本で死ぬ ver2.0

基本的には本の話。でもたまに別の話。

本を読んだらこれをやろう ~『アウトプット大全』のレビュー

f:id:Ada_bana:20190506005556j:plain


このブログは基本的に私が読んだ本のことについて書いているので、本を読む習慣のある人が読者の大半(というかほとんど)を占めると思う。

 

もくじ

 

本を読むのはいろいろな目的があるし、単に娯楽の1つとして本を読むのはそれはそれであっていい。

ただ、いわゆるビジネス書や実用書というのは、それそのものを楽しむというよりも、その本から何かを得て、自らを成長させる目的があるはずだ。

もしそうであるなら、ただ「本を読む」だけでは不十分かもしれない。

そんなことを伝えるのがこの1冊。

 

樺沢紫苑とは何者か

学びを結果に変えるアウトプット大全 (Sanctuary books)

学びを結果に変えるアウトプット大全 (Sanctuary books)

 

 

著者は精神科医で、何冊も著作がある。

代表作の1つが、こちらだ。

 

読んだら忘れない読書術

読んだら忘れない読書術

 

 

この樺沢氏のすごいところは、精神科医として働きながら、毎月20冊の本を読み、メルマガを毎日発行し、FacebookYouTubeも毎日更新し、年間2~3冊の本を執筆し、セミナーや講演会も精力的に行っているところだ。

しかもそれでいて、基本的に18:00以降は働かず、月10本の映画も鑑賞し(スター・ウォーズが好き)、飲み会や海外旅行にも行っている。

 

著者によれば、このような働き方が実現できているのも、アウトプットとインプットのバランスを意識し、学びと成長のスピードを最高に効率化させているからだという。

本書で説明しているのは、そんな樺沢氏が実践しているアウトプットの全技法ということだ。

 

多くの人は「インプット偏重」

さて本書では「話す」「書く」「行動する」という3つの活動をメインに80のアウトプットの技術を伝えているわけだが、その細かい方法は本書を読んでもらうとして、ここではなぜ、そこまでアウトプットが大切だと主張するのかというところに焦点を絞って紹介していきたい。

 

まず単純な話として、多くの日本人はインプットに重点を置きすぎているということがある。

読書に限って言えば、本をたくさん読むばかりで、それをアウトプットする習慣が身についていないということだ。

アウトプットというのはちょっと難しく感じるが、要するに、本の感想を書いたり、人に話したりしていない…ということだと考えてもらえればいい。

 

インプットは3割でいい

じゃあ、インプットとアウトプットの割合はどのくらいにすればいいのか。

 

大学生を対象に、勉強時間のうち「インプット」(教科書を読む)と「アウトプット」(問題を解く)をそれぞれどのように時間配分して勉強しているかを調べた研究によると、インプット対アウトプットの平均的な比率は7対3でした。

(中略)

一方、コロンビア大学の心理学者アーサー・ゲイツ博士が興味深い実験をしています。

小3から中2までの100人以上の子どもたちに、「紳士録」(人名年鑑)に書かれた人物プロフィールを覚えて暗唱するように指示しました。子どもたちに与えられた時間は9分間でしたが、そのうちの「覚える時間」(インプット時間)と「練習する時間」(アウトプット時間)の割合は、グループごとに異なる時間が指示されました。

最も高い結果を出したのは、約40%を「覚える時間」に費やしたグループでした。年長の生徒になると「覚える時間」が少なくて済むようになり、「覚える時間」に約30%の時間を費やしたグループが高得点をとりました。

アウトプット比率でいうと、初心者は6割、熟練者は7割の時間をアウトプットに振りわけるのが、効果的な勉強・学びの方法といえるのです。

 

もちろん個人差はあるだろうが、とにかくインプットに時間をかけるよりも、アウトプットに時間をかけたほうが結果が出る、ということだ。

 

文章は書く時間を決める

あとこれは私が個人的に参考になったところを2つ紹介する。

まずは、「文章を書く時間を決める」ということだ。

たとえばブログを書く場合、本書は「1記事30分で書く」というような目標を定めることが重要だと述べている。

たしかに私もこのブログを書く場合、けっこう書きすぎてしまうというか、下手すると1記事書くのに半日くらいを費やしてしまうこともある。

それが、更新頻度がなかなか高められないことにつながっているのだが、もうすこしスピードを意識して書くこともたしかに大切だなぁと思った。

(もちろん、じっくり時間をかけて書く記事もあるだろうが)

 

ただ、私も仕事で文章を書くためにわかるのだが、ゆっくり、じっくり、時間をかければいい文章がかけるのかというと、必ずしもそうではない。

それよりも、ちょっとシビアに時間を区切り、追い込まれるようにして一気呵成に書き上げてしまったほうがいいときもある。

というわけで、これを参考にしつつ、私も最近ちょっと更新頻度が落ちがちだったこのブログを加速させていきたいと考えている。

 

Google日本語入力を使おう

あともう1つがこれだ。

私はとくに考えずに変換ソフトにマイクロソフトIMEを使っていた。

しかし、この変換ソフトはたしかに語彙も少ないし、新しい言葉に対応していない。要するに学習能力が低い。

それを、本書で紹介されていたGoogle日本語入力に変えたところ、圧倒的に変換速度が向上して、スムーズに文章を打ち込めるようになった。

これは本当に、今日、いますぐに使えるテクニックだ。

www.google.co.jp

 

あとは、単語登録やショートカットキーの使い方など、けっこう実用的な小技も乗っているのが嬉しい。

 

読書メーターのレビューのコツ

 

私が本当にもったいないと思うのは、本を一生懸命読んでいるのに、どこにも感想を書いていない人が一定多数いるということだ。

私は基本的に読んだ本はほとんど読書メーターというサイトで簡単にレビューを書くようにして、さらにもっとたくさん書きたい本についてはこちらのブログで書くようにしている。

bookmeter.com

 

読書メーターでレビューを書くときに気をつけているのは、できるだけ、文字数制限いっぱいまで書くということだ。

読書メーターではそもそも250文字以上、レビューを書き込むことができない仕様になっている。

少ないものもあるし、ぶっちゃけ、そんなに面白くなかった場合にはそんなに書くことがないこともあるが、基本的には200文字くらいは書くように意識している。

 

ポイントは、読み終わったらできるだけすぐに読書メーターに投稿してしまうことだ。

読み終えてから時間が経てば立つほど、当たり前だけど内容を忘れてしまうので、書くことがなくなってしまう。

 

何を書けばいいのかというのは、あまり考えなくてもいいと思う。

とにかく大切なのは、文字数制限まで書くことだ。

同じような内容の繰り返しになっていてもまったく問題はない。

 

あ、あとちなみに、過去の記事でほんのレビューの書き方に関して私なりの考えとハウツーをまとめた記事もあるので、こちらを読んでもらえれば幸いだ。

 

ada-bana.hatenablog.com

 

とはいえ、このあいだ書いた「メモの魔力」のレビュー記事でも書いたが、あまり細かいやり方にこだわっていると続かない。

やり方はひとそれぞれ、一番続けられる方法があるはずなので、まずは数をこなしてやってみるということが結局、大事なんじゃないだろうか。

 

学びを結果に変えるアウトプット大全 (Sanctuary books)

学びを結果に変えるアウトプット大全 (Sanctuary books)

 

 

後記

かれこれ十数年、東京に住んでいるが、このあいだ、初めて浅草に行った。

テレビとかでよく見る雷門とか、浅草寺前の仲見世通りとかを実物で見てみるのはなかなか感慨深いものがある。

 

もちろんお参りもしてきたのが、はて、そもそも浅草寺というのはいったい何を祀っているいるものなのか、よくわからないうちにお参りをしてしまったので調べてみた。

 

公式サイトによると、本尊は聖観世音菩薩で、いわゆる観音菩薩とよばれるやつ。

菩薩というのは、仏様になるために修行をしている最中の人のことで、いわゆる如来よりも位は低い。

ただ、修行中とはいえ、現世で迷っている私達をいろいろ救ってくれるらしい。

 

ちなみに、浅草寺の建立の由来はなかなか面白くて、隅田川の漁師兄弟が漁の最中にたまたま仏像が網にかかったんだけど、仏像だとわからなかった兄弟はそれを川に投げ捨てた。

しかし、波を投じるたびに同じものが網にかかるので、しかたなく持ち帰って偉い人に見せてみたら、「これはすごい仏様の像やで!」ということがわかったので、お祀りすることにしたらしい。

 

なお、おみくじを引いたら大吉が出た。

とにかくすべてがうまくいく、とのこと。

何度投げ捨てられても拾われる由来や、そんな由来を知らないまま願い事をしていた不届き者にも大吉を授けてくれるあたり、浅草寺の菩薩様は大変心を広いと思われるので、やはり一度はお参りして、しっかりお賽銭を投じたほうがいいのではないかと布教してみる。

(ただし、浅草寺のおみくじは全国の寺社のものに比べると凶が多いらしい)

 

今回はこんなところで。

それでは、お粗末さまでした。