本で死ぬ

基本的には本の話。でもたまに別の話。

『スクラップ・アンド・ビルド』のレビューを書いていたらいつの間にか筋トレの話になった

今回紹介する本はこちら。

 

スクラップ・アンド・ビルド

スクラップ・アンド・ビルド

 

 
ピース又吉直樹氏の『火花』と一緒に芥川賞を受賞した作品。著者の羽田圭介氏は一時期テレビに出まくっていたが、最近は見ない。「はた・けいすけ」ではなく「はだ・けいすけ」が正しい読み方。

 

もくじ

 

 

あらすじ

28歳の健斗は会社を辞め、実家で行政書士の勉強をしている。一緒に暮らすのは母親と要介護の祖父。ことあるごとに「死にたい」と口にする祖父を見て、健斗は「祖父の願いをかなえてあげよう」と考え、できるだけ苦しまない安楽死の方法を模索する。

彼がたどり着いた方法は「生活のあらゆる面で過剰な介護をし、自分で何もできなくする」こと。その方法を実行に移していく健斗は、反対に自分は筋トレを開始。祖父とは逆に自分の筋肉を痛めつけていくにつれ、自分の中で気力すら変異かしていくのを感じるのだった。

 
タイトルのスクラップ・アンド・ビルドは、意訳すると「破壊と再生」。ご存知の通り、筋肉は一度破壊されると、さらに強い筋肉を作るようにがんばってくれる。逆に、筋肉に負荷をかけない生活を続けると、どんどんその筋肉は衰えていく。宇宙飛行士が無重力空間から地上に戻ると歩けなくなるのと同様だ。羽田氏は高校時代、毎日40キロも走ったり、トレーニングしていたらしい。おそらく、もともと体を動かしたり鍛えたりすることが好きなんだろう。

 

老人問題をテーマにしているのに、暗くない


さて、老人問題や介護問題をテーマにすると作品全体が重苦しくなりがちだ。しかし、本作の場合、そこに「安楽死させるためにしっかり介護を行う」という、一見すると手段と目的が矛盾するような主人公の行動のコミカルさがある。そのうえ、そうした一般的な倫理観とはズレがある自らの決定を淡々と実行に移していく主人公のシニカルさもある。

 

世間的な倫理観にどっぷり使っている人は嫌悪感を抱くかもしれないけど、こういう文芸作品を読む人はもともと世間的な価値観からズレている人が多いだろうから、そこまで拒否反応を起こさないんじゃないかとは思うが、一方で羽田さんはテレビにもよく出て本書の宣伝もしていたから、気軽な気持ちで読むといやな気持ちになる人もいるかもしれないなとも思った。

 

あと、主人公が無職で資格試験の勉強も転職活動もうまくいかないという、いかにもふさぎこんでしまいそうな状況ながら、付き合っている「中の中」の彼女と定期的にセックスをして、筋力トレーニングに励む姿からはあまり悲惨さが感じられない。それは祖父に対する行動と合わせて、主人公の感性が一般からズレている証左だが、だからこそ、「老人」「介護」「失業」といった重苦しくなりがちなテーマにあふれている作品でありながら、それをあまり感じさせない軽やかさを身にまとっている。

 

ここについては賛否が分かれるかもしれない。その異常性に嫌悪感を抱く人もいるかもしれない。私はこの軽やかさに助かったが。

 

それよりも筋トレだ 


個人的に気になったキーワードは「急降下」である。彼は自分の肉体を極限まで苛め抜くことに関心を抱くのだが、そこで出てくるのがこの言葉だ。

 

調べてみると、どうやらこれは腕立て伏せのバリエーションのひとつらしい。「急降下爆撃(Dive Bomber)」とも呼ぶようで、実際にやってみたが、かなりきつい。ただ、たしかにかなり胸の筋肉に効いた。

 

 

筋トレは精神にいい

 

実際、筋力トレーニングは精神衛生にもすこぶるいい。やる気がないときは腹筋、腕立て、ジョギングが一番効く。しっかり筋肉をつけたいなら「もうこれ以上は絶対無理!」というところまでやる必要があるが、そうでない場合、10回程度やるだけでもメンタル的な効果は見込めるだろう。

 

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筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方

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まずは自重筋トレから

 

もちろんジムに行けば高い負荷をかけたトレーニングもできるが、個人的には、肉体さえあればいつでもどこでもできるのが筋トレの強みだと思っているので、まずは「自重筋トレ」(自分の体の重みを利用した筋トレ)をマスターしたほうがいいのではないか。

 

自重筋トレ100の基本 (エイムック 2630)

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筋トレで大事なことをひとつ教えよう

 

ちなみに、筋トレで重要なのは「いま、どこの筋肉を鍛えているのか意識すること」である。これができているのといないのとでは、効果に雲泥の差が出る(らしい)。体の筋肉は細分化できて、それぞれ力の入れ方が異なる。

 

カラー図解 筋肉のしくみ・はたらき事典

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筋肉の使い方・鍛え方パーフェクト事典

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女性にもおススメ

 

もちろん、筋トレは女性にもおススメだ。ただし、私は女性の場合、あまりジョギングは勧めない。ランニングが肉体に与える衝撃は人々が思っている以上に大きく、バストサイズにも左右されるが、よほどちゃんとしたスポーツブラを着用してケアしないと、バストがたれたり形が崩れたりする恐れがあるからだ。

 

美人はキレイな筋肉でできている

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ちなみに、私は腹筋がバッキバキに割れた女性がけっこう好きだ。

 

早乙女選手、ひたかくす(1) (ビッグコミックス)

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筋トレをしよう。ついでに『スクラップ・アンド・ビルト』も読もう。

 

スクラップ・アンド・ビルド

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今日の一首

 

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88.

難波江の 芦のかり寝の ひと夜ゆゑ

身をつくしてや 恋ひわたるべき

皇嘉門院別当

 

現代語訳:

難波の入り江に生えている葦の刈り根の一節のような一夜の恋に身をささげて、

あなたに一生恋し続けるのでしょうか。

 

解説:

一夜の恋物語のようだが、これは詠み手の別当が経験したことではなく、単にお題で「旅の宿で出会う恋」が出されたので、旅の宿で遊ぶところもある難波の遊女の気持ちを想像して詠んだ歌。

刈り根は「仮寝」、一節(ひとよ)は「一夜」、身を尽くしは「澪標(みおつくし)」などなど、3つの掛詞を巧みに使用。そのうえ、澪標と「わたる(~し続ける)」は難波江の縁語でもある。

 

後記

ちなみに、私は会社のデスクにハンドグリップを常備している。原稿を読んで赤字を入れながらニギニギしている。前腕筋が鍛えられる。

 

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今回はこんなところで。

それでは、お粗末さまでした。