本で死ぬ

基本的には本の話。でもたまに別の話。

ヨッピーさんの本をとりあえず酷評しよう!~『明日クビになっても大丈夫!』のレビュー~

今回紹介する本はこちら。

 

明日クビになっても大丈夫!

明日クビになっても大丈夫!

 

 

売れっ子Webライター・ヨッピーさんの初著書。

 

もくじ

 
私は以前からヨッピーさんの記事が好きだし、以前にどこかのイベントで挨拶して名刺交換もした覚えがある。(ふざけた写真がプリントしてある名刺も、たぶんどこかにある)

 

で、いよいよ著書が刊行されたということで、ワクワクしながらページを開いてみたのだが、最初の印象は

 

「ナニコレ?」

 

 

いろいろとひどい。

しかも悪い意味でひどい

 

レイアウトがひどい

 

何がひどいのかというと、おもにページのレイアウトがひどい。これは、本のページをスキャンしたものだ。

 

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一方こちらは、同じ時期に読んだ、最近売れているビジネス書『先延ばしは1冊のノートでなくなる』の1ページ。

 

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もう見ただけで「読みづらい」。なぜこんなに読みづらいのか、理由がいくつかある。

 

読みにくい理由

 

・全部ゴシック体(普通の実用書の場合、普通の文章を明朝・強調したい部分や見出しをゴシックにする)

・本文の強調箇所より小見出しのほうが級数が小さい(普通、文字の大きさは「見出し > 小見出し > 本文の強調箇所 > 本文」がセオリー)

・余白が少ない(小口やノドが狭いし、改行や一行空けが少ない)

 

もちろん、小説とか専門書の場合はけっこう凝ったレイアウトにしているケースが多いが、本書のように一般向けの本でこれだけ基本を外すのも珍しい。

 

 

 

 


このレイアウトはなにか意図があるのか?


出版元は幻冬舎だし、ブックデザインを手がけているのも「鈴木成一デザイン室」という超ベテランデザイナーだ。つまり、私が指摘したようなレイアウトの見づらさなんか、私よりもよくわかっているはずである。

 

たとえば、こちらを見てほしい。

 

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これは幻冬舎で、鈴木成一デザイン室がブックデザインを手がけた『空気を読んではいけない』のページ。「パッと目に入る大きな見出し」「地の文は明朝&強調箇所はゴシック」「ゆったりとした空白」がとってあり、非常に読みやすいデザインだ。

 

であれば、本書のこのゴチャゴチャした見づらいレイアウトは、あえて意図的にこのように作った可能性が大きい。なにが考えられるのだろうか?

 

これは私の想像だが、鈴木成一デザイン室は、「著者のキャラクター」をレイアウトによって表現しているのかもしれない。著者のヨッピーさんは既存の常識にあまりとらわれず、なんにでもチャレンジしてみるライターだ。

であれば、この本も既存のスタイルにとらわれず、あえて普通の本がやらないレイアウトやデザインを積極的に取り入れ、その結果が不恰好で読みづらいものになってもかまわないという哲学にしたがって作られている可能性は考えられる。

 

真相はわからない。ただ、すげー読みにくい。

 

Kindle版を重視?

 

もうひとつの可能性として考えられるのは、「紙の本の売り上げをあまり期待していない」というものだ。

 

ヨッピーさんは有名人だが、それは「そこそこネットに詳しい人」にとっての話。一般人の知名度は低いし、ほかのビジネス書のような、一般サラリーマンが納得するようなキャリアや肩書きはない。

 

となると、本書は紙の本として売れる可能性があまりない。むしろ、売れるなら電子書籍だろう。それを考えると、本書が紙の本とkindle版を同時に発売し、しかもどちらも同じ価格に設定しているのもうなずける。

 

というわけで、kindle版のサンプルもダウンロードしてチェックしてみた。それがこちら。

 

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んー……まあ、紙の本よりは読みやすいけれど、もっとkindle版での読みやすさを重視するんだったら、思い切ってkindle版は横組み(横書き)にしてしまってよかったように思う。ちと古い記事だが、同じくネット界隈では有名なかさこさんも、次のようなことを書いていた。

 

 

草(w)も、やっぱり縦書きだと違和感がある。フォントをすべてゴシック体に統一したのも、ネット記事を意識したものかもしれないが(実際、このブログも全部ゴシック体だ)、縦書きなら明朝が読みやすいんじゃないかなと。


内容は「フツー」


デザインはひどいが、内容はフツーだった。いわゆる「好きなことを仕事にしなさい」系で、傾向的にはホリエモンとかキングコングの西野氏とかと同じ。まだ読んでいないが、やはり最近発売されてそこそこ売れているこちらの本と近い。

 

「好きなことだけやって生きていく」という提案

「好きなことだけやって生きていく」という提案

 

 

ただ、本書の違う部分は、その手段として「副業」を勧めている点。いきなりだっさらするのはリスクが高すぎるから、副業で安定と好きなことを両立させる生き方を提案している。

 

ちなみに、このテーマはけっこう長い歴史があり、ロングセラーだとこれもある。こちらもおもしろい

 

ずっとやりたかったことを、やりなさい。

ずっとやりたかったことを、やりなさい。

 

 

 

文章はおもしろい

 

最後に文章だけど、これは文句なくおもしろい。私はレイアウトを見てちょっと読む気力を失っていたが、読み始めると「引力」があり、ぐいぐい引き込まれる。オフザケも、普段のWeb記事ほどソリッドではないものの、適度に挟み込まれて、読者を飽きさせないよいアクセント。

あと、ヨッピーなのに「貴方」とか「何故」とか「出来るはずだ」とか、よくわからない部分でヘンに漢字を使っていたり、Web記事では読めないシカツメらしい文章が逆に笑えたりする。

 

総合評価

 

というわけで、本書は

 

レイアウト:クソ

内容:フツー

文章:オモシロイ

 

というのが最終的な評価。ただ、この内容で本体価格1400円を出すのはちょっと釣り合わないかな、というのが私の率直な感想(ちなみに『先延ばしは1冊のノートでなくなる』は本体価格1300円)。これだったら、ネットで無料で読めるヨッピーさんの記事を読んだほうがよほど楽しくてタメになる。

 

とりあえずファンが多いのでAmazonでは売れるだろうが、その熱があまり一般には広まらないだろうなぁ、と。もう少しタイトルは別のものにしても良かったかもしれない。

 

今日の一首

 

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54.

忘れじの 行末までは かたければ

今日を限りの 命ともがな

儀同三司母

 

現代語訳:

「忘れないよ」という(あなたの言葉)も、将来までは続かないでしょう。

(だったら)今日限りの命であったらいいのにな

 

解説:

著者が藤原道隆と結婚したころに詠んだ歌。男が約束してくれたことにうれしさを感じつつも、それが永遠に続かないことを不安に思い、心情を吐露している。

 

後記

ミスドの今年のハロウィーン限定商品が可愛かったので、思わず買ってインスタにあげてしまった。

 

 

「わかってるなー、ミスド」と思ったのは、ちゃんとドーナッツに紙のケースをつけて、テーブルの上で自立させられるようにしている部分。これにより、よい写真が撮れた。

 

ドーナッツと言えば、こちらの映画。

 

 

そのまんま、ドーナッツが人を襲うパニック映画だ。バカバカしいのだが、嫌いじゃない。あと、最近買おうか悩んでいるのがこの本。

 

失われたドーナツの穴を求めて

失われたドーナツの穴を求めて

  • 作者: 芝垣亮介,奥田太郎,北尾崇:デザイン
  • 出版社/メーカー: さいはて社
  • 発売日: 2017/07/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 

これ、画像だとまったくわからないのだが、右上の丸の部分は全ページくりぬかれているので、タイトルの通り「穴」になっている。かなりこだわりを感じるのだが、ちょっとお高めなので悩んでいる。。

 

 

明日クビになっても大丈夫! (幻冬舎単行本)

明日クビになっても大丈夫! (幻冬舎単行本)

 

 

 

今回はこんなところで。

それでは、お粗末さまでした。