本で死ぬ

基本的には本の話。でもたまに別の話。

思わず吹き出す「スピリチュアル本」タイトル11選

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日本タイトルだけ大賞」というのを知っているだろうか。

日本全国で出版されている本の中から、タイトルのおもしろさ(や美しさ、インパクト)だけでダントツの一冊を決める賞だ。2009年から毎年発表されているようで、Twitterハッシュタグ「#タイトルだけ大賞」をつければ誰でも作品をノミネートできる。

 

受賞作の決定はTwitterを使った投票のようだが、その方式が現在も採用されているのかは(公式HPに選び方が書かれていないので)ちょっと定かではない。ただ、こうした世の中に何の価値を生み出さないであろう催しが数え切れないくらい行われている日本という国は、紛れもなく世界に名だたる文化大国であろう

ちなみに、この賞を主催しているのは新刊JPというサイトを運営している株式会社オトバンクで、新刊JPはマジメなサイトである。今年の大賞受賞作は『人間にとってスイカとは何か』だった。内容は、スイカとともに生きる砂漠の民族の生活に密着した、いたってマジメなドキュメンタリーらしい。徒花は読んでないので詳しくは知らないが。

人間にとってスイカとは何か: カラハリ狩猟民と考える (フィールドワーク選書5)

人間にとってスイカとは何か: カラハリ狩猟民と考える (フィールドワーク選書5)

  • 作者: 池谷和信,印東道子,関雄二,白川千尋
  • 出版社/メーカー: 臨川書店
  • 発売日: 2014/06/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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それで、ここからが本題なのだが、書籍の一ジャンルであるスピリチュアル系の書籍にはなかなかぶっ飛んだタイトルの本が多い。知らない人のために説明すると、スピリチュアルとは精神世界とか宇宙の真理とか霊界との交信とか、そういったことを扱っているジャンルである。以前のエントリで紹介した陰謀論とは少し内容的に異なるので注意が必要だ。陰謀論は男性に人気があるが、スピ系は女性からの支持が高い。

正直、私はスピ系にはまったく興味がないし、ちょっと読んでみても何を言っているのかよく意味が分からない系男子だ。しかし、とにかくスピ系の本はつねに一定の需要があるようで、たくさんの本であふれているので、今回はその中から私が独断と偏見で選んだ書籍を紹介していこうと思う。

『【魂のゆりかご】-地球インナーソウルからの招待状-小さな天使たちと共に巡るソウルリーディングの旅』

【魂のゆりかご】 地球インナーソウルからの招待状 小さな天使たちと共に巡るソウルリーディングの旅

【魂のゆりかご】 地球インナーソウルからの招待状 小さな天使たちと共に巡るソウルリーディングの旅

  • 作者: 朝陽櫻(Text by Asahi Sakura),長谷川里佳(Art by Hasegawa Rika)
  • 出版社/メーカー: ヒカルランド
  • 発売日: 2015/05/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まずはこれ。本書のタイトルはスピ本のお手本のようである。タイトルがやたら長く「地球インナーソウル」「ソウルリーディング」といった一般ピープルには耳なじみのない言葉が並び、表紙ではなんだか血の気のうせた女性がアルカイックなスマイルを浮かべている。Amazonの紹介文を読んでもよく分からないが、とくにかく地球インナーソウルが魂を癒してくれるような内容らしい。

『とんでもなく全開になれば、すべてはうまくいく―宇宙の導きにまかせよう』

とんでもなく全開になれば、すべてはうまくいく―宇宙の導きにまかせよう

とんでもなく全開になれば、すべてはうまくいく―宇宙の導きにまかせよう

  • 作者: トーシャ・シルバー,釘宮律子
  • 出版社/メーカー: ナチュラルスピリット
  • 発売日: 2015/05/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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専門用語こそ使われていないが、かなりインパクトのあるタイトルだ。個人的にはけっこう好きである。なにしろ、ただの「全開」ではだめで、「とんでもなく全開」にならなければならないという。とにかくこの本を読み、実践すれば「とんでもなく全開」な生き方ができるようになるという。ちょっと試してみたい気もする。

『すでに完全に癒された天国の地球へワープする唯一の方法-輝ける☆とちゅうじん☆のためのバイブル』

すでに完全に癒された天国の地球へワープする唯一の方法 輝ける☆とちゅうじん☆のためのバイブル

すでに完全に癒された天国の地球へワープする唯一の方法 輝ける☆とちゅうじん☆のためのバイブル

 

スピ本のタイトルの意味がつかみにくいものが多いが、この本ほどタイトルだけで「何を言っているのか分からない」感を「とんでもなく全開」にしているのも珍しい。表紙のイラストだけを見れば、『不思議の国のアリス』のようにも見える。Amazonの説明文によれば、「天国の地球」とは「パラレスアース」「魂の故郷」のことを指し、自らの「インナーチャイルド」の声を聴くことで「マジック」が起こり、そこにワープできるらしい。「とちゅうじん」というのはなんなのかよくわからないが、たぶん「途中の人」という意味なのだろうと思われる。

小保方晴子博士守護霊インタビュー』

小保方晴子博士守護霊インタビュー (OR books)

小保方晴子博士守護霊インタビュー (OR books)

 

こちらはちょっと毛色が違うし、どちらかというと陰謀論的な性格が強いので、スピ本のひとつに加えていいのかは悩みどころだが、タイトルがおもしろいので採用した。とはいっても、別にヒネリがあるわけではない。本書はタイトルの通り、STAP細胞騒動で話題となったオボちゃんの守護霊を呼び出して話を聞くという内容だ。おそらく、小保方博士に守護霊を借りる許可はとっていないと思うのだが、守護霊は本人のあずかり知らぬところで勝手に呼び出しても法に触れたりしないのかはちょっと気になるところではある。まぁ、たぶん問題ないのだろう。

『「思い出す」だけで、人生に奇跡が起こる』

「思い出す」だけで、人生に奇跡が起こる

「思い出す」だけで、人生に奇跡が起こる

 

スピ本にしては短く簡潔なタイトルだが、なかなかインパクトのある表紙と文言である。商品説明によると、「想起プロセス」なる手段を用いて、夢を実現化させる方法について書かれているようだ。著者のメッセージにこうある。「創造するより、思い出すほうが簡単だ」そりゃそうだ

『ぜんぶ人体で確かめた-神代文字-言霊治癒のしくみ-カタカムナ・ホツマ・フトマニ・ひふみ祝詞がなぜ人体を調律するのか-』

またやたら長い文章だが、やはり「ぜんぶ人体で確かめた」という部分はインパクトが強い。また、個人的に注目したのはこのタイトルが「さおだけ屋メソッド」を採用している点である。2005年に出版された『さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学』(山田真哉/光文社)は大ヒットした新書だが、この本意向、ビジネス書を中心に「なぜ~~なのか?」というタイトルの書籍が雨後のたけのこのように出版され続けているのだ。ちょっと例を挙げれば『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(吉田尚記録/太田出版)、『なぜ賢いお金持ちに「デブ」はいないのか?』(田口 智隆/水王舎)などだ。コチラはこれだけで集めてもおもしろいので、今度は「さおだけ屋メソッド」の本だけを集めたエントリーを書いてみよう。ちなみに、「さおだけ屋メソッド」は徒花が勝手にいま考えた言葉である。

『もう病気なんて怖くないよ-なぜこれほど多くの病いと不調が-《テラヘルツ量子波エネルギー》で消えてしまうのか-量子物理学による-がもう始まっているのです』

これも相当長い。そして特徴的なのは「怖くないよ!」「始まっているのです」などと、さまざまな口調を織り交ぜながら拍子を見た人に訴えかけるメッセージ性の高さである。表紙のデザインがまるで新書のように味気ないのはちょっと残念なところだ。内容については、「宇宙が与えてくれた完全治癒の超POWER《テラヘルツ量子波エネルギー》活用法」「携帯電話による遠隔ヒーリングも可能」など、なかなかハイテクである。

『すでに今地球に生きるアップグレードした人々-ピュア・インディゴ-ピュア・クリスタルの子供たち-《旧世代の大人たち》がこれら《新時代の子供たち》と共に未来を創っていくその方法-』

もはや長さについてはいうことはないが、とにかく引っかかるのは文法のおかしさ。「すでに今」とはどういうことなのか。正直、この文言はなくても文脈的に通じると思う。また、最後の「その方法」の「その」も不要なのではないか。それとも、商品説明にある「新時代のクリスタル・エネルギーのボルテックス・スポット北欧」がこのように書けとメッセージを送ってきた結果なのだろうか。謎は尽きない。

『神社仏閣にいた神々はすでに立ち去りました-もっと悟ってもっとアセンション-ホワイトブラザーフッドが語った《日本の新しい霊的現実》のすべて-』

神社仏閣にいた神々はすでに立ち去りました もっと悟ってもっとアセンション ホワイトブラザーフッドが語った《日本の新しい霊的現実》のすべて

神社仏閣にいた神々はすでに立ち去りました もっと悟ってもっとアセンション ホワイトブラザーフッドが語った《日本の新しい霊的現実》のすべて

  • 作者: A・ジョルジェ・C・R,高木友子
  • 出版社/メーカー: ヒカルランド
  • 発売日: 2015/04/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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多くの日本人がお参りに行っている寺社仏閣からすでに神様が立ち去っているという、なかなかショッキングなタイトルである。では神様はどこに行ったのかというと、商品説明によれば「海の中のエーテルシティの光のテンプルに集まり」、そこから日本を見守っているらしい。ちなみにこのヒカルランドという出版社はこうしたスピ本を数多く出版しているのだが、それぞれの主張で矛盾することがあっても著者陣は文句を言ったりしないのだろうかと、そこはちょっと気になる部分。個人的には「もっと悟ってもっとアセンション」に語呂のよさを感じる。

『エンリケ・バリオスの魔法の学校-』

エンリケ・バリオスの魔法の学校 (超知ライブラリー)

エンリケ・バリオスの魔法の学校 (超知ライブラリー)

 

表紙のイラストやタイトルだけだとハリポタのようなファンタジー小説のようにも思えるが、それが本書のワナである。商品説明によれば「人生を「そう、できるんだよ!」の確信に変えるだけで、あなたの毎日に望み通りの奇跡があふれ出す!」ことを伝える内容のようだ。ほかの本に比べて商品説明が少ないため、それがどうして「魔法の学校」につながるのかサッパリ分からない部分は、なんだか興味を惹かされる。

『3000倍、引き寄せる。』

3000倍、引き寄せる。 (リンダパブリッシャーズの本)

3000倍、引き寄せる。 (リンダパブリッシャーズの本)

 

スピ本の有名な手法のひとつに「引き寄せの法則」というものがある。本書はどうも、ほかの引き寄せの法則よりも3000倍引き寄せる効果を持つ方法を伝授してくれるようだ。引き寄せの法則ファンからすれば垂涎者の手法なのだろう。ちなみにこの方法、商品説明によれば宇宙人の「さくやさん」が教えてくれたらしい。ホストの名前みたいである。

 

以上。

とりあえず、目に付いたもののなかから傑作と思われるタイトルのスピ本を集めてみた。もちろん、徒花が発掘し切れなかった噴飯もののタイトルはきっと存在するだろうし、これからもっと突拍子もないタイトルの書籍は生まれ続けるだろう。出版業界はあまりにも刊行点数を増やしすぎていることが業界を衰退させる要因のひとつとされているが、こうしたわけの分からない本が出てくるのであれば、それほど悪いことだらけといえないこともないのかもしれない。

 

それでは、お粗末さまでした。