本で死ぬ

基本的には本の話。でもたまに別の話。

タイトルがアレ~『マーチ博士の四人の息子』のレビュー~

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なんだかんだミステリーが好きだ。

 

もくじ

 

ミステリーを読んでいるといろいろ考える。

 

「犯人はこいつだろう」「いや意外性でいえばこいつが怪しい」「まさか叙述トリックじゃないよな?」「あーたぶんあれが伏線だな」

 

などとつねに考えながら読むと思う。人によってはそれがしんどくてミステリーが苦手だという人もいるが、やっぱりそれがミステリーの醍醐味だと私は思うのだ。

 

マーチ博士の4人の息子

 

で、今回紹介する本は、まさに「誰が犯人なのか?(フーダニット)」を徹底的に読者に考えさせるように仕組まれている一冊だ。

 

マーチ博士の四人の息子 (ハヤカワ文庫HM)

マーチ博士の四人の息子 (ハヤカワ文庫HM)

 

 

あらすじ

 

小説の語り部は、マーチ博士の家でメイドとして働くジニー。彼女はある日、家の中で殺人者の日記を発見してしまう。日記には、過去のその人物が犯した殺人の様子が生々しく描かれている。しかもその殺人者は、マーチ博士の家で一緒に暮らしている4人の息子の誰かであるようだ。

ときおり日記を確認しながら、ジニーは殺人者がいったい誰なのか探り出す。しかし、殺人者も「自分の日記を誰かが読んでいるようだ」と気づき、ジニーその存在に近づいていく。

ジニーは殺人者に殺される前に、殺人者を究明できるのか?

 

というのがあらすじ。

 

問題はいたってシンプルで、「殺人者は誰だ」ということを、読者はジニーと一緒に考えていくことになる。

 

日記の対話でしか話が進まない

 

ただし面倒なのが、物語が、ジニーの手記と殺人者の日記が交互に繰り返されることでしか進展しないということだ。翻訳ものなので、文章にくどさもある。話の進展が遅くて、途中でだれてくる。

半分くらいのボリュームにまとめられていたらもうちょっと評価が高かったのになーというのが正直な感想だ。

似たようなものだと、『ルビンの壺が割れた』は近いかもしれない。こちらのほうが話がスムーズに進む。殺人は起きないけど、どんでん返しはある。

 

ルビンの壺が割れた

ルビンの壺が割れた

 

 

そして真相は、まあまあ。

ミステリー好きの人ならおそらく「その可能性」に気づくと思う。ただ、その可能性に気づいてしまうからこそ、自分の推測が正しいのかどうかをさらに確認したくなるのもまた真理なのだろう。

 

ひとつヒントを。

タイトルがすでにミスディレクションだ。(←いちおう空白にした)

 

今日の一首

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85.

夜もすがら もの思ふころは 明けやらで

閨の暇さへ つれなかりけり

俊恵法師

 

現代語訳:

 一晩中(あの人を)思っているこのごろは、なかなか夜も明けず

寝室の戸の隙間さえ、つれなく思われます。

 

解説:

ちょっと複雑だが、「思い人の男性が来ない → 夜がつらい → そんなつらい夜は早く明けてほしい → でもそういう夜ほど長い → 夜が明ければ光が差し込むはずの戸の隙間さえつれない」という心情の構造。なお、著者は男性で、あくまで「待っている女性の心情はこんなだろうなあ」という想像で詠んだものと思われる。

 

後記

最近これの実況動画を見ていた。

 

 

スウェーデンの会社が作ったホラーゲームなのだが、キャラクターデザインがティム・バートンの作品に似ていて、興味は持っていた。

が、私はホラーが死ぬほど苦手なので、自分ではとてもプレイする気にはならず、実況で見てみようと思ったわけだ。(どのくらいホラーが苦手かというと、動画ですら怖いからコメントの流れるニコニコ動画のほうをあえて見るくらい苦手)

どこかでコメントがあったと思うのだが、たしかに『千と千尋の神隠し』にも世界観は似ている。和服の女性も出てくるし。

海外のゲームは日本のRPGと比べるとめちゃくちゃ短い。だから、あまり時間をかけずに見切れるのがよろこばしい。早くベルセリアをクリアせねば。

 

今日はこんなところで。

それでは、お粗末さまでした。