本で死ぬ ver2.0

基本的には本の話。でもたまに別の話。

映画4本のレビュー~『ゴーストバスターズ』『キング・オブ・エジプト』『シャッターアイランド』『リリーのすべて』

週末にまとめて4本、映画を見たので、ザザッとレビュー。

 

 

『ゴーストバスターズ』

 

 

古いヤツではなく、リブート作品のほう。リブートというのはリメイクとは違って、コンセプトだけ持ってきて再起動したもの。なので、メインの登場人物が女性に代わっているだけでなく、オリジナルのストーリーを踏襲しつつも、いろいろと物語の展開には工夫が加えられている

オリジナル作品があるものだとどうしても人々の目がオリジナルと比較するものになってしまうため、本作の世間的な評価も結構厳しめだが、個人的には悪くない作品だと思う。とくに、オリジナル作品ではメイン登場人物たちの人間的なつながりが希薄だったが、本作では主人公であるエリンとアビーの友情に焦点があてられていて、そこのところが最後の盛り上がりの一部になっている。

また、前作ではただビームを発射するだけだった武器・プロトンガンもいろいろ改良がくわえられ、バリエーションも豊富になったのが見ていて楽しい。

 

『キング・オブ・エジプト』

 

キング・オブ・エジプト(吹替版)
 

 

超古代、神様と人間が一緒に暮らしている架空のエジプト世界を舞台にした冒険ファンタジー。A級映画だと思ってみるといろいろ粗が目立つが、すごくカネをかけて作られたB級映画だと思ってみると、なかなか楽しめる。

ただ、TVCMやパッケージでも大々的に取り扱われていたスフィンクスが、実際に作品を見てみるとびっくりするほどしょぼい。そういうこけおどし感も、B級映画ならではという感じだ。ちなみに、声優さんには素人ばかりをふんだんに使っているので、できれば吹き替えではなく字幕のほうが、ストレスがなく見れると思う。

あとおもしろかったのは、人間と神様の描き分け。従来のファンタジーだと後光が差したり、なんか光ってたりするケースが多いが、本作の場合、神様はやたらでかい! 男性も女性も3メートルくらいありそうな感じがして、生物として全く別種であるような印象を受ける。こういう描き分けは案外なかったんじゃないだろうか。

とりあえずあんまり頭を使わず、気軽に観れる作品ではある。

 

『シャッターアイランド』

 

シャッター アイランド (字幕版)
 

 

「どんでん返しがすごい映画」で検索するとまず出てくる作品。じつは数年前に一度見ていたので、ストーリーはあらかた覚えていたのだが、それでもやはり見ていておもしろい。

あらすじとしては、犯罪を犯した重度の精神病患者を収容するシャッターアイランドの密室の独房からひとりの囚人が姿を消したため、彼女の行方を捜すために島を訪れた捜査官がいろいろ調べまわる物語である。

ただ、勘の鋭い人なら物語の途中からこのストーリーの構造自体は見抜けてしまうと思う。とはいえ、マーティン・スコセッシ監督の手によってとても丁寧に作りこまれている作品なので、最期のどんでん返しがわかっていても、それを前提で最初から映画を見ていると「あー、なるほどね!」と思えるようなシーンが多い

まだ見たことがない人は、見るべき。

 

『リリーのすべて』

 

リリーのすべて (字幕版)

リリーのすべて (字幕版)

 

 

画家をしている妻のモデルになるために女装し始めた夫が、次第に自分のなかにある女性性に目覚め、その本能にあらがえなくなる物語。

いわゆる性同一性障害(この言葉にも語弊があるが)をテーマにしたもので、リリーというのは夫のなかに目覚めた女性性の名前である。リリーを演じるのは、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』で主演を務めたエディ・レッドメイン。おちんちんが出てくるよ!

 

 

おもしろいっちゃおもしろいのだが、話の展開そのものにはそんなに意外性がないし、かといって派手な展開があるわけでもないので、全体的に地味な映画。つまり、個人的にはあまり好みじゃない。ただ、作中の冒頭で出てくる言葉「男は女に見つめられるのが苦手」というのは、なんとなくわかる気がする。

 

おわりに

 

とりあえず『夜は短し歩けよ乙女』が楽しみ。

 


今回はこんなところ。

それでは、お粗末さまでした。