本で死ぬ ver2.0

基本的には本の話。でもたまに別の話。

『彼女はろくろ首』のレビューほか~つり目の女の子って、いいよね……~

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この土日もひたすらスターウォーズ バトルフロントのマルチプレイをやっていた。

もくじ

そのおかげでランクも20になり、技術も上達してきたので、だんだん見知らぬ人をバシバシ撃ち殺したり爆殺できるようになった。やったね!

『彼女はろくろ首』のレビュー

しかし、さすがに1日10時間もやってると目も疲れるし頭痛もするので、新たなマンガも読んだ。こちら。

彼女はろくろ首(1) (講談社コミックス)

彼女はろくろ首(1) (講談社コミックス)

 

中身はタイトルの通り、ろくろ首の女子高生が主人公のラブコメである。しかし、得てしてこういうマンガは一発屋芸人のようになりやすい。シチュエーションが面白いので当初は話題になるのだが、肝心のストーリーがイマイチで、その後が続かないパターンだ。

本作も、ろくろ首がいることがごくごく普通の世界で、それはそれでシュールなわけだが、ストーリーはまあありがちな恋愛もの。ろくろ首だからこそのシナリオ要素はあまり見られない。適度にエロスをまぶしたり、はっちゃけたりしているので面白くないわけではないが、期待した以上のものではなかった。しかし、主人公・鹿井なつきちゃんはかわいい。終わり方の引きも強いので、そうはいいつつ、とりあえず2巻も出たら読んでみようと思う。

Pumpkin Scissors』も紹介

それからもう一作、こちら。

買ってはあったけど、読んでなかった。なぜかというとこのマンガ、年に1冊ペースでしか刊行しないので、どんな話だったかすっかり忘れてしまうのだ。しかも、ここ5~6冊くらいはずっと同じ事件の話だったので、2~3冊くらい遡って読まないと思い出せないのである。

しかし、やっぱり面白い。ジャンル的には異世界ミリタリーもの、だろうか。休戦を結んでいる共和国と帝国がある世界の、帝国側の軍人さんたちの物語。しかし、軍事はもちろんのこと、政治、哲学、技術論、文明論などかなり込み入ったテーマについてかなり深い洞察が加えられていて、刺激的だ。けっこう難解な内容なので、読むのに時間がかかるが、それでも読む価値はある。ただ、残念なのはカバーデザインがなんかださいところだ。アニメ化もしていたが、アニメはぶっちゃけいまいちだった。

今回はこのままの流れで、私のおススメコミック作品を紹介していこう。

コマの美しさを味わうファンタジー『宝石の国

宝石の国(1) (アフタヌーンKC)

宝石の国(1) (アフタヌーンKC)

 

もともとは『25時のバカンス』『虫と歌』など、短編集を出していた作者が始めた長編ファンタジー。『25時のバカンス』もかなりおもしろいのでおススメ。

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

 

あらすじはこんな感じ。

今から遠い未来、僕らは「宝石」になった。彼ら28人は、襲い掛かる月人に備えるべく、戦闘や医療などそれぞれの持ち場についていた。月人と戦うことを望みながら、何も役割を与えられていなかったフォスは、宝石たちを束ねる金剛先生から博物誌を編むように頼まれる。漫画界で最も美しい才能が描く、戦う宝石たちの物語。

afternoon.moae.jp

あんまり説明らしい説明がないので読み始めてしばらくは「ぽかーん」と置いてきぼりになりやすいが、独特のタッチで描かれるキラキラと輝く世界、バトル、そしてキャラクターたちが美しい。読み進めていると、だんだん世界観、どういう物語なのかがだんだんわかってくる。絶望感のないディストピア感もあって、でもなぜかアンニュイで、それもまた心地よい。いまのところ5巻まで出てる。

シュールで不思議な短編集『竜の学校は山の上』『竜のかわいい七つの子』『ひきだしにテラリウム』

いまやすっかり『ダンジョン飯』で知名度が上がった九井涼子さんの初期短編集3冊。ちなみに、『ダンジョン飯』は本屋さんに置いてあった試し読み小冊子だけ読んで、買ってない。人気が出ると買いたくなくなるのは私の悪い癖である。

こちらの3冊はいずれも短編集で、どことなく星新一ちっくな世界観がいずれの話でも織りなされている。シュールで、脱力するようなものが多い。しかし、発想力の豊かさとウィットな感覚には感嘆するばかりである。絵柄もかわいらしくて大変好み。

細かい書き込みが魅力なラブコメファンタジー『乱と灰色の世界

乱と灰色の世界 1巻 (BEAM COMIX)

乱と灰色の世界 1巻 (BEAM COMIX)

 

こちらは全7巻で完結済みの作品。普通の人たちに交じって暮らす魔法使いの小学生の女の子、乱を主人公にしたファンタジー作品。こちらも独特なタッチときれいな絵柄が魅力的だが、同時に細かいところまで描きこみ、作品に盛り込めないところまで詳細な設定がされているのがいい。終わり方はちょっと物寂しいけれど、とてもさわやかで読後感は気持ちのよいものとなっている。

強い筆力から編み出される女の子格闘マンガ『ねじまきカギュー

ねじまきカギュー(1) (ヤングジャンプコミックス)

ねじまきカギュー(1) (ヤングジャンプコミックス)

 

こちらも、最初は確か短編集である『9速眼球アクティヴスリープ』を読んで気に入った後、長編が開始されたので読み始めたもの。ちなみに、このタイトルはレム睡眠のことである。レム睡眠中は眼球が小刻みに動いているのだ。夢は基本的に、レム睡眠中しか見ない。

9速眼球アクティヴスリープ―中山敦支短編集 (ヤングジャンプコミックス)

9速眼球アクティヴスリープ―中山敦支短編集 (ヤングジャンプコミックス)

 

鉤生十兵衛(かぎゅう・じゅうべえ)という格闘家の女の子が、幼馴染の男性教諭が務める高校でバトルを繰り広げるアクションマンガである。彼女は螺旋巻拳(ねじまきけん)という武術の使い手だが、本気を出すとその風圧によってもれなく衣服が破れるというサービスを提供してくれる。かなり個性的なキャラクターデザインと絵柄のタッチが私の好み。

これまで徒花が紹介した作品を見ていればわかるかもしれないが、私は基本的にちょっとつり目がちな女の子が好きだ!! また、この傾向は3次元でも同じで、どちらかというとかわいらしい女の子よりも、柴崎コウとか、涼しげで切れ長な目元の女性が好き。AKBだと秋元才加とか好きだった。涙袋など不要!!

怪物な女の子たちが魔都・東京で繰り広げる銃撃戦『デストロ246』

そもそもはアニメ化もしたヨルムンガンドから引き続き読んでいて、お気に入り。

ヨルムンガンド(1) (サンデーGXコミックス)

ヨルムンガンド(1) (サンデーGXコミックス)

 

Wikipediaのあらすじではこんな感じ。

実業家の透野隆一は、家族を毒殺され復讐のために生きるようになり、南米の麻薬組織から少女の殺し屋を2人購入した。透野は2人に「翠」「藍」と名付け、日本に連れ帰る。来日した翠と藍は隆一の意を受けて、暴力団を次々と襲い嬲り殺しにしていく。その過程で2人は、政府機関の殺し屋である少女「伊万里」と出会い、同じ殺し屋として強く惹かれる。また、女子高生の暴力団組長「苺」、その同級生兼護衛である「蓮華」「南天」とも遭遇し、反発しあい、アサシンキラー(殺し屋殺し)として抗争に身をやつしてゆく。

とにかくいろいろと普通ではない女の子たちがバンバン人を殺したり撃ちあったりしているだけのマンガ。登場人物はいずれ劣らず血も涙もない人たちで、人の命が千円札よりも軽い。その容赦ない殺しっぷりに痺れるわぁ……。ちなみに、タイトルの246とは国道246号線のことを指していて、彼女たちの「シマ」を表現しているらしいよ。現在も連載中で、いまのところ6巻まで出ている。ただし、絵はそんなにうまくない

日常の中のヒューマンドラマ『天才柳沢教授の生活

天才柳沢教授の生活(1) (講談社漫画文庫)

天才柳沢教授の生活(1) (講談社漫画文庫)

 

単行本も出ているが、徒花は文庫本で買っている。不定期連載なので次の巻がいつになるかはわからないが、いまのところ17巻まで出ている。非常に律義で規則正しく、探究心豊かな大学教授・柳沢先生の日常を描いたもので、毎回毎回、いろいろと示唆に富んだエピソードが繰り広げられるのでおもしろい。絵柄とかキャラデザはじつはそんなに好みではないのだが、それを差し引いてもとにかく話が面白い。

ちなみに、2002年には実写ドラマも放送していて、柳沢教授は松本幸四郎氏が演じていた。ただし、ドラマは見たことがないので、どのくらいの出来栄えなのかはよくわからない。

とにかくアツい出版業界マンガ『重版出来!

重版出来! 1 (ビッグコミックス)

重版出来! 1 (ビッグコミックス)

 

もともとは柔道家を目指していたマンガ誌の新人編集者を中心に、マンガにかかわる様々な人々の悲喜こもごもを綴った職業マンガ。とにかく主人公の黒沢心が熱血で、いろいろ泣かせにかかってくる。ノリ的には、いつ実写ドラマ化してもおかしくないような作品である。じつはこちらも絵柄はそんなに好きじゃないのだが、話が面白いので購入している作品。マンガの編集はしたことがないし、雑誌の仕事もしていないので、なかなか大変そうだなぁと思いながら読んでいる。

ちなみにタイトルの読み方は「じゅうはんしゅったい」。これは売れた本の重版が出来上がることを指す。コミックにならっていえば「出版関係者のだれもが聞くと幸せになれる言葉」である。こちらも現在連載中で、6巻まで出ている。

あと、過去の記事で既に紹介したので省くが、高橋葉介氏のマンガも好きだ。この人の絵には色気がある。

おわりに

ここで紹介するほどのお気に入りというわけでもないが、個人的には夢野久作も好きなので、コミック版『瓶詰めの地獄』とかも持っている。

それから、まだ読んでいないが、ついつい買ったのはコチラ!

神の子供

神の子供

 

いろいろとヤバイ本らしいという噂を聞いたので、確かめたくなってついつい買ってしまった。中古ならさほど値段も高くなかったし。

完全な余談だが、徒花は本棚を持っていない。かつては持っていたが、けっきょくのところ、本棚というのは本を「陳列」するためのものとだと気づいたのだ。大きめの本棚を買っても、すぐにあふれてしまう。というわけで、私は現在、読み終わった本はレビューを書いて、基本的に部屋の隅にある段ボール箱にぽいぽい放り込んでいる。探すのは大変だが、これが一番場所を取らない。おススメ。

というわけで、お粗末さまでした。