた巨人。波瀾万丈という言葉では表せないほどの濃密な生涯に半藤一利氏協力のもと、漫画界の巨人・能條純一氏が挑む--「ビッグコミックオリジナル」誌で毎号にわたり衝撃を呼ぶ巨弾連載、待望の第1集は、その少年時代が大胆な解釈と圧倒的な画力で描かれる…!

またここで渋いのが入ってきました。

こういうマンガが売れるのも、日本の漫画読者層の厚みを表しているのかもしれません。

6巻まで出ています。

原作は半藤一利の『昭和史』で、『月下の棋士』が代表作である能條純一さんが作画を担当。永福一成さんは脚本という立ち位置のようです(謎)。

昭和史-1945 (平凡社ライブラリー)

昭和史-1945 (平凡社ライブラリー)

  • 作者:半藤 一利
  • 発売日: 2009/06/10
  • メディア: 文庫
 
月下の棋士(1) (ビッグコミックス)

月下の棋士(1) (ビッグコミックス)

 

 

錬金術師です。自重はゴミ箱に捨ててきました。』

この錬金術師、規格外につき! ! ! 病気の妹の命を助けるために、万能薬エリクサーが必要なS級冒険者のラフィー。 しかしそれは、限られた錬金術師が数年に1本造れるかどうかという超貴重品だった。 だが、ある日出会った男が、その常識を覆す! 「はい、エリクサー。いいよ、またいくらでも作れるから。」

いい加減に紹介するのもうんざりしてきましたが、ランクインしているのだから紹介しないわけにはいきません。

そうです。

これもなろう作家による同名小説のコミカライズです。そして俺TUEEE系です。

夏月涼さんが原作、徒楽耀さんが作画です。

最新作は2巻。

 

『青のオーケストラ』

青春の、曲が始まる。 とある理由でヴァイオリンを弾くのを辞めた 元・天才少年、青野 一(あおのはじめ)。 中学3年の秋、一人の少女と 高校のオーケストラ部と出会い、 止まっていた彼の時間が動き出す―― 音と音、心と心が繋がっていく アンサンブル青春ドラマ、開幕。

ヴァイオリンをメインにした音楽マンガですね。

著者の阿久井真さんは『心が叫びたがってるんだ。』のコミカライズもやっていたようです。

 

いまのところ7巻まで出ています。

 

『なんでここに先生が!?』

おっぱいの柔らかさの限界に挑んだ衝撃作! 「鬼の児嶋」と恐れられるナイスバディな国語教師・児嶋加奈と普通の高校生・佐藤一郎の間で巻き起こるエッチなハプニング! ヤングマガジン掲載作品に加えて、ヤンマガにすら載せられない、限界に挑んだ描き下ろしが丸ごと1話分収録!! そのギリギリ感を見届けてほしい。ツイッターで大人気の漫画家・蘇募ロウが描く美人教師との「やわやわ」で「あまあま」な日々をご堪能あれ!

読んでいないですが、説明文だけでひどさが伝わってきます(褒めてます)。

2017年から連載がスタートして、10巻まで出ていますね。

 

金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』

やめろ金田一! みんなの前で俺のトリック暴かないでくれ…!! SNSで大反響! 金田一少年に謎を全て解かれた“犯人視点”スピンオフ! 第1巻は、オペラ座館殺人事件、学園七不思議殺人事件、蝋人形城殺人事件、秘宝島殺人事件、そして制作舞台裏を初めて明かす特別描き下ろし『外伝煩悩シアター』を収録!

人気ミステリーマンガ『金田一少年の事件簿』のスピンオフマンガですね。

明らかに『犯人の犯沢さん』に影響を受けています。

天樹征丸さん、金成 陽三郎さんが元本の原作者で、本シリーズの原作者が船津紳平さん、そして作画がさとうふみやさん。

天樹征丸さんはもともと編集者だったようで、編集者時代は『GTO』などを担当していたらしいです。

9巻まで出ています。

 

古見さんは、コミュ症です。

中毒必至のコミュ症ヒロインコメディー!!話したい、話せない。この緊張が、伝わってたらどうしよう。万人が振り返る美少女・古見(こみ)さんは、コミュ症です。コミュニケーションがとても苦手で、周囲は近寄りがたく感じている?「どうやって話しかけよう」「話しかけた後どうしよう」と考えてしまう古見さん。そんな古見さんと、友達になった只野(ただの)くんの学園生活、開校です!!

17巻まで出ています。

著者のオダトモヒトさんは1991年生まれで、2012年に小学館新人コミック大賞の大賞を受賞。

本作が自身の代表作になっています。

 

『虫かぶり姫』

「虫かぶり姫」のあだ名を持つ、本が大好きな侯爵令嬢・エリアーナ。クリストファー王太子の形式的な婚約者として平穏に過ごしてきたエリアーナだったが、ある日偶然、王太子が知らない令嬢と仲睦まじくしているところを目にしてしまう。ついに王太子が本当に愛する女性を見つけたのだと感じたエリアーナは、婚約解消の覚悟を決めるが――?

これはちょっと知らなかった作品ですが、調べてみたらこちらももともとは「なろう」で由唯さんが連載していたものが原作のようです。

3巻まで出ています。

作画は喜久田ゆいさん、椎名 咲月さんがキャラクター原案です。

 

『魔法にかかった新学期』

ひかわきょうこ、12年ぶりの完全新作! 次元を超えるスクールファンタジー! 幼馴染みと再会した高校で、不思議な出来事に巻き込まれて…!?

なんだか古めかしい絵柄だなあと思ったら、著者のひかわきょうこさんは1957年生まれ、すでに齢60を超える超大御所さんだったのですね。

代表作は『彼方から』という作品のようですが、ちょっと存じ上げませんでした。

彼方から 1 (白泉社文庫)

彼方から 1 (白泉社文庫)

 

ただ、根強いファンが多数いるのでしょう。

3巻まで出ています。

 

『わたしの幸せな結婚』

異能の家系に生まれながら、その能力を受け継がなかった娘、斎森美世。 能力を開花させた異母妹に使用人のように扱われていた。 親にも愛されず、誰にも必要とされない娘。 唯一の味方だった幼馴染も異母妹と結婚し家を継ぐことに。 邪魔者になった美世は冷酷無慈悲と噂される久堂家に嫁ぐことに…。 「小説家になろう」発! 和風ファンタジー×嫁入り。 結婚から始まる恋愛の物語。

説明文にもありますが、こちらもなろう系作家の同名小説をコミカライズしたものです。

第1巻が発売したばかりです。

原作が顎木 あくみさん、高坂りとさんが作画ですね。

 

ブラッククローバー

魔法がすべての、とある世界──。生まれながらに魔法が使えない少年アスタは、己の力を証明するため、そして友との約束を果たすために、魔道士の頂点“魔法帝”を目指す! 少年魔法ファンタジー、ここに開幕!!

2015年から連載されている作品で、最新刊は24巻。

赤マルジャンプデビューが2005年なので、けっこう苦労人ですね。。。

 

『神達に拾われた男』

日本の中年サラリーマン・竹林竜馬の生涯は、病死という形であっけなく幕を閉じた。決して恵まれた人生ではなかった竜馬だが、死後、三柱の神に協力を求められ、剣と魔法の異世界へと子どもの姿で転生することに!神々から手厚い加護を貰い受け、ひとまずは森で一人、のんびりと暮らし始める竜馬。魔法に狩りにと精を出す中、竜馬が最も熱心に取り組んだのは、使役したスライムたちの研究で!?多種多様なスライムたち(新種含む)を従えて、優しい人々と触れ合いながら第二の人生を謳歌する異世界スローライフファンタジー、開幕!

はいまたなろう系作家による同名小説のコミカライズ。

原作はRoyさん、小説版のイラストがりりんらさん、作画が蘭々さんです。

最新刊は5巻ですね。

 

総括

本エントリーで紹介したコミックのデータをまとめました。

 

タイトル 最新
巻数
既刊本の
ランクイン数
原作の
有無
原作者の
有無
1巻の
発売年
鬼滅の刃』  20 19 2016年
『ハイキュー』 43 1 2012年
『SPY×FAMILY』 4 3 2019年
るろうに剣心明治剣客浪漫譚・北海道編-』 4 0 有(コミック) 2018年
アルスラーン戦記 13 0 有(小説) 2014年
ダンジョン飯 9 0 2015年
七つの大罪 41 0 2013年
亜人 16 0 有(1巻のみ) 2013年
ちはやふる』  44 0 2008年
『アクタージュ』 11 0 2018年
『MFゴースト』 8 0 2018年
BORUTO―ボルト― NARUTO NEXT GENERATIONS―』 11 0 有(コミック) 2016年
進撃の巨人 31 0 2010年
ONE PIECE 96 1 1997年
『終末のワルキューレ 6 0 2018年
『転生賢者の異世界ライフ ~第二の職業を得て、世界最強になりました~』 8 0 有(ラノベ 2018年
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭』 18 0 2016年
アオアシ 20 0 2015年
名探偵コナン 98 0 1994年
終末のハーレム 11 0 2016年
春待つ僕ら 14 0 2014年
『五等分の花嫁』 14 13 2017年
弱虫ペダル 67 0 2008年
『ハニーレモンソーダ 13 0 2016年
炎炎ノ消防隊 23 0 2016年
『DAYS』 38 0 2013年
『100日後に死ぬワニ』 1 0 2020年
『パラレルパラダイス』 10 0 2017年
『新テニスの王子様 29 0 有(コミック) 2009年
『東京卍リベンジャーズ』 17 0 2017年
ダイヤのA act2』 21 0 有(コミック) 2015年
『転生貴族の異世界冒険録』 4 0 有(ラノベ 2018年
人形の国 6 0 2017年
『ゆびさきと恋々』 2 0 2019年
化物語 9 0 有(ラノベ 2018年
暁のヨナ 32 0 2010年
アシガール 14 0 2012年
『俺だけ入れる隠しダンジョン ~こっそり鍛えて世界最強~』 4 0 有(ラノベ 2018年
『キングダム』 57 0 2012年
『最強の魔導士。ひざに矢をうけてしまったので田舎の衛兵になる』 3 0 有(ラノベ 2018年
Dr.STONE 15 0 2012年
センゴク権兵衛』 19 0 有(コミック) 2016年
ジョジョリオン 23 0 有(コミック) 2011年
薬屋のひとりごと 6 0 有(ラノベ 2017年
約束のネバーランド 18 0 2016年
『ブルーロック』 9 0 2018年
『痴情の接吻』 4 0 2019年
『レベル1だけどユニークスキルで最強です』 4 0 有(ラノベ 2019年
『回復術士のやり直し』 6 0 有(ラノベ 2018年
MAJOR 2nd 19 0 有(コミック) 2015年
カッコウの許嫁』 1 0 2020年
転生したらスライムだった件 14 0

有(ラノベ

2015年
僕のヒーローアカデミア 26 0 2014年
昭和天皇物語』 6 0 有(小説) 2017年
錬金術師です。自重はゴミ箱に捨ててきました。』 2 0 有(ラノベ 2020年
『青のオーケストラ』 7 0 2017年
『なんでここに先生が!?』 10 0 2017年
金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』 9 0 有(コミック) 2017年
古見さんは、コミュ症です。 17 0 2016年
『虫かぶり姫』 3 0 有(ラノベ 2019年
『魔法にかかった新学期』 3 0 2017年
『わたしの幸せな結婚』 1 0 有(ラノベ 2019年
ブラッククローバー 24 0 2015年
『神達に拾われた男』 5 0 有(ラノベ 2018年

 

個人的に注目したのは

「既刊本がどのくらいランキングに入っているか」

という点です。

 

新刊がランキングに入りやすいのは当然ですが、既刊本までランクインしている場合、これは、評判の良さを耳にして大人買いした人の多さを示す指標と考えていいのではないでしょうか。

 

その視点で見ると、『鬼滅の刃』の人気が圧倒的なのはもちろんのこと、

『SPY×FAMILY』

『五等分の花嫁』

の2作品は、ここ最近のマンガのなかで飛び抜けて高い人気を誇っていると考えていいと思います。

 

個人的な所感としては、意外とタイトルすら知らない、まったく所見の本は意外に少ない印象でした。

最近はLINEマンガなどで1巻だけを無料で読めるようにするプロモーション展開をどの作品で行うことが多いですから、それで目にしたり、ちょっとだけ読んだことがある本も意外と多かったですね。

 

マンガのデータをしっかり調べてことがなかったですが、なかなか楽しかったです。

みなさまも、新しいマンガ選びの参考になれば幸いです。

 

今回はこんなところで。

それでは、お粗末さまでした。

『ぼぎわんが、来る』(澤村伊智・著)のレビュー

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私はホラーが苦手です。

ただ、「怖い話」が苦手というわけではありません。

「びっくりする演出」が苦手なのです。

だから、『不安の種』みたいなホラーマンガは読めるし、『新耳袋』みたいなホラー小説は読めます。

新耳袋 第一夜 現代百物語 (角川文庫)

新耳袋 第一夜 現代百物語 (角川文庫)

 

 

ただ、お化け屋敷とかホラー映画やホラーゲームはダメです。

ストーリー的にはおもしろそうで気にはなるのですが、どうしても向こうの都合で驚かされる演出は無理なのです。

 

ただホラーにもいろいろな種類があって、本当に背筋が寒くなるようなこわーい話というのは、意外となかなか出会えません。

ちょっと前に『お見世出し』というホラー小説も読みましたが、こちらもまあ小説としてはおもしろいっちゃおもしろいけど、「怖い」かというと、そんなでもありませんでした。

お見世出し (角川ホラー文庫)

お見世出し (角川ホラー文庫)

 

 

『粘膜人間』の続編である『粘膜蜥蜴』も、いちおう「角川ホラー文庫」というレーベルから出版されていますが、いわゆるホラー小説というよりも単なるスプラッターという感じですね。

しかもギャグ要素まであります。

粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)

粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)

  • 作者:飴村 行
  • 発売日: 2009/08/22
  • メディア: 文庫
 

 

そもそも、マンガだったらゾッとするような怖い演出がしやすいですが、文章だけで人を怖がらせるというはなかなか至難の業のように思います。

文章だけで人を笑わせるのが難しいのと一緒でしょう。

 

そんななか、今回紹介する『ぼぎわんが、来る』は、まさに「怖い」小説でした。

 

ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)

ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)

  • 作者:澤村伊智
  • 発売日: 2018/02/24
  • メディア: 文庫
 

 

これぞまさにホラー。

こわい、としか言いようがありません。

読んでいると鳥肌がたち、背筋がゾクゾクします。

 

主人公は結婚して小さな子どももいる普通のサラリーマン田原秀樹。

彼は幼少のとき、おじいさんから「ぼぎわん」という怪物の話をされます。

いわゆる子どもをしつけるためのお話で、「言うことを聞かないと”ぼぎわん”に山につれていかれる」というものです。

しかしある日、彼のもとに謎の電話が届きます。

電話の声の主はなぜか田原秀樹の名前を知っていて、さらに奥さん、そして子どもの名前も知っていました。

「返事をしてはいけない」とされる謎の声がせまるなか、田原秀樹は知り合いのツテを通じて霊媒師に助けを求めますが、その霊媒師たちですら、話を聞いただけで「いや、これは無理」と匙を投げる始末。

唯一助けてくれようとした中年女性の霊媒師に至っては、喫茶店で話を聞いた直後、謎の存在に腕を噛みちぎられて死んでしまうのです。

果たして"ぼぎわん"とはなにか?

なぜ田原一家が狙われたのか? 助かるのか?

 

こんな話です。

さて本書は3部構成になっています。

第1部は田原秀樹が語り部、第2部は田原秀樹の妻が語り部、そして第3部は霊媒師・比嘉真琴の付添人が語り部になっています。

もっとも怖いのは第1部です。

ここではひたすら、正体不明の”ぼぎわん”に付け狙われる被害者の視点から語られます。

ひたすら怖い。

冒頭のシーンは第1章の最後につながるのですが、ここは鳥肌モノです。

どうしたら文字だけで人を怖がらせられるか、というところの真髄がありますね。

 

それにたいして、第2章から第3章は毛色が変わります。

まあ正直に言えば、怖さはだんだん落ちていきます。

相手の正体が徐々に明かされ、物語の全体像が見えていくので仕方ないですね。

恐怖は「わからない」ことと、それに対する人間の「想像力」が生み出すものなんでしょう。

恐怖という感情の仕組みについては、こちらの本もおもしろいです。(ちょっと観念的で、内容は難しいですが)

恐怖の哲学 ホラーで人間を読む (NHK出版新書)

恐怖の哲学 ホラーで人間を読む (NHK出版新書)

 

 

とくに第3章になると「最強の霊媒師」と"ぼぎわん”との戦いがメインになるので、なんだか急にラノベチックなバトル小説っぽくなっていきます。

このあたりは評価が分かれそうなところですが、私は嫌いじゃありません。

むしろ、最初から最後まで第1章のようにひたすら読者を怖がらせることだけに注力していたら、物語としてのおもしろさは削がれてしまったのではないかと思います。

 

ちなみにマンガや映画にもなっています。

映画はアマプラにあったら観てみようかと思ったのですが、残念ながらありませんでした。

来る DVD通常版

来る DVD通常版

  • 発売日: 2019/07/03
  • メディア: DVD
 

 

後記

映画「ファウンダー」を観ました。 

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(字幕版)

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(字幕版)

  • 発売日: 2018/01/24
  • メディア: Prime Video
 

 

マクドナルドを世界ナンバーワンのチェーン店にした名経営者レイ・クロックの自伝的映画です。

ただ、映画のなかでクロックは必ずしも「善人」としては描かれていません。

というのも、クロックはそもそもの生みの親であり、フランチャイズ化に消極的だったマクドナルド兄弟から半ば強引に経営権を買い取ったからです。

しかも、「買い取ったあとも売上の1%をロイヤリティとして支払う」という口約束を反故にしています。とんでもないやつですね。

この結果、マクドナルド兄弟がもともと経営したハンバーガー店は「マクドナルド」を名乗ることができなくなり、「ザ・ビッグM」と名前を変えました。

しかし、クロックはそのすぐ近くにマクドナルドを出店し、「ザ・ビッグM」すらも潰してしまったのです。とんでもないやつですね。

 

このような倫理的な正しさは脇においておくと、この映画で描かれているクロックはとても人間的です。

上昇志向が強く、豪腕で独善的、そして力技で物事を推し進めます。

これまで苦労してきた奥さんに離婚を突きつけ、若い女性と再婚します。

徹底的な効率性を追求するために、生乳ではなく粉ミルクを使ったシェイクに変えたりもしました。

しかしその一方で、家族が安心して食事ができる環境を整えるために率先して店のゴミを拾ったり、ノンキャリアでも優秀な人間をマネージャーに昇格させたり、投資家を説得したり、自分の家を抵当に入れて経営資金を作ったりするなどもしています。

つまり、彼はマクドナルドというビジネスに自分の人生をかけ、「やれることはなんでもやる」という覚悟を決めて動いていたのです。

人間としてはクズだったかもしれないけど、経営者・ビジネスパーソンとしては優秀だったということですね。

実際、クロックという人間がいなければ現在のマクドナルドはなかったわけで、その意味ではレイ・クロックこそがマクドナルドの「創業者(ファウンダー)」であるというのは間違いではないのです。

 

それにしても、いまだマクドナルドがさまざまなメディアに広告料を支払い、多大な影響力を持っているにも関わらず、その本拠地であるアメリカで、そんなレイ・クロックを貶めるこのような映画が公開されるのはすごいことですね。

日本ではテレビ業界と映画業界が密接に結びついているのでこういう作品を作るのが難しいと思いますが、これは自由の国アメリカのいいところなんではないでしょうか。

主役を務めた俳優マイケル・キートンの演技も素晴らしいものでした。

 

ちなみに、原著でもあるレイ・クロックの自伝書は経営者の名著にもなっています。

 

今回はこんなところで。

それでは、お粗末さまでした。

『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(津川友介・著)のレビュー

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いわゆる「健康本」って、評するのが難しいです。

健康本はその性質上、「おもしろい」とか「おもしろくない」という価値観で測れるものではありません。

「正しい」か「正しくない」か。

「役に立つ」か「役に立たない」か。

そういった指標に従わざるを得ません。

残されたおもしろさというと、「知的好奇心を満たす」というものくらいでしょうか。

だいたい、そういうものはそれは奇をてらったものになりやすい傾向がありますが。

 

書評のおもしろさというのは、人によって評価が変わるところです。

ある人が「駄作」とこき下ろしている一方、「傑作」と持ち上げている人もいる。

そして、どちらの言い分も、しっかり読んでみると、なるほどと納得できるところがある。

そういう「余地」があるからこそ、書評する意味があると思っています。

 

翻って健康本、とくに本書のように、とにかくエビデンスを重視して、世界の研究結果というファクトをベースに書きましたとされると、そこに好き嫌いを挟み込む余地はなくて、「そうなんですね」としか言えないわけですね。

解釈の余地がない、という言い方もできるでしょう。

 

そんなわけで、じつは私は健康本は「読書」という感じがせず、ただ情報を取得するだけのように感じてあまり好きではないです。

しかし、にもかかわらず、今回ブログでこの本を紹介しようと思ったのは、

「それでもやっぱり定期的に健康本のような本を読むのも必要だな」

と改めて感じたからです。

(これは私の解釈です)

 

というわけで、今回紹介するのがこちらです。

 

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

  • 作者:津川 友介
  • 発売日: 2018/04/13
  • メディア: 単行本
 

 

本書では各国の研究データに基づき、現時点で体にいい、体に悪いと断言できる食べ物について述べています。

本書ではいろいろな情報が述べられています。

細かいことは実際に本を読んでもらればいいですが、ざっくりまとめるとこんな感じです。

 

・白米を含む「白い炭水化物」、牛肉や豚肉、バターなどの飽和脂肪酸は体に悪い

・魚、野菜、果物、茶色い炭水化物、オリーブオイル、ナッツ類は体にいい

・複数の研究結果を取りまとめたメタアナリシスという研究手法で導き出されたエビデンスがいちばん信頼できる

・食べるものは「成分」で考えず、「食品全体」で考えるべき

・日本人が考えがちな「食べ過ぎなければ大丈夫」という考えは間違い

・日本人は塩分摂りすぎ、味噌汁と漬物をやめるべき

 

健康本を読む人であれば、それほど目新しいことはありません。

これは奇をてらった健康本ではなく、エビデンスを重視したものである以上、仕方がないといえるでしょう。

強いて言えば、赤身の肉や脂肪分に関しては、書籍によっては推奨しているものもありますが、生成された炭水化物(糖質)は、最近の本ではどれでも「悪」として扱われていますね。

 

肉・卵・チーズで人は生まれ変わる

肉・卵・チーズで人は生まれ変わる

  • 作者:渡辺 信幸
  • 発売日: 2017/05/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

ちなみに、本書ではアルコールについて言及がありませんが、お酒の良し悪しについてはこちらの本が参考になるかもしれません(私は下戸で飲酒習慣がないですが)。

 

私は医者でも栄養士でもないし、食と健康に関する論文にくわしいわけでもないので、どれが正しくてどれが間違っているかという判断はできません。

本書の内容についても、あくまでも「現時点で科学的に証明されている」ということなので、10年後、20年後にはまたまったく違う研究結果が出ることもあり得るでしょう。

だから、こうした研究本を読んで、「あれが体にいい」「これは体に悪い」とあまり神経質になりすぎる必要はないと思うのです。

 

ただ、ここからがこのエントリーの本題ですが、気にしすぎる必要がないからと言って、まったく気にしなくていいというわけでもないのです。

 

人間というのは油断しているとすぐに低きに流れます。

つまり、楽なほうにいってしまうということですね。

健康のことを考えず、自分の好きなものを好きなだけ食べるのが楽です。

食品添加物や栄養バランスのことなど考えず、ジャンクフードや濃い味付けのもの、甘いものばかり腹一杯になるまで食べるのが、何も考えなくて楽です。

しかしやはり、そういう食生活をしているとパフォーマンスが落ちたり、病気になりやすくなるのは間違いないでしょう。

 

だから私が思うのは、健康本を読むときは、個別の情報が正しい・そのとおりにしなければならないと鵜呑みにするのではなく、自分の食生活などを考え直す契機として読んだほうがいいのではないか、ということです。

そのように考えると、じつはどの健康本を読むかというのは大した問題ではない、ともいえます。

 

実際、本書がほかの健康本と比べていいか悪いかということは、私にはわかりません。

ただ、この本の良いところは、具体的なエビデンスを掲げて「これこそが正しいのです」と説得力を持って書いてくれているところです。

本当に悪いのかどうかは別にしても「白米は体に悪いから少しでも食べちゃダメ」と言われると、「そうなのかな……」と私なんかは思ってしまいます。

だから私は、とりあえず当面の間は、白米は食べるのはやめようと思いました。

 

自分を省みる契機にするために読む、という意味では、これはいわゆる自己啓発本とかビジネスハウツー本も同じかもしれません。

じつはどの本を読むのかは重要ではないと思うのです。

なんか仕事に対してやる気が起きなかったり、だらけてるなぁと感じたときに読む。

そうすると、ちょっと頑張んなきゃな、という意識になります。

たぶん、本というメディアが持つ役割は、単に情報を提供する以上に、そういう意味があるんだろうなと。

 

後記

映画『アナと雪の女王2』を観ました。

 

 

トイ・ストーリー3』や『トイ・ストーリー4』を観たときも思ったのですが、昨今は子ども向けのアニメでも「不可逆的なシナリオ」が多くなっていますね。

『天気の子』を観たときにも思ったのですが、はたしてハッピーエンドというのは「元の状態に戻る」ことを指すのか、ということです。

多くの物語では「平和な世界に悪者が現れた。悪者を倒した。世界がもとに戻った。これでハッピー」というシナリオが多かったと思いますが、いまはそうではないということです。

 

現在進行系で起きているコロナ禍で、落合陽一さんなんかは「アフターコロナというよりウィズコロナ」ということをおっしゃっていました。

note.com

 

「アフターコロナ」というと、コロナが収束したあと、あたかもコロナ以前の生活がそのまま戻ってくるような印象を受けますが、実際はそうではなく、私たちはこれから新型コロナウイルスのような大規模感染症のリスクを織り込んだ社会のなかでいきていかなければならない、ということです。

たとえば、いまや都内のコンビニエンスストアではレジの前に透明なフィルムがぶらさがっています。

このフィルムは、おそらくはコロナが落ち着いてもそのままになるでしょう。

リモートワークやリモート会議、リモートミーティングも、手段の一つとして恒常化すると思います。

「歴史は繰り返す」といいますが、たしかに個別の事象が繰り返すことがあったとしても、「もとに戻る」ということは、それこそ人類が絶滅して文明が完全にリセットでもされない限りありえないわけです。

 

だいぶ話が脱線しましたが、『アナと雪の女王2』も、そんな感じでした。

ちょっとネタバレしてしまうので、未視聴の人は気をつけてください。

 

 

 

 

 

 

 

ここからネタバレです。

物語のラストで、アナとエルサは分かれて暮らすことになります。

姉妹で仲良くお城で暮らす生活が終りを迎えるわけです。

でも、そうした状況をアナもエルサも前向きに受け止めます。

変わることは決して悪いことではないからです。

 

コンテンツの商業的な側面から考えれば、ドラえもんとかクレヨンしんちゃんみたいに永続的に続けられたほうがいいんでしょうが、ディズニーはそうしないということですね。

でもその意味でも、すごく現代っぽい作品だなぁと改めて感じました。

 

今回はこんなところで。

それでは、お粗末さまでした。

FINAL FANTASY XVの残念なシナリオはどうすればよかったのか

GWで「FINAL FANTASY XV」をクリアしました。

 

 

端的に言えば

「システムはおもしろい。世界観もいい。キャラクターは微妙。シナリオはクソ」

なゲームでしたね。

 

大雑把な物語としては、ルシスという国の王子様・ノクティスが、他国のお姫様との結婚式のためにボディガード兼友人の3人のお供と一緒に高級車に乗ってでかけ、なぜかモンスター共をなぎ倒していく物語です。

ただし、旅を始めた割と冒頭のところで、ルシスは停戦中だったニフルハイム帝国の突然の侵略を受けます。

それによってルシスの父が死んでしまったため、ノクティスは自分が王になるために各地に点在する王の墓をめぐり「王家の力」を集めて帝国を倒すことが目的になりました。

 

ちなみに今回はゲームのシナリオ上のネタバレを含むかもしれないので、今後プレイするかもしれない人は気をつけてください。

 

バトルシステム

まずシステムです。

今回はターン制バトルではなく、アクションゲームとなっています。

オープンワールド形式で、フィールド上にいるモンスターと一定距離まで近づくとバトルになります。

敵の攻撃をガード(回避)しつつ、武器や魔法で攻撃を加えていきます。

本作のバトルで勝つために重要なのは「バックアタック(背面攻撃)」「ガード&パリィ(反撃)」、それとシフトです。

シフトは主人公だけが使える特殊能力みたいなもので、平たくいうと「瞬間移動」。

アクションゲームだけどそれほど複雑すぎるわけでもなく、適度な爽快感もあるので、バトル自体は楽しいです。

ただ、「演出面」では物足りないところもありました。

今回はリアリティを追求したのか、アクションゲームでよくあるド派手なエフェクトみたいなものがなく、仲間の必殺技っぽいものも正直、地味です。

このアクションゲームのようなバトルシステムの流れは「FFⅦリメイク」にも引き継がれていますね。

 

ファイナルファンタジーVII リメイク - PS4

ファイナルファンタジーVII リメイク - PS4

  • 発売日: 2020/04/10
  • メディア: Video Game
 

 

今回は「魔法」の扱いも特殊です。

本作では魔法は自分で精製してつくり、消費していくものになっています。

フィールドの各地に「ファイア」「ブリザド」「サンダー」の魔力供給源があり、そこで魔力をチャージしておいて、発動させます。

魔法はけっこう強力な攻撃手段なので、フル活用していきます。(ただし、魔法は自分や仲間もダメージを受けます)

 

ほかにも「キャンプや宿泊施設で泊まらないと経験値が精算されない」「料理で一時的なバフ効果が発生する」などなど、これまでのFFシリーズにはないシステムが用意されています。

FFに限らず、シリーズ物のゲームは新作になるたびに新しいシステムを導入していきますが、今回のバトルシステム・成長システムはなかなか楽しめました。

 

エストが多い

 

本作はサブクエストがめちゃくちゃ多いです。

モンスターの討伐依頼などをこなしていきます。

このゲーム、いろいろなところでけっこうお金が必要になるのですが、普通にモンスターを倒してもお金が手に入らないので、金を稼ぐ方法としては、このクエストの報奨金がメインになります。

メインクエストとサブクエストに分かれていて、メインクエストだけやっていると、多分びっくりするくらいすぐにエンディングになります。

その代わり、サブクエストはめちゃくちゃ多く、本筋とは関係ないダンジョンなども各地にあるので、その当たりをやり込んでいくとかなり時間がかかる感じ。

過去の作品と比べると、イメージ的にはFF12と近いですね。

 

ただし、物語が中盤に入り、別の大陸に移ると一気に自由度が低くなります。

というよりも、ほとんど寄り道的要素がなくなり、エンディングまで一本道になってしまいます。

とくに終盤、せっかく別の大陸に行ったんだからそっちもレガリアで自由に移動できるのかと思ったのですが、それができないのはちょっと残念なポイントでした。

あと、テネブラエというヴェネチアっぽい街も、なぜかやたら迷路になっていて、生きたいところになかなかいけません。

これもなかなかフラストレーションが溜まるところでした。

 

ホラゲ要素はやめてくれ

 

私はホラーゲームが苦手なので絶対やらないのですが、じつはFF15ではちょっとしたホラゲ要素がちょいちょい出てきます。

まず、ゲーム内では昼と夜の概念があり、夜になると強いモンスター(シガイ)がウヨウヨ出てきます。

しかも街を離れると本当に真っ暗で、頼りになるのは各キャラクターが胸に身に着けているランプだけ。

そのランプもてらせる範囲は非常に狭く、しかもシガイはなにもないところからいきなり出てくる仕様なので、けっこうびっくりします。

ただ、これも草原など開けたフィールドならまだいいのですが、問題はダンジョン。

暗くて狭い通路を進んでいくわけですが、急にゴブリンやらインプやらに囲まれたりするのでかなりびっくりしてしまいます。

そのうえ、狭いところはキャラクター視点になり、あからさまにプレイヤードを驚かせるような演出もあります。

これは勘弁していただきたかった……。

 

極めつけは終盤、帝国内部に入っていくところです。

ここで、主人公は仲間たちと離れ離れになって単独行動を余儀なくされます。

しかも、武器をまともに使えなくなってしまうのです。

暗くて狭い通路をたった一人で、しかもろくに戦えない状態で進まざるを得ないというのは、心臓によくありません。

(いちおう、この部分では救済措置として別ルートもあります)

 

まさかFFでこんなに怖い思いをするとは……。

これも新しい取組の一環だと思うのですが、これは本当にこのゲームでいちばん嫌なところでした。そういうのはFFに求めてない。。。

 

世界観は嫌いじゃない

 

さて、そのようにホラゲ要素があるわけですが、全般的に世界観は悪くありません。

アメリカの片田舎を彷彿とさせるどこか寂れたガソリンスタンドとか、かと思えばいかにもファンタジーっぽい神話がリアルに存在します。

たとえば巨大隕石を巨人タイタンが支えているとか、それがじつは星を守る神様だとか、神様と交信できる巫女の存在とか。

自動車や発電・送電施設はもちろん、ロボット系も発達していますね。

FF6のような魔導アーマーもあります。

もろもろ説明不足なところもあるので、普通にゲームをしていてもよくわからないところが多々ありますが、置いてけぼりにされるほどでもなく、FF13のように意味がわからない専門用語も抑えめになっているのではないかと。

 

ただ、本当に後半、自由度がなくなってニフルハイム帝国に潜入するときなどは、ほんとうにつまらなくなりました。

帝国というくらいだからさぞかし大きな街なんだろうと思いきや、なんだか狭くて暗い通路を進むだけで、帝国の人はまったくみかけない。

帝国のある大陸には鉄道が走っているけど、途中で停まる駅も移動範囲がものすごく狭くて人がぜんぜんいない。

 

 パーティーメンバー固定はやっぱりつまらない

RPGの醍醐味といえばキャラクターだと思うのですが、まず残念なのが、バトルメンバーがつねに固定されてしまうというところです。

リアリティを追求した以上、「一緒に旅をしているはずなのに、なぜかバトルに参加しないメンバーがいる」という不思議な状況が成立できないのでしょう。

よくよく考えれば、控えのメンバーはバトルのときになにをしているのか謎です。

もちろん、ゲストキャラクターはたまに入ってきたりしますが、「自分でパーティーを選んで組む」という楽しみはありません。

 

あとはどうしても「男臭い」「全体的に地味」というところも気になります。

主人公とメインメンバーが全員男だし、ファッションもあまり特色がありません(衣装は変えられるけど)。

これも現代っぽいリアリティを追求した結果だと思うのですが、たとえばコル将軍とかも、モブキャラクターとほとんど変わらない外見をしているので、なんだかぜんぜん印象に残らないというか、「コル将軍って、だれだっけ?」となります。

 

これに関しては悪役の帝国のほうがそれっぽい格好をしているのですが、帝国は帝国でいろいろ残念なところがあります。

まず、ゲームの最初の方で帝国の幹部っぽい人たちが集結するムービーがあるのですが、本編ではそのムービーにしか登場しないキャラクターもいて、「あの人は一体どこに行ったんだ?」と疑問符が浮かびます。

いろいろ調べてみるとそれぞれの人達のドラマがあるようなのですが、これは本編だけをプレイしていてもわからないことのようで、そういうところは不親切ですね。

 

シナリオが残念すぎる

さて問題のシナリオなのですが、私はラスボスにがっかりしてしまいました。

結果的に言えば、ノクティスたちは最初から最後までラスボスに踊らされていたというわけなのですが、その動機があまりにも陳腐というか、幼稚というか、つまらない理由なわけなのです。

ただまあそれは百歩譲っていいとしても、終盤に入っていろいろ引き伸ばされた割にはやたらアッサリとラスボス戦が終わってしまった印象があります。

個人的な思いとしては、FFだったら最後は「なんかわけがわからん異形の存在」と戦いたかったわけですが、なんか最後も地味に終わったなあという感じです。

 

これは「キングダムハーツ3」でも感じたのですが、とにかく終盤のシナリオがひどすぎてがっかりします。

せっかくシガイの設定とかちょっとSFっぽい感じがしてよかったのに、それをまったく生かさずにサラッと終わらせた感じ。

 

他にも薄っぺらさが随所にあります。

仲間の一人グラディオスがいきなりいなくなるイベントがあり、ちょっとすると戻ってくるのですが、なぜいなくなったのかなどはまったく不明(これは追加エピソードでわかった模様です)。

本作のヒロインであるルナフレーナとも直接的な関わりがなく、ムービーの中でしか出てこないので、まったくルナフレーナにもノクティスにも感情移入できず、おそらく中盤の一大イベンだったであろう「あの出来事」に関しても「あっそう」としか思えませんでした。

それと後半、仲間内で喧嘩をする場面もあるのですが、ここがやたらにリアルで本当にギスギスしているのでやっているのがストレスになります。

とにかく、すべての出来事がプレーヤーにとっては「唐突」すぎて、なぜそうなったのかよく理解できないまま物事が進んでいきます。

あと、暗い。

このゲーム、なんかいい感じに感傷的に終わらせてはいますが、なかなか悲劇的な結末になっています。

 

FF15の最大の問題は「3つのテーマのぶつかり合い」

というわけで最初に戻りますが、このゲームは

「システムはおもしろい。世界観もいい。キャラクターは微妙。シナリオはクソ」

でした。

せっかくバトルシステムはいいし、きれいなグラフィックと壮大な世界観、設定もよかったのに、シナリオが後半になると駆け足になりすぎていました。

 

テーマソングに「スタンド・バイ・ミー」を使っているところからも、「仲間たちとの楽しかった旅の思い出」と比べながら最後の最後にギャップを感じてほしいという狙いがあるのかと思います。

 

スタンド・バイ・ミー  (字幕版)   

スタンド・バイ・ミー (字幕版)   

  • 発売日: 2016/03/18
  • メディア: Prime Video
 

 

映画「スタンド・バイ・ミー」も、やはり4人の少年が旅に出るという物語で、最後はちょっと悲し目な感じで終わります。

だからこのゲームの最大のポイントは「4人の友情」にあると思うのですが、それにしてはズレたところが多かった。

 

たとえば、ストーリーコピーは

「父と子。そして王の物語。」

となっていて、ノクティスと父王の関係性に焦点が当てられています。

しかし、ロゴマークで使われているのはヒロインのルナフレーナであり、ストーリーをクリアするとそこにノクティスが寄り添うものに変わります。

つまり、ここではノクティスとルナフレーナの純愛をプッシュしているわけです。

でも、メインテーマは4人の友情……。

この「父と子の物語」「男女の恋物語」「4人の友情物語」という3つの柱がせめぎあい、どれも「自分が一番のテーマだ」と押し合いへし合いしているのです。

だから結局、このゲームは何を伝えたかったのか、焦点がぼやけてしまった。

 

私が思うに、このゲームはやはり「4人の友情」をもっと全面に押し出すべきで、それ以外の恋愛とか親子要素はオマケ的にするべきだったのではないかと。

ラスボスにしても、最後はやっぱり4人で力を合わせて倒すということが大事だったのではないかと思うのです。

ここのところで一本筋が通っていれば「パーティは男4人で固定」という設定にも意味が見出せました。

 

いろいろ挑戦的なところは評価できるし、予算とか時間とかの都合もあったんだろうけれど、やっぱりやらんでもいいゲームではありましたね。

『13歳からのアート思考』(末永幸歩・著)のレビュー

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私が美術館に行くようになったのは大学生になってからのことだったと思います。

というより、積極的に読書をするようになったのもこのころで、人生のモラトリアムを「読書」「映画」「美術」「アニメ」「麻雀」で満たしていました。

私が好きなのはバロックからルネサンス、それとシュルレアリスムあたり。

印象派や現代美術はちょっと良さがよくわからんと思っていました。

 

ただ、以前に紹介した『絵を見る技術』でも書いたとおり、絵の「好き嫌い」と絵の「良し悪し」は別物です。

 

ada-bana.hatenablog.com

 

絵画に限らず、「好き嫌い」と「良し悪し」を混同している人は多いと思います。

四象限マトリクスで説明すると、こういうことですね。

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読んだ本の感想を書いたりするときも、この四象限を参考にしてみると便利かもしれません。

好き嫌いの理由と、良し悪しの理由は別々にあるはずです。

 

さて今回紹介する本書『13歳からのアート思考』は、タイトルからも伝わるように、どちらかというとアートを通じてこれからの世の中を生きていくのに役立つ「思考法」を伝えることを目的とした一冊です。

 

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

  • 作者:末永 幸歩
  • 発売日: 2020/02/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

「美術」へのこうした苦手意識は、どこから生まれるのでしょう?

じつのところ、これには明確な"分岐点"があるのではないか、という仮説を私は持っています。

その分岐点とは、本書のタイトルにもある「13歳」です。

(中略)

私が一教員として学校教育の実態を見てきたかぎりでは、絵を描いたりものをつくったりする「技術」と、過去に生み出された芸術作品についての「知識」に重点を置いた授業が、いまだに大半を占めています。

「絵を描く」「ものをつくる」「アート作品の知識を得る」――こうした授業スタイルは、一見するとみなさんの創造性を育んでくれそうなものですが、じつのところ、これらはかえって個人の創造性を奪っていきます。

このような「技術・知識」偏重型の授業スタイルが、中学以降の「美術」に対する苦手意識の元凶ではないかというわけです。

 

まあたしかに思い起こしてみると、「美術の成績」ほど評価基準があやふやなものはありませんね。

ただ、現代ではアートを学ぶことの意義は大きい、と著者は主張します。

それは、テクノロジーの発達によって、人間は以前にもまして「自分で考える」必要がなくなっていったからです。

たとえばレストランを選ぶとき、ジャンルやエリアを入力すると、オススメのお店が一覧で出てきて、「他人のレビュー・評点」を参考にして決めます。

 

本もそうですね。

あまりにも出版されている本の数が多すぎるから、どれを読めばいいのかわからなくなります。

だから、人々は書店で大々的に展開されている本を読んだり、Amazonのレビュー数が多いもの、人気があって売れているものを読んだりします。

私も仕事で本を作るとき、営業部からよくいわれるのは「とにかく著名人の推薦コメントを載せられないか」ということです。

とくに著者の実績が少なく、SNSのフォロワーも少なかったりする場合、だれか他の人の「お墨付き」が必須になりつつあるのです。

実際本書でも、著者の末永さんは出版の実績があまりなく、知名度が高い人ではありません。

そのため、出版社の判断として、ビジネス書をよく読む人なら名前を知っているだろう「藤原和博」さんや「山口周」さんの推薦コメントをオビに載せたりしているのだと思います。

 

藤原和博の必ず食える1%の人になる方法

藤原和博の必ず食える1%の人になる方法

 

 

ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式

ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式

  • 作者:山口 周
  • 発売日: 2019/07/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

この本の場合は、佐宗邦威さんの解説までついてますね。

 

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

  • 作者:佐宗 邦威
  • 発売日: 2019/03/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

ただ、これらの他者による評価は先程の「好き嫌い・良し悪し」四象限にはまったく関わってこないものです。

「好き嫌い・良し悪し」を決めるのはあくまでもその人自身であり、そのためには自分で考えることが必要になります。

本書の著者によれば、そのために必要なのがアートであり、アート的な思考である、ということです。

 

ただ、私としてはそんな小難しいことを考えながら読まずとも、純粋に「現代アートがよくわかる本」として読めば十分なのではないか、と思います。

本書で取り上げているのは、アートの立ち位置が決定的に変わった〈あるイノベーション〉以降の芸術家たちの作品です。

 

具体的には

アンリ・マティスの「緑のすじのあるマティス婦人の肖像」

f:id:Ada_bana:20200421102147j:plain

https://www.musey.net/5737より

ピカソの「アビニヨンの娘たち

f:id:Ada_bana:20200421102255j:plain

http://www.artmuseum.jpn.org/mu_avinyon.htmlより

ワシリー・カンディンスキーの「コンポジションⅦ」

f:id:Ada_bana:20200421102614j:plain

https://www.musey.net/828より

 

マルセル・デュシャンの「泉」

f:id:Ada_bana:20200421102746j:plain

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%89_(%E3%83%87%E3%83%A5%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%B3)より

ジャクソン・ポロックの「ナンバー1A」

f:id:Ada_bana:20200421102851j:plain

https://www.musey.net/6723より

 

たとえばカンディンスキーの「コンポジションⅦ」とポロックの「ナンバー1A」なんて、なにがどう違うのか意味がわかりませんよね。

でも、この2つは目的が明確に違うのです。

それが、本書を読めばわかります。

私はとくにポロックの「ナンバー1A」の説明を読んだとき、なるほどポロックはこの絵によってアートというものの概念の壁をさらに一つ打ち破ったのだと目から鱗が落ちました。

 

タイトルでは「13歳からの」と銘打っていますが、どちらかというと大人向けですね。

大変刺激な一冊でした。

 

後記

いまさらながら「FINAL FANTASY XVファイナルファンタジー15)」をクリアしました

 

 

ここで感想を書こうかと思ったのですが、書いているうちにすんごく長くなってしまったので、これはまた別の記事にします。

 

というわけで、今回はこんなところで。

それでは、お粗末さまでした。