本で死ぬ

基本的には本の話。でもたまに別の話。

どんな人でも説得力を持った話ができるフレームワーク ~『1分で話せ』のレビュー

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基本的に、「話は短く、文章も短く」というのが、人に何かを伝えるときの基本だ。

 

もくじ

 

これは近年、とくにその傾向が強まってきている。

その背景にあるのは、おそらくSNSの普及だろう。

 
多くの人は本を読むよりもツイッターやブログを読んでいる。
長い文章に触れる機会がない。
 
そのこと自体の良し悪しは別として、「人々の行動はそうなっているんだ」という事実を受け止めると、その環境において人々に届くように伝えるには、短くするしかない。
 

『1分で話せ』

 
ということで、今日紹介するのはこの一冊。
発売後から売れ行き好調な「話し方」のハウツー本だ。
 
とはいっても雑談とかではなく、スピーチ、プレゼン、朝礼、会議など、自分の意見・主張を相手に納得させるシーンで役立つことを想定している。
 

本書では、まず初っ端から読者にこの事実を突きつける。
 

人はあなたの話の80%は聞いていない
 

まあ、80%という数字がどのくらい厳密なものかは置いておいて、たしかに、人は思っている以上に相手の話を聞いていない。
 
日常会話では実感できると思うが、みんな真剣に話を聞いているように見えるビジネスシーンでもこのことは変わらない。
 
だから、1分で自分の主張を論理的に話すことが必要だというのが本書のメインメッセージである。
 

結論があいまいなまま話をしている 


さて、ではなぜ人は話を短くまとめられないのか?
 
その理由は「着地点を自分でわかっていない」ということがある。
 
自分の一連の発言を通じて、相手になにを伝えたいのか、が自分の中で明確になっていない。
 
だから、必要のない話が続いたり、根拠ばかり並べたりして、なかなか結論にたどり着かない。
 
企画を通す場合などにおいて、「こういう企画です」ということと「これは売れます」ということと、どちらが結論なんだ?と思われませんか?
正解は「これは売れます」が結論です。
もっといえば、「これは売れます。だからやりましょう」が結論です。
結論とは、相手に動いてほしい方向を表したものです。
「こういう企画です」という言葉は、方向を表していません。いいのか悪いのか、好きなのか嫌いなのか、売れるか売れないか、わかりません。
「売れます(だからやりましょう)」には方向があります。売れるか、売れないかという選択肢がある中で、「売れます」と言っています。
プレゼンは相手に「動いてもらう」ために行うもの。だから、どちらに向かうのか、動いてもらう「方向」を出すのが結論です。
 

ロジカルなように見えるもの


さてさて、結論がわかったら、次はその結論に説得力を持たせるための「根拠」が必要になる。
 
しかしこれもクセモノで、多くの人は、じつは「根拠」をわかっていない。
 
どういうことかというと、理由と結論がロジカルにつながっていない、と著者は主張する。
 
たとえば
 
「私はこの会社が好きです。業績がいいから」
 
という言い方は、一見するとおかしなところはなさそうだが、ロジカルではない。
 
なぜなら、ここには「ロジック」が隠れているからだ。
つまり、
 
会社の業績がいい
(給料が高い)
この会社が好きだ

 

というつながりがあるのに、意図的に(もしくは無意識に)中間をすっ飛ばしているから、聞いている相手には「なんか、わかるようなわからないような話だな」という感想を抱かせてしまうのである。
 
これはけっこうよくあるミスで、こういうときはロジックを細分化していくしかない。
風が吹けば桶屋が儲かる」的な感じで、ひとつずつ関係性を明確にしていけば、相手にとってもわかりやすくなる。
 

左脳だけじゃなく右脳にも働きかける


この本のいいところは、ここまで述べてきたようなロジカル(左脳的)な話し方だけではなく、エモーショナル(右脳的)な部分にも言及している点だ。
 
よく言われることなんだけど、ロジカルに話せば相手が納得してくれるわけではない。
 
むしろ、ガチガチに理詰めで説得されると、かえって反発したくなるのが人間の心理だ。
 
ということで、自分の主張を通すためには、ロジカルシンキングだけではなく、相手の感情も動かす方法を知っておかないといけない。
 
そこで重要になるのが「イメージ」の力を活用することだ。
 
いろいろやり方はあるが「たとえば~」が使いやすい。
 

相手に伝わる話し方のフレーム

 
すなわち、1分で相手を変える方法というのは
 
主張(Point)
 
↓なぜなら
 
根拠(Reason)
 
↓たとえば
 
例示(Example)
 
 
主張(Point)

というのがひとつのテンプレートであるといっても過言ではない。
これはPREPというフレームワークというようだ。
 
本書では具体的かつ詳細に書いてあるのでぜひ読んでほしいが、最低限、このフォーマットにしたがって話をすれば、相手に「なにをいっているのかわからん」といわれることはなくなるはず。
 
この本自体も非常にロジカルで、楽しんで読めた。

 

 

今日の一首

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38.

忘らるる 身をば思はず ちかひてし

人の命の をしくもあるかな

右近

 

現代語訳:

私のことを忘れることはどうとも思いません。

でも、(神仏に)誓ったあなたの命が罰を受けてしまうことが惜しまれます。

 

解説:

神仏に愛を誓ったのに、裏切った男性に向けて詠まれた一首。

直接「恨めしい」と相手の男性に向かうのではなく、「神仏の罰を受けるあなたがかわいそうだわ」と婉曲下言い方をしているのがまた怖い。

ただし、読み手の右近も恋多き女性だった模様。だからこそ、自分を振った相手にこんな言い方ができるのかも。

後記

最近テレビCMしている『猫のニャッホ』をインストールして最近はプレイしている。

 


イラストはかわいい。

ゲームとしては、要するに『キャンディークラッシュ』だ。

そこにゴッホをモチーフにした貧乏画家の猫をキャラクターとしてくっつけて、ストーリー仕立てにしている。

わりとパズルとしての難易度が高いけど、個人的に、こういうコツコツひとりで進められるゲームは好き。

 

今回はこんなところで。

それでは、お粗末様でした。