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本で死ぬ

基本的には本の話。でもたまに別の話。

『トゥモローランド』のレビュー~歌舞伎町のゴジラヘッドを見る人が知っておくべきこと~


映画『トゥモローランド』予告編 - YouTube

先日、ディズニーの映画トゥモローランドを、新宿・歌舞伎町に新しくできたTOHOシネマズ新宿にて見てきたので、そのレビューやなんかを少し。

もくじ

 TOHOシネマズ新宿について

まずこの映画館について。TOHOシネマズ新宿は2015年4月17日(金)にオープンしたばかりのシネマコンプレックスシネコン)で、計12スクリーン、座席数は約2300席を誇る、都内最大級の施設だ。勘違いしてはいけないが、ビルの名称は「新宿東宝ビル」で、その3~6Fに入っている映画館の名前が「TOHOシネマズ新宿」である。新宿東宝ビルは1Fがショップ&レストラン、2Fがパチンコのマルハン、8F~がホテルグレイスリー新宿となっているなぜ7Fがないのかは不明

一番の目玉は、なんといっても8F部分に設置されている「ゴジラヘッド」。ヘッドとはいいながら右前足部分もビルに引っ掛けられていて、靖国通りからこのビルを眺めると、さながら本物のゴジラが新宿東宝ビルの向こう側から覗き込んでいるかのような臨場感のある置物となっている。この記事によれば1992年に公開された『ゴジラVSモスラ*1ゴジラをモデルにしているらしい。

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個人的には「ほぼ実物大」という表現が若干気になるところである。そしてこれが要注意なのだが、ゴジラヘッドを間近で見るにはカネを払わなければならない。

くわしくはコチラのページに書いてあるが、ゴジラヘッドを間近で見るにはホテルグレイスリー新宿に宿泊するか、8Fにある「カフェテラス・ボンジュール」というなんともダサい名前の店に入り、なにかしら注文しないとイカンという。ちなみに、さすがホテルの中の店ということもあり、コーヒー1杯850円(税・サービス料別)である参照ページ)。貧乏人はお断りなのだ。当然、私は外から眺めるだけにしておいた。また、ホテルグレイスリー新宿にはとにかく内装をゴジラにこだわった特別な「ゴジラルーム」もある。平日だと1泊39,800円也。国内のゴジラフリークを狙っているのか、それとも物好きな金持ち中国人観光客を狙っているのかは定かではないが、個人的には後者のほうな気がする。

さらに6月26日(金)からは、SCREEN2がMediaMation MX4D™になる。これはいわゆる「4D映画」というやつで、3D映像に加えて振動、香り、風、水しぶきなど、五感をフルに使って臨場感のある鑑賞ができるというものである。ここまでくると、もはやテーマパークにあるアトラクションとなんら変わりがない。ちなみに、料金はだいたいひとり2,800円くらいかかるようだ。個人的には映画1本見るのにここまで払いたくはない・・・・・・。とはいえ、映画産業もなかなか厳しいようなので、あの手この手を使って「映画館に来る価値」を創造しようとしているのだろう。

トゥモローランド』のレビュー(ネタバレなし)

さて、そんなステキ映画館で鑑賞した『トゥモローランド』だが、観想を一言で言えばクソ映画だった。2,800円はおろか、1,800円ものチケットを買うことすらもったいない。中古になってから100円でレンタルするので十分な作品である。以下にその理由を述べていく。

理由① 予告編が詐欺

まず、本エントリーの冒頭に貼った本作の予告編映像を見ていただきたい。これだけだとなるほど、面白そうである。まずタイトルからして、ディスにーファンならちょっとその真相にひきつけられるものがあるはずだ。

ディズニーランドに行ったことがある人なら共感できると思われるが、トゥモローランドというエリアに私はちょっとした違和感を抱いていた。いまでこそ「バズ・ライトイヤーのアストロブラスター」や「モンスターズ・インク ライド&ゴーシーク!”」など、エリアにマッチしたアトラクションがあるが、私が子どものころには「スペース・マウンテン」や「キャプテンEO」などディズニー作品とは関係のないアトラクションしかなく、なぜこんなエリアがディズニーのテーマパークであるここにあるのか、よく分からなかったのである*2この予告編を見ると、「なぜウォルトがテーマパーク内にトゥモローランドというエリアを作ったのか?」という謎が明かされるような内容に思えるはずだ(たぶん、私だけではないはず)。

しかし、 別に謎は明かされない。結局、トゥモローランドとはなんなのか、いつから現実の世界と交流があったのか、なぜディズニーランドに「トゥモローランド」というエリアがあるのか、ということについてはまったく解説がない。もっといえば、映画の中では「ウォルト」の「ウォ」の字も出てこない*3そうした悪い意味で、私の期待は見事に裏切られたのである。こうしたCM詐欺は映画の世界ではさほど珍しいことではない*4が、やはりやられるとおもしろいものではないので、必然的にその映画の評価は下がってしまう。

理由② いろいろと説明不足

これは①の理由とカブるところが多いが、本作はいろいろと説明が不足している感が否めない。もちろん、すべての謎を一から十まで懇切丁寧に説明して明瞭にする必要はないが、それにしても、本作は見終わったあとにいろいろとモヤモヤが残る。疑問を挙げるとネタバレになる可能性があるので控えるが、①で挙げたものが解決されなかった大きな疑問点の代表である*5

理由③ ストーリーのつくりが雑

設定がよく分からなくても、とにかくストーリーに引き込まれて夢中になれるのならばエンターテイメントムービーとしては及第点を与えられるが、本作はストーリーもダメダメである。なかでも私が一番腹が立つのは、伏線を敷いたままほったらかしにすることである。

たとえば、映画はいきなり主演の2人があたかも観客に語り掛けるような始まり方をするが、その結びが一体どこなのか(ストーリーの途中なのか、それともエンディングなのか)がわからない。そもそもあの語りは誰に向けられたものなのかもわからない。監督が一体どういう意図を持って冒頭のシーンをあのような演出にしたのか小一時間ほど問い詰めたい。また作品中、主人公であるケイシー・ニュートンブリット・ロバートソン)は父親からもらったキャップ帽に強い愛着を抱き、川に落ちたときも溺れそうになるのもかまわず取りに行っていたの。のに! 終盤、あるシーンで帽子が風に飛ばされると、すんごくあっさり諦めてしまうのである。私は上映中、「えっ! そんな簡単に帽子あきらめちゃの!?」と胸の中で突っ込んでいた。

――とはいえ、この作品にもまったくいい点がないかといえば、もちろんそんなことはない。アテナ役のラフィー・キャシディはかわいかったし、ジョージ・クルーニーのかっこよさは予告編と相違なかった。(ちなみに、ジョージ・クルーニーはあの『サウスパーク』の第1シーズン第4話「愛犬スパーキーのおホモだち」でスパーキーの声優を務めている。なにをやっているんだ・・・・・・)

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というわけで、『トゥモローランド』はよほどのジョージ・クルーニーファンか、疑うことを知らないディズニー信者か、白人の少女がバリバリアクションをする戦闘シーンが見たい人でない限り、映画館での鑑賞はおススメしない。

そういえば、ディズニー映画で子ども(?)が主人公の映画にしては、あっさり首ちょんぱ(ロボットだけど)のシーンを出していたのは、ちょっと意外な部分であったことを最後に付け加えておく。

 

 

それでは、お粗末さまでした。

*1:モスラVSゴジラ』は1964年に公開されたまったく別の作品なので間違えてはいけない。

*2:つまらない答えを言えば、少しでも男の子の客を集めるため、男の子の興味を引きそうなテーマをぶっこんだという説があるが、真相は定かではない。また、ファンタジーランドの拡大トゥモローランドの縮小の話があるが、詳細は不明である。オリエンタルランドの今後の展開についてもそのうちまとめてエントリーにしてみたい

*3:このページの「その6」の部分をよく注意して読んでほしいが、「ウォルト・ディズニーも、この組織の一員として「トゥモローランド」設立や運営に尽力しているとしたら、」とある。つまり、ウォルトがこのトゥモローランドを作り出した「プルス・ウルトラ」という組織に参加していたとは明言しておらず、作中でも結局明言されないままだった!

*4:たとえばクレヨンしんちゃんの映画などでも、私は何度か騙された。

*5:①で書き漏らしたことをひとつ挙げるならば、「なぜトゥモローランドの入り口が『イッツアスモールワールド』のなかにあったのか」ということも挙げられる。